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週刊オールライター創刊号 「初乗り料金で1都6県一筆書き」の旅?

0. はじめに 定期配信開始に先立ってのご挨拶

 こんにちは。HISASHINJOです。今回からnote記事を毎週土曜日配信の週刊記事とさせていただくにあたり、皆様にこれからのご支援・ご声援を賜りたく、ここに挨拶を申し上げます。
記事のタイトルですが、週刊記事とするからには雑誌のような名前が必要と考え、
「週刊オールライター」といたしました。私はライターを目指していると、自己紹介記事や前回の記事でも述べましたが、特に目指しているのは鉄道ライターです。ですが私は鉄道以外にも多くの趣味を持っているだけでなく、ライターとしての経験値蓄積のためにも鉄道以外の記事も配信することが必要と考え「オールライター」と名付けました。
今後ともよろしくお願いたします。それでは、記念すべき創刊号
『「初乗り料金で1都6県一筆書き」の旅?』
をお送りします。


JR水戸線下館駅にて
下館はローカル線3路線のターミナルで、SLも走っています。

1. 「初乗り料金で1都6県一筆書きの旅」とは そもそも関東地方の都道府県を初乗り料金だけで回れるのか?

 この旅をするためには、「切符のルール」を知っていることが前提となります。ここでの「切符のルール」とはJTB発行の時刻表、そのルールが適用される区間があるJR東日本・JR西日本・JR九州の公式ホームページに掲載されている
「大都市近郊区間」
に関するルールとなっています。
この「大都市近郊区間」は乗車経路が複数存在しているほど路線網が複雑な都市圏である仙台・新潟・東京・大阪・福岡の5つの都市圏に設定されています。
乗車券はお客様が実際に乗車する経路に従って発売することが原則ですが、上記5つの都市圏では、乗車駅から目的駅までの経路が複数あるため、一定のエリア内で乗車する列車やルートを自由に選択できるようになっています。そのため、どれだけ遠回りしても大都市近郊区間から出ない限りは同一運賃として扱われます。
鉄道ファン、特に私のような乗り鉄はこれをうまく利用した乗り鉄を多く行なっています。その際たる例が
「初乗り料金で1都6県一筆書きの旅」です。広く「大回り」と呼ばれる乗り鉄方法です。
「初乗り料金」と書いていますが、場合によっては初乗り料金が適用される区間よりも長い駅間(JR東日本高崎線上尾〜宮原など)の場合もあるので、「一駅間の運賃で回る」と思ってください。
(2022年11月5日現在のJRの初乗り料金は140円です)
また、この旅の模様を多くのyoutuberが紹介しているほか、漫画「鉄子の旅」(菊池直恵)、小説「電車で行こう!」(豊田巧)などの書籍でも多く特集されています。

大回りではローカル線に乗ることもあります。
そのためにローカル線ならではの光景も見ることができるのがこの旅の特徴です。
(JR八高線東福生駅にて。ちなみにこの光景は2022年3月をもって見られなくなりました。)

2. 私がこの旅を知ったわけ

 私がこの度に出会ったのは小学6年の頃です。古本屋で漫画「鉄子の旅」を買ったことがきっかけでした。この漫画の第2旅(第2話)において特集されており、実際に鉄子の旅に出演しているメンバーが行なっていました。その時の区間は
東京(東京都)〜川崎〜尻手〜浜川崎〜鶴見〜東神奈川(全て神奈川県)〜八王子(東京都)〜高麗川(埼玉県)〜高崎(群馬県)〜小山(栃木県)〜友部(茨城県)〜我孫子〜成田〜千葉〜蘇我(全て千葉県)〜八丁堀(東京都、東京駅の一つ隣)
でした。このような旅ができるのであれが是非やって見たいと思っていました。
そして中学2年になったある日、そのチャンスを掴むことになりました。学総(学校総合体育大会)も近づいていたある日、部活をしている時に先輩から夏休みの過ごし方について説かれたのです。
先輩が言うには
「中3になると忙しくなるから今のうちに遊んでおいた方がいい。夏休みは特に」
と言うことだったので、夏休みにやることになりました。

大回りをする上で特急券を「課金」するという方法もあります。今回はは特急ではなく、「普通列車のグリーン車」に課金しました。

3. 1度目の大回り

2016年夏に行った大回りの区間は
上尾(埼玉県)〜倉賀野(群馬県)〜高麗川(埼玉県)〜拝島〜立川〜八王子(全て東京都)〜橋本〜茅ヶ崎〜横浜〜東神奈川〜鶴見〜浜川崎〜尻手〜川崎(全て神奈川県)〜東京(東京都)〜市川塩浜〜新松戸〜柏(全て千葉県)〜取手〜土浦〜友部(全て茨城県)〜小山(栃木県)〜大宮〜宮原(全て埼玉県)
でした。乗る路線も
高崎線、八高線、青梅線、中央線、横浜線、相模線、東海道線、京浜東北線、鶴見線、南武支線、南武線、京葉線、武蔵野線、常磐緩行線、常磐快速、水戸線、東北本線
と多くの路線に乗車しました。
しかし、この旅はまさかの大失敗に終わりました。
常磐線に乗車中、友部で降りるはずが寝て乗り過ごすと言うまさかの大失態を犯し、水戸駅まで乗ってしまったのです。
大きな代償を背負うことになったのです。

4. 大回りのリベンジへ 2回目の大回り

 それから5年後、大学1年の冬休み、大回りのリベンジを行いました。
ルートは
北上尾(埼玉県)〜前橋(群馬県)〜小山(栃木県)〜友部(茨城県)〜我孫子〜柏(ともに千葉県)〜日暮里〜上野(ともに東京都)〜川崎(神奈川県)〜府中本町〜西国分寺〜箱根ヶ崎(全て東京都)〜川越〜大宮〜上尾(全て埼玉県)
です。
乗った路線は
高崎線、両毛線、水戸線、常磐線、常磐緩行線、山手線、上野東京ライン・東海道線、南武線、武蔵野線、青梅線、八高線、川越線
です。ここからは、この2回目の「リベンジ大回り」の出来事を取り上げます。

北上尾駅。駅の目の前には高校がありますが、普通列車しか停まらない小さな駅です。

 旅の始まりは埼玉県のJR高崎線北上尾駅。ここから大回りを始めて、ゴールは一つ隣の上尾駅です。長い長い旅が幕を開けました。

トップバッターの列車。ここから長い旅の始まりです。

 トップバッターは高崎線E233系3000番台普通前橋行きです。この列車に終点の前橋まで今回はグリーン車に乗車しました。グリーン車に乗る場合、乗車距離51km以上だと平日1000円、休日780円なので、51km以上乗る場合はグリーン車に乗った方がいいです。
途中、神保原〜新町にかかる利根川橋梁を渡って群馬県に突入しました。

寒かったのでホームの自販機で買った午後ティー。暖を取りました。
群馬県の県庁所在地は前橋です。

 そして群馬県・前橋に到着。埼玉県はここでクリアです。高崎から後ろを追いかけていた両毛線の普通列車小山行きに乗り換えます。両毛線は伊勢崎行き、桐生行きが多いこと、この後小山駅で乗り換える水戸線の関係もあって朝早くの移動となりました。

「ニチョンチョン」とも呼ばれる211系。JR東日本の車両はかつては高崎線、宇都宮線、東海道線、伊東線で走っていましたが、今は上越線、信越本線高崎〜横川・長野〜篠ノ井、吾妻線、両毛線、中央線立川〜中津川、飯田線飯田〜辰野、篠ノ井線、大糸線松本〜南小谷で走っています。

 JR両毛線は、高崎〜小山を前橋、伊勢崎、足利、桐生などを通って向かう路線です。高崎〜前橋は通勤需要も多く、上野東京ライン・湘南新宿ラインとして神奈川県・静岡県への直通運転を行なっていて賑やかですが、前橋から先は一転、単線のローカル線に変貌します。また道中にはあしかがフラワーパークもあります。

旧表示の駅名標が残る小山駅両毛線ホーム。
新幹線の真下にホームがあります。

 栃木県にある小山駅に到着したことで、群馬県はクリアです。この後、この日限りで閉店した駅そばの名店「きそば」のそばを食べようと思ったのですが・・・

きそば最終営業日の行列。駅そば鉄を含め、多くの人で賑わっています。

 水戸線に間に合えばよかったのですが、まさかのお昼休憩に入ってしまい、この後に日程に支障をきたすのでお昼を我孫子駅にある大回り乗り鉄ご用達の「あの店」にすることにして、水戸線ホームへ。

JR水戸線普通列車はワンマン運転です。
小山駅前には白鴎大学があります。

 JR水戸線は栃木県の小山駅から茨城県の友部駅を結ぶローカル線で、途中の下館駅はSLもおかの走る真岡鐵道、京成・東武出資の中小私鉄、関東鉄道が分岐するローカル線のターミナルです。
前回失敗した時はショックを引きずって乗車中ずっと泣いていました。

友部駅の駅名標です。
かつて水戸線はその名の通りここから水戸までの線路も持っていましたが国鉄編入時に友部〜水戸が常磐線に編入されたため、水戸線は「水戸を走らないのに水戸線」とネタにされるようになりました。

 この日の茨城県は強風注意報が出ていたほど強い風が吹き、その影響で常磐線・水戸線も遅れていました。
遅れて友部駅につきましたが、乗車予定の列車はまだ来ていなかったので、乗り遅れることはありませんでした。

常磐線のエース、E531系。土浦〜品川を走る特別快速では、JR東日本の近郊型電車最速の時速130km/hで走ります。

 友部駅から我孫子駅までは常磐線のグリーン車に乗っていきました。ここも料金は1000円だったので乗車しました。
途中、藤代〜取手には交直切り替え区間「デッドセクション」があります。直流1500V区間と交流20000V・50Hz区間の境目です。石岡市に世界でも重要な地磁気観測施設があるために常磐線はE531系導入までうまく新車が導入できないといった問題があったことでも知られています。

我孫子駅の駅そば「弥生軒」。名物の「唐揚げそば」は大回り乗り鉄の昼飯として絶対に食べるべきものです。

 列車は遅れながらも千葉県・我孫子駅へ。ここで茨城県がクリアになったところでお昼にしました。食べたのは「弥生軒」の唐揚げそばです。衣にそばつゆを混ぜていて、そばに合うようにしているという独自の唐揚げの美味しさを求めて多くの大回り乗り鉄が訪れます。メディアにも度々取り上げられています。

唐揚げそば2個入り。結構でかいですよ。写真での見た目以上に。
我孫子から乗車した常磐緩行線。北柏付近で時計の針は私の「出生時刻」を差し、私は19歳になりました。

 我孫子でお腹を満たし、この後の予定にもかなり余裕があるので、常磐緩行線で松戸まで行くことにしました。

2022年12月をもって引退する現存最期の485系「リゾートやまどり」。
デビューから幾度となく見てきた彼ももう引退となると悲しいです。

 松戸では、485系「リゾートやまどり」の試運転に遭遇。私の大好きな485系が見れたので嬉しかったです。

取手から北に行く常磐線にはグリーン車がありますが、取手までの常磐線快速及び成田線(我孫子支線)直通にはグリーン車がありません。

 松戸からは常磐快速線で東京都の日暮里まで出ました。これにて千葉県がクリアになりました。

日暮里駅。時間稼ぎのためもあって山手線で移動します。

 日暮里で山手線外回りに乗り換えて上野へ。

東京以北の人間が都会を意識する場所こそ北の玄関口・上野駅。

 上野で用足し休憩中に、列車の遅延がわかったので予定を大きく前倒しして上野東京ライン東海道線直通で神奈川県の川崎まで行きました。最初は座っていましたが鶴見川を渡っている付近で眠気に襲われて、私は気がつきました。前回の失敗の原因が「寝過ごし」ということに。なのでそこから立って川崎まで向かいました。

川崎駅の駅名標。川崎駅は鉄道開業初期に作られた駅の一つです。近頃、「さくたん駅」と呼ぶ人もいるとかいないとか?

 川崎に着いたところで、東京都クリアです。川崎からは中央線西国分寺駅でどうしても乗りたい列車があるために南武線で府中本町へ向かいました。東海道線乗車中から眠気に襲われていたので、ずっと立っていました。

南武線の車両。奥にいるのは武蔵野線です。
(府中本町にて撮影)
府中本町駅の駅名標
これで1都6県クリアです。

 府中本町に到着して、神奈川県クリア。この時点で1都6県全てクリアになりましたが、まだまだ旅は終わりません。
武蔵野線で西国分寺に向かいますが、列車が遅れていました。

武蔵野線西国分寺駅の駅名標。
中央線と直角に立体交差しています。

 そしてなんとか西国分寺につきましたがこの瞬間武蔵野線が運転見合わせに。ギリギリセーフでした。もし途中で足止めされてたらお目当ての列車に乗れませんでしたから。

中央快速線へのグリーン車導入工事のために車両が不足したことで延命した元常磐緩行線の車両。この車両の音がたまらないんですよ。

西国分寺では、いろいろな列車を見送ったり、鉄道チャンネルのLINEライブを見たりして時間を潰しました。

2つの行き先を表示する列車も2022年3月のダイヤ改正で関東のJRからは消えました。

 そしてやってきたのは中央快速線の東京発武蔵五日市・箱根ヶ崎行きです。この列車は立川から青梅線に入り、拝島で東京側の6両が五日市線武蔵五日市駅に向かう列車として、高尾側の4両が八高線箱根ヶ崎駅に向かう列車として切り離されるという列車です。現在は中央快速・青梅線と五日市線を直通する列車はホリデー快速あきがわ以外全て廃止され、八高線直通列車も八高線ワンマン化で廃止されました。なのでこの列車に「乗り納め」という形で乗車しました。米空軍横田基地を横目に見ながら箱根ヶ崎駅へ。

八高線で液晶画面も見れなくなりました。
拝島行きの表示が見られる機会も少なくなりました。
箱根ヶ崎駅2番線発の列車も消えました。
箱根ヶ崎駅の駅名標です。
箱根ヶ崎発拝島行きも廃止に。
ワンマン化前の八高・川越線です。
ワンマン化前は発車メロディーも駅で流していました。

 後ろを走っていた八王子発の八高・川越線で川越へ向かいました。
夜のローカル線の車窓も良いものです。高麗川からは川越線に入ります。

川越駅の駅名標です。ゴールまでもう少し。

 川越駅に到着。川越線は大宮〜高麗川を結ぶ路線ですが、川越駅で運行形態が分断されていて、川越駅から西側が今まで乗ってきた拝島・八王子に向かう八高線直通列車、東側が大宮・赤羽・池袋・新宿・大崎・新木場・海老名に向かう埼京線・りんかい線・相鉄直通列車になっています。
埼京線・りんかい線直通の通勤快速に乗り換えて大宮に向かいます。

大宮駅地下ホームの駅名標です。
ゴールは目前。

 見慣れた大宮駅の表示を見ると、ゴールが近づいてきた実感が湧いてきました。まだまだ油断はできません。最後の列車、高崎線快速アーバンに乗り換えるため地上ホームへ。

今は亡き大宮発着の成田エクスプレス。
これの後に記録したのが最後でした。

 この時列車は遅れていたらしく。行き先変更や運転打ち切りに伴う乗り換えなどの光景も見られました。

ラストバッター、高崎線快速アーバン。
高崎線、宇都宮線、東海道線(上野東京ライン)の快速には愛称があります。

 そしてやってきた快速アーバン。この列車でゴール地点の上尾駅へ向かいます。

ゴール地点の上尾駅の駅名標です。

 そしてついに上尾到着。切符は時間の都合で自動改札に通せないので駅員のいるところに持って行き、
「ハンコください」
と言いました。余計なことを言ったら余計に怪しまれるのでこれくらいの一言で済ませましょう。

記念すべきゴール地点の改札。

 そしてこの瞬間、私の大回りは見事にリベンジを果たしました。とても嬉しかったです。
ただ、正直なところ、「切符のルール」をうまく突いた旅なので鉄道に詳しくない両親からは心配されたのが正直なところです。
中には不快に思う駅員もいるらしいです。でも、こういう時にルールは守っていることをしっかり伝えておけばいいので、絶対に「企画書」または「しおり」を持って行きましょう。ルールを守っている証拠になりますから。

5. むすびにかえて

 定期配信化第1号は「初乗り料金で1都6県一筆書きの旅(大回り)」のことを書きましたが、いかがでしたでしょうか。
今後も、このような私の趣味の話や私の身の回りに起きた出来事、世の中のニュースなどを取り上げてお話しして行きたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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 次回の配信は11月12日になります。お楽しみに。

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