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週刊オールライター第57号  「大宮駅を通るマイナーだけど便利な列車」

埼玉県最大の駅である大宮駅。ここには、5つの方面に向かう新幹線が停車する大きな駅で、特急列車も数多く停まりますが、中には一般にあまり知られていない列車もありますが、その列車はどれも便利なものばかりです。今回はその列車の名誉のために、皆様にもぜひ知っていただきたくこの配信をお送りします。

1. 配信にあたって

この配信にあたり、私は普段趣味で使っているXアカウントで
「大宮駅を通る・発着する列車で
『聞いたことがない』
『よく使う人や鉄オタしか知らないようなマイナーな列車』
と思うものを教えてください」
という投票を行いました。選択肢は以下の通りです。

1.むさしの・しもうさ
2.浅草発大宮行きアーバンパークライナー
3.あかぎ81号
4.きぬがわ・スペーシア日光

4番に関しては本数は減ったとはいえ有名な列車ですので、比較のために入れました。ご協力いただいた皆さんありがとうございました。
それでは本編に入ります。

2. 大宮駅を通る・発着するマイナー列車たち①「アーバンパークライナー1号大宮行き」

アーバンパークライナーの行き先表示。

回答率 50%(5票)

今回の調査で最もマイナーな列車と回答されたのはこの列車です。アーバンパークライナーは、東武アーバンパークライン(東武野田線)では初となるライナータイプの列車です。アーバンパークライナーは列車によって運行区間が異なりますので、これについて書こうとすると記事が1つできてしまうくらいのスケールになるので、ここでは1号について解説します。
1号は、浅草と大宮・運河を結び、途中の春日部駅で大宮行きと運河行きが切り離されます。そしてこの列車にはある面白いポイントがあります。それは、
「せんげん台駅より先、大宮・運河までは特別料金不要で特急車両に乗車ができる」
という点です。

上記過去記事でもご紹介しましたが、この列車はせんげん台駅より先は特別料金不要になっています。この運賃形態は同じ東武鉄道のライナー列車「TJライナー」のふじみ野〜小川町、西武鉄道のライナー列車「拝島ライナー」の小平〜拝島でも行われています。

しかし、なぜこの列車の認知度は低いのでしょうか。それは単純です。
「浅草から大宮に向かう際、東武鉄道を使う人はほとんどいないから」
でしょう。

とはいえ、この列車と東武鉄道の名誉のためにこれだけは言います。
着席して移動するならこの列車を使ったほうがいいです。上野からも東京メトロ銀座線で3駅だけ行った先ですから。

知名度が少ないことに無理はないですが、快適に帰れる手段として有効だと思います。

3.大宮駅を通る・発着するマイナー列車たち②「むさしの」・「しもうさ」

先日のバイト帰り、むさしの号に乗ってきました。

回答率 40%(4票)

今回の記事を書く契機になった列車が2位に入りました。
「むさしの」は大宮駅から少しだけ湘南新宿ラインの線路を走ったのちに武蔵野貨物線に入って西浦和付近から新小平まで武蔵野線、新小平から再び貨物線に入って国立で中央線に合流して八王子に至る列車で、立川で多摩モノレールに乗り換えれば多摩動物公園やサンリオピューロランド、八王子で中央線に乗り換えれば相模湖プレジャーフォレスト、もう少し足を伸ばせば富士急ハイランドや河口湖、石和温泉にだって行けると思います。かたや「しもうさ」は大宮駅から少しだけ湘南新宿ラインの線路を走ったのちに武蔵野貨物線に入る区間は「むさしの」と共通していますが、武蔵野貨物線に入ってからは武蔵浦和に向かい、そこから南船橋・海浜幕張に向かいます。海浜幕張行きに乗れば、幕張メッセでの東京ゲームショウやワンダーフェスティバル、アイドルイベントといった各種大型イベント、ZOZOマリンスタジアムでの千葉ロッテマリーンズの公式戦にだって行けますし、海浜幕張で乗り換えすればジェフユナイテッド市原・千葉の公式戦(フクダ電子アリーナ、京葉線の終点である蘇我駅から歩いて15分)にも行けます。個人的には、2019年3月に幕張メッセにて行われた乃木坂46の握手会(現リアルミート&グリーティング会)に参加していた殿堂入りの推しに会いに行くためにこの列車で大宮から海浜幕張まで乗ったので大変思い入れのある列車です。

2019年3月に幕張メッセで開催された握手会に行った際に乗ったしもうさ号。
車両はまだ205系の頃でした。

しかし、「むさしの」・「しもうさ」共々、本数が1日わずか3往復(朝1往復、夕夜2往復)という本数の少なさの影響で、2010年に「むさしの」が休日限定の「ホリデー快速」から定期列車に昇格して13年経過してもマイナー列車の部類なのは非常に勿体無いです。
この記事を書くきっかけは、ある日母が、メールで
「大宮駅11番線に武蔵野線が入ってきて乗客は回送になるから全員降りたけど、振替輸送?」
という写メが送られてきたのですが、その列車は「しもうさ」の回送でした。その写メが送られてくる以前から「むさしの」「しもうさ」の話は家でしていたのに覚えていないのです。便利な列車だと思っているのですが、何年経っても知名度が高くならないことに衝撃を受けたので、この記事を書こうと決意したのです。

今年の鉄道の日の帰り乗車したしもうさ号。
とても便利な列車なので本音を言えば増便してもらいたいくらいです。

4. 大宮駅を通る・発着するマイナー列車たち③「特急あかぎ81号」

あかぎ81号の駅表示。

回答率 10%(1票)

最後は、帰宅に便利な臨時特急の登場です。特急「あかぎ」は、上野と鴻巣・本庄・高崎を結ぶ特急列車で朝に上野行きと高崎発新宿行き、夜に上野発が設定されています。今回紹介する「あかぎ81号」は、上野発本庄行きの列車です。本来、下りの上野発「あかぎ」は1・3・5・7・9号が設定されていますが、平日金曜日(金曜日が祝日の場合は木曜日)に限り上野駅を21:00ちょうどに出る臨時便の81号が設定されています。この列車は今年3月のダイヤ改正まで「スワローあかぎ91号」を名乗っていましたが、この改正で「スワローあかぎ」から「あかぎ」に改名されるとともに列車番号も81号に変わりました。

スワローあかぎ91号時代の乗車券。

この「あかぎ81号」は、土日を休む通勤客に向けた便利な列車だと思います。760円を払えばリクライニングシートに座って帰宅できますから、高崎線沿線にお住まいの方に是非とも知ってもらいたい列車です。
余談ですが、平日に限り、「あかぎ」の特急料金は高崎線普通列車・快速アーバンのグリーン車料金と比べると、上野から赤羽・浦和・大宮・上尾・桶川・北本・鴻巣の「あかぎ」停車駅まで向かう場合、普通列車グリーン車よりも「あかぎ」の方が20円安いという謎の逆転現象が発生しています。たった20円かもしれませんが、鉄道ファンにとっても通勤利用者にとっても切符の料金差は1円でも大きな差です。

あかぎは私も帰宅に使用する時があります。
(写真はあかぎ9号。)

むすびにかえて

いかがでしたか?今回は大宮駅を通る「マイナーだけど便利な列車」を紹介しました。あまり知られていなくても、使い方さえわかれば便利に感じることはあるでしょう。それは列車だってそうです。この記事を機会として知ってもらえたら嬉しいです。

それではまた。

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