見出し画像

第1回『グッチ・ホースビットローファー』

ビットローファー、ビットモカシンと聞いて皆さんはどのブランドのアイテムを思い浮かべるだろうか。グッチ?リーガル?フェラガモ?はたまたビームス?いろんな声があるだろうが1番最初ビットローファーを世に出したのはグッチである事を今回は覚えてもらいたい。

時は1953年。グッチの大切な顧客でもあった当時のイタリアの富裕層や貴族の間には乗馬のカルチャーが深く根付いていた。またその中で、あるグッチの職人のアイデアから馬の口にはめる轡をモチーフにしたアイコンをレディースではバッグにメンズでは靴に合わせた事で大ヒットした。

グッチは当初からVIPに履いてもらう事を程に販売戦略を進めイタリアの富裕層だけでなくアメリカ圏の俳優であるジョン・ウェインやフレッド・アステアそしてケネディ一家などが愛用した事からホースビットローファーは一躍グッチのアイコン的シューズに成り上がったのだ。

(ケネディ一家の中でも特にグッチを多く所有していたジャクリーンケネディ夫人)
画像引用https://www.puretrend.com/media/jackie-kennedy-onassis-quittant-le_m199270

1968年にレディースサイズが登場し
70年代にはパンタロンやベルボトムなどの裾が広がり丈も長いパンツの流行からかヒールが若干高くなる、原色での展開が多くなり。
80年代には素材の幅が増えるなどその時代にあったマイナーチェンジを繰り返しながら
現グッチのデザイナーであるアレッサンドロ・ミケーレの指揮の元、ビットローファーの全面リニューアルが行われノーズの長いスッキリとしたモデルがスタンダードになり。もう今は本物の毛皮は使われなくなったがプリンスタウンと言うバブーシュが出たのも記憶に新しいのではないだろうかと私は思う。

グッチ・プリンスタウン 画像引用https://www.gucci.com/jp/ja/pr/men/shoes-for-men/slippers-for-men/princetown-leather-slipper-p-397647DKHH01063

再解釈されたロングノーズのビットローファー
画像引用https://www.gucci.com/jp/ja/pr/men/shoes-for-men/mens-moccasins-lace-up-shoes/mens-moccasins/gucci-jordaan-leather-loafer-p-406994BLM001000

そしてこれが私が所有しているビットローファー

共にヴィンテージのオールドグッチと呼ばれるものでアクセコ期ではないものの黒は恐らく90s。茶色のスウェードはビット金具が艶消し素材である事、皮以外の素材である事を考えると素材の幅が増えたlate80s頃の物かと推測している。双方を見てみると共に旧型の定番ビットローファーだがノーズの長さやステッチのディティール茶色は木のアウトソールであるのに対して黒は厚手のガムソールとヴィンテージと呼ばれる時代から多くの多様性がある事を再認識させられた。履き心地も良く歩く事で奏でるヒールの音も心地よい。トラッドやカジュアル選ばず何にでも合わせやすいアイテムだ。ローファーの購入を検討している方は是非プロパーでもヴィンテージでも取り敢えずグッチのローファーを手に取ってみて欲しい半世紀以上愛される魅力がきっとわかるはずだから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?