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最終章 ときめきに溺れそう

2021年のM-1グランプリが終わり、それからの数日はしばらく余韻に浸る日々が続いていた。
何をしていてもあの日のハライチの勇姿が頭に浮かび、ニヤニヤしたり、ぼーっとしたりしてしまう。

そして何より、毎週放送されているハライチのラジオ「ハライチのターン」を早く聴きたいというワクワク感でいっぱいだった。

これまでの放送でも何度かM-1に関してのことを話していたことはあるが、大会への参加の経緯や意気込みなど、ハライチの二人の想いなどはあまり話していない。

今週はそこの話などもするのか、それともさらっと触れて終わるのか、まだわからなかったが、それでも早く二人の声が聞きたいという想いは募っていった。


「ハライチのターン」は深夜ラジオのため、私はいつも翌日の朝、支度をしながら、出勤しながら聴いている。
今週はタイムリーで聴きたいと思いつつ、翌日仕事だったため、その想いを押さえ込み、結局翌日の朝の仕事前に聴いた。

通常の「ハライチのターン」は、いくつかコーナーをやり、澤部さんのフリートーク、岩井さんのフリートークという流れがお決まりになっている。

しかしながら今週は二人のフリートークの時間、ノンストップでお二人でM-1の話をするという異例な回となっていた。

それだけでもファンとしては興奮する。

いつも通り、ハライチの二人の心地良いテンションで話は進んでいくのだが、その中にもどこか熱い想いが時折見え隠れしていて、その熱量がこちら側にもヒシヒシと伝わってくる。

昔からの夢であったM-1への想い、準決勝での孤独な戦い、新ネタを披露した経緯、せり上がりのときの会話、澤部パパの号泣、これからのハライチについて、、

まるで今までのハライチの15年間の答え合わせをするかのようなトーク内容。

聴いている私の心は感動、納得、尊敬、興奮、いろいろな感情がごちゃまぜになっていた。



ハライチの二人は本当に漫才が好きだということ。

周りの「ハライチはもうM-1とかいいんじゃない」という雰囲気に流されず、下の世代の芸人さんたちとバチバチにやり合う闘志。

決勝はとにかく楽しかったということ。

これからはM-1に縛られずに自分達の好きな漫才を自由に続けていきたいということ。

これからが新生ハライチの始まりだということ。




ハライチのファンになってからまだ日は浅いが、このM-1をファンとして見届けることができて本当によかったと思う。

私はこのような感情になるときにいつも思うことがある。

「この人たちと同じ時代に産まれてこれて本当によかった。ありがとうございます。」


ハライチのようにM-1で優勝できずにラストイヤーを終える芸人さんは数え切れないほどいる。
そしてそのような場合、ほとんどは喪失感のような感情に襲われるのではないか。

しかしながら、ハライチの場合、本人たちもどこかスッキリしたような前向きな感情になっていて、尚且つ私たちファンも今回のラジオを聴いて、悲しさよりも嬉しさやワクワク感の方が強くなった人が多いのではないかと思う。(少なくとも私はそうである。)

岩井さんが言っていた「決勝でネタをやってケリがついた。これがあった後の芸人人生と、なかった後の芸人人生は全然違ったと思う。」という言葉がとても印象的だった。

そういうことってあるよな〜。と一人納得。


そして最後に岩井さんが一言。

「(これからの芸人人生が)楽しみでときめきに溺れそうな感じになっている(笑)」

そしてこの後に選曲した曲がスピッツのグリーンである。



その時に私は確信した。
あぁ、これからも私はこの二人を一生応援し続けるだろう。


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