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建設現場で工期遅れ発生! 損害を最小限にするポイントを徹底解説

「工期が遅れてしまった!」――工事関係者としては、事故発生の次に冷や汗をかく事態です。 工程表の変更、予算の再確認、施主への連・・・工期遅延が生じれば、工事会社がすべき対応は山積み。 最悪の場合は、施主に遅延損害金を支払わなければいけない可能性も!

今回は、工期遅延への対策を徹底解説しましょう。

(今回のポイント)

①工期遅延で莫大な損害賠償金が発生する恐れがある!

②保険ですべてのケースを補償してもらえるわけではない!

③着工前に、工期遅れの対策をあらかじめ検討しよう!

遅延損害金は莫大な額にのぼる可能性アリ!


不測の事態により予定工期を延長せざるをえない場合、最も恐ろしいのは、施主に対して遅延損害金を払わなければいけないリスクです。 住宅の新築工事などで、施主の仮住まい先の賃料を追加負担する程度であれば、まだよいほう。

複数のテナントと契約を済ませて開業日が決まっているビルなどの工事では、多額の損害賠償請求が発生する訴訟を起こされる恐れも大いにあるのです。

・原因が不可抗力であっても関係ない!?


最近では、新型コロナウイルスの影響でストップせざるをえない現場も多く発生しました。

しかし、そのために物件引渡しが遅れたとしても、施主から契約書どおりの損害金を請求される可能性があります。 ほかにも、たとえば台風や洪水など、不可抗力であり遅延の責任が施工業者にない工期遅延であっても、施主から損害金を請求されるケースもあるのです。

このような工期遅延によるトラブルを避けるためには、想定外の事態や天災などを原因として工期が遅れた場合は違約金を支払わなくて済むような条項を、請負契約に盛り込むように交渉してみるのもひとつの手。

特に、発注者の都合による図面修正や計画変更で工期が遅れた場合の責任の所在については、注意が必要です。 契約書上でいかなる場合でも工事を請ける施工会社が責任を負うような書面になっていないか、受注前にしっかりチェックしましょう。

・損害金のほかにも費用が生じる!


工期遅延には損害金というリスクもありますが、工事に余分な時間がかかれば、施工業者の原価負担も増加します。 重機のリース期間延長によるコスト、資材手配と搬入のやり直し費用、現場監督や職人の人件費……現場の工事日数が増えれば、施工にかかるコストはそれだけかさむのです。

たとえ施主に支払う損害金は勘弁してもらえたとしても、余分にかかる工事原価まで追加でもらえるようなことは、ほとんどありません。

工期遅れは保険でリスクヘッジできる?


工期遅れによるダメージを避けるため、工期遅れの補償がついた損害保険に加入する会社も少なくありません。

しかし、工期補償について知識不足なまま保険に加入したせいで、実際に工期遅延が生じた際に保険金の支払いを受けられないケースが多発しています。

・工期遅れの補償は制限が多い


工期遅れ補償のついた保険商品の約款を実際に見てみると、補償にあたってさまざまな制限が記載されていることがわかります。 この補償の最大のポイントは、工事中に第三者へ何か迷惑をかけるような「原因事故」が起きたせいで工期が遅れた場合にしか補償されない点。

つまり、人的被害や物的被害が具体的に発生しなければ、保険金は降りないのです。 この事実を知らずに、設計ミスや施工ミスで工期が遅れた場合でも保険がおりると考えている人はたくさんいます。 保険代理店でもこのことを正確に把握していない場合もあるので、よくよく注意しましょう。

・補償の範囲がより広い商品を選ぶべし!


なかには、工期遅延のリスクをより広く補償してくれる保険商品も存在します。

そのような保険では、工期が遅れた正当な原因を保険会社にしっかり説明できれば、遅延による被害を広く補償してもらえる可能性があります。 現場のリスクヘッジのためには、建築会社が主体的に情報を集め、自社の作業内容に最適な保険を活用する必要があるのです。

【まとめ】


工期遅れが起きないような工程管理は、工事会社の大切な仕事です。 とはいえ、やむをえずスケジュールが遅れてしまってから施主と交渉するのは、実際には困難なケースもあるでしょう。

だからこそ、工期遅延が起きてから慌てて対処方法を考えるのではなく、できれば着工前の早めの段階で対策を検討しておくことが大切なのです。

https://www.hs-partner.co.jp/

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