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井伊直弼の評価

 本日は幕末の大老、井伊直弼について。

 小中学校では、井伊直弼は志士を弾圧し、不平等条約を押し付けた独裁者、と教えられた。 しかし、世界や国内情勢に絡めれば、俺は一方的に悪人と評価はできない。

 まず、不平等条約について。 そもそも、条約締結に勅許は要らない。 幕府は政治の権限を朝廷から委任されているし、幕末前も勅許なしにオランダや清と条約を結び、貿易を行ってきた。 阿部正弘ら、井伊直弼の前の幕府の政治家が勅許を重視したのは、国内で攘夷を叫ばれている中、勅許無しに外国との取り決めを行った際に、国内が荒れることを危惧しただけである。

 次に、内容について。 あの時代に外国が提示する条約の内容を的確に掴めた人材は幕府、諸藩共に居なかっただろう。 語学力や国際的知識を豊富に持ち合わせる人材はまだまだ少なかった。
 また、あの時にアメリカからの条約を拒んだ場合、アヘン戦争の時の様に外国から介入される危険性もあった。 故に、不平等条約締結に関しては誰が大老を務めても、締結時期を少しばかり延ばすことは出来ただろうが、結局結ばざるを得なかったのではないか?と考える。

 最後に、安政の大獄について。 確かに橋本左内や梅田雲浜らの刑は重かったし、非人道的ではあった。 だが、志士側とて直弼を批判できるか? 何の理由もなしに攘夷攘夷を叫び、外国人や開国と見做した人を殺しまくっていた。 その社会状況を考えれば、一概に直弼を批判はできない。

 以上、井伊直弼について自分なりの評価を述べた。 阿部正弘の様に朝廷や諸藩への根回しが上手かったりすれば、その後の幕府の混乱は少しばかり避けられたとは思うが、不平等条約の締結は仕方がないことだと考える。

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