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2022年10月に火災保険料が大幅値上げ! 建設業も無視できない保険改定の基礎知識

2022年10月に火災保険が改定され、保険料が大幅に値上げされます。

契約者の保険料負担が増えることが第一に考えられますが、建設業をはじめとした事業者にはどのような影響があるのでしょうか。

今回の記事では、火災保険改定になった背景や具体的な変更内容、建設業者が気をつけるべきポイントなどを解説します。

(今回のポイント)

・火災保険改定による値上げ幅は過去最大!

・火災保険改定後は契約者の自己負担額も増加!

・火災保険は改定前に見直しを!

火災保険改定の内容と背景は?

まずは、火災保険の改定に至った背景と具体的な改定内容を解説しましょう。

・火災保険改定による変更点とは?

改定される主なポイントは、次の3つです。

①火災保険料の引き上げ

②火災保険の契約期間が最長5年に短縮

③損害発生時の自己負担額の引き上げ


①火災保険料の引き上げ!

損害保険料率算出機構が2021年6月に火災保険の参考純率が全国平均で10.9%引き上げられると公表しました。

「参考純率」とは、各保険会社が保険料を算出するときに使用する目安の純保険料率のこと。

10.9%という数字は、過去最高である2005年の8.7%を大きく上回る数字となっています。


②火災保険の契約期間が最長5年に短縮!

これまで火災保険は最長10年間の設定が可能でしたが、改定後は最長5年間に短縮されることになります。

契約期間が短縮されると、保険料の総支払額が増えてしまいます。

通常は長期契約することで長期一括払いの割引の恩恵を受けることができますが、10年契約の場合だと約15%割引されます。

しかし5年契約の場合は、約12%割引されるものの2回契約することで、支払いの総額が増えてしまうのです。


③損害発生時の自己負担額の引き上げ!

建物および家財の損害発生時に自己負担額が増えることになります。

建物や家財の損害には、火災や落雷、破裂、爆発、風災、雹災、雪災、水濡れ、盗難、水災、破損、汚損などがありますが、今回の改定によって、発生頻度の高い建物および家財の水濡れ、破損、汚損の自己負担額が引き上げられます。

自己負担額及び免責金額が引き上げられることで、契約者は事故が起きても受け取る保険金が減ったり、保険金の受け取りができなくなったりするケースが出てくるでしょう。


・火災保険改定と保険料率引き上げの背景は?

保険料が値上がりとなった理由としては、台風やゲリラ豪雨、大雨、雪害の多発により、保険金支払いが増加し、損害保険会社の収支が悪化したことが挙げられます。

2018年度に至っては、東日本大震災のあった2011年を上回り、過去最大の1兆5695億円もの保険金額が支払われています。

さらに、2019年度から2020年度にかけては、台風をはじめとした大規模な自然災害で1回あたり4000億円以上の保険金額が支払われたケースもありました。

また、近年火災保険を悪用して不正請求をさせようとする特定業者が横行しており、ここ数年で火災保険の支払いが大きく増えたことも値上がりの背景として考えられます。

※違法行為であるにもかかわらず、「火災保険で無料で屋根を修理できますよ」などと消費者に告げて、火災保険申請サポート契約及びその後の住宅リフォーム工事契約について、連携共同して勧誘していた事業者2社に対して、業務停止を命じたという事例もあります。

参考:「契約や高額手数料目的の2事業者に6か月の業務停止命令|東京都 (tokyo.lg.jp)

火災保険の収支が悪化すると、火災保険の仕組み自体が成り立たなくなる恐れがあるため、頻繁に改定せざるを得ない状況なのです。

建設業の人が気をつけるべきポイントは?

続いて、火災保険改定により、建設業界で働く人たちがおさえておきたい最低限の知識を解説しましょう。

・事務所の火災保険も見直そう!

今回の火災保険改定は、保険料の引き上げ額が過去最大です。

火災保険の改定時期は2022年10月と少し先ですが、長期的な視野で考えると、更新時期の前に見直しを検討したほうがよいかもしれません。

しかし、引き上げはあくまで全国平均の参考純率のため、都道府県や建物構造、築年数、補償内容によっては値下げされる場所もあります。

損害保険料率算出機構の情報も参考にし、自社に合った選択をしましょう。

参考:損害保険料率算出機構 2021年6月火災保険参考純率改定のご案内

また、社員にも火災保険改定についてきちんと通知する必要があります。

たとえば、家が建つのが2022年11月の場合、本来は引き渡し後に火災保険をかけるのが通常ですが、実際は家が建つ前でも保険に加入することが可能です。

旧来の保険に加入しておいたほうがメリットが大きい場合があるため、引き渡しの2ヶ月前である改訂前の9月に火災保険に加入しておくことも考えてみる価値があるかもしれません。

【まとめ】

火災保険料の値上げは、消費者にとって大きな問題です。

しかし、早めに見直しすることで、結果的に得をする可能性もあります。

この火災保険改定はひとつのきっかけ。保険の見直しをする良いチャンスです。

正しい知識を得たうえで自分自身の加入状況を見直し、ベストな選択をしましょう。

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