HSC 「怒られる」と言うとき

幼稚園や学校から帰ってきて、「幼稚園嫌だ。」「学校が嫌だ。」と言ったとき、「どうかしたの?」と聞く。

「何が嫌なの?」

「なんで嫌なの?」

「はあ?」

というのはグッと我慢。

「先生に怒られるから嫌。」

と言う。先生に怒られる??

そう言われると、こう返したくなる。

「誰かに何かしたの??」

「何で怒られるの?」

「はあ?」

というのは、またまたグッと我慢。

でも、返ってくる言葉は、

「だから、先生に怒られるのが嫌なの!」

だからさらにこう言いたくなる。

「何があったんよ?なんで?何?教えてくれなわからんやん??!」

すると、

「もういいっ!」もしくは、「もう行きたくないの!わーーん(泣)!」


という流れが多いのではないでしょうか?


HSCの子は、怒られていません。

「怒られた」と聞くと、わが子が先生に怒られたのか?と親は思います。

が、違うのです。

「他の子が怒られている(もしくは単に注意程度をされている)」

だけ、なんです・・・。

親から見れば、「だけ・・」なんだけど、HSCの子からすると、

「恐怖」「苦痛」

なんですね。

先生の怒っている顔、怒っている声、怒られている子の表情、怒られている時のクラスの雰囲気・・・

全てが「苦痛」に感じるんですね。

それを私たち親に助けてもらいたくて、伝えようとするんだけど、言葉にすると、

「学校(幼稚園)に行きたくない。先生に怒られるから」

になっちゃうんですね。だって、そんな雰囲気の中にいると、体中に針を刺されるかのような苦痛を感じるんだもの。

そりゃ、いやだわ。

学校、行きたくないわ。


だから、「怒られる」と言ったときは、

「そうなん、どんな怒られ方したん?」

「そうなん、誰がそんなん言われてたん?」

「そうなん、何時間目にそんなことあったん?」

「そうなん、先生どんな言い方してたん?」

「そうなん、その子、どんな風やったん?」

「そうなん、それであなたも嫌な気持ちになったん?」

「そうなんか~。そら嫌やったなぁ~。」


ここまで聞いてあげた頃には、ずいぶん子の気持ちもスッキリしてます。

そこで、はじめて、

「先生も、ちょっとイライラしてたんちゃうか?」

「その子も、まあやったことはちょっとアレやでなぁ。でも根は良い子やのにな~」

と先生や原因になった出来事をフォロー。これを必ずします。

でも、これを話を聞く前にしちゃだめなんです。

HSCの子は、「自分の苦痛」と思っていることを「大丈夫やで」「そんなことないで」「そんなわけないやん」と先に否定されると、もう立ち直れません。だから、これは、話を聞いたあとにします。

そして、このフォロー自体をしない、というのもだめなんです。

これをしておかないと、

「先生、いっつも怒って怖い人。嫌な人。お母さんもうんうんって認めた嫌な人。」

「あの子は、嫌な子。いつも嫌なことする。お母さんもワルいって言ってる、怖い子。嫌な子。」

と思いこみ、決めつけてしまい、もうその人には心を閉ざします。

だから、どんなに「??」な対応ばかりする先生であっても、

「先生はその子のことよく見てくれてるから、よく怒るんよ~。先生良い人やからな、でも先生も人や。イライラしてたりしたら、いつもより大きな声で怒ったんかもな~」

という具合に、先生の「そのやり方は、よくなかったね。でも、先生もがんばってる。○○先生が悪い人なわけじゃない。」

ということを教えてあげてください。

それは、周りの子どもについてもそう。

「○○さんのそのやったことは良くなかったよなぁ。でもいっつも元気やし、○○さんは悪い子じゃないやん。」

と。

そう。ポイントは、

「その人は悪い人ではない。

 その人のやり方(やったこと)が良くなかっただけ。」

と教えてあげてください。


ここまで話ができれば、きっと、明日も、笑顔ではないかもしれないけど、学校や幼稚園に行けます。

でも、きっと、また今日も帰ってきたら、同じこと、言うんだろうな(笑)。


でも、大丈夫。




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