読書記録 2022.12

今回読んだ本は外山滋比古さんの『思考の整理学』です。

読書の好きなところのひとつが、
自分以外の誰かも同じことで悩んだことがあると知ることで安心感のようなものを感じられること、そしてこんな風に解決できうるかもしれないというヒントに出会える可能性があるところです。


以下、本の感想です。

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学校教育で得られたもの、得にくいものがあって、得にくいものである『創造力』を社会に出てから求められることは多々あり、
論文を書くときだけでなく、仕事をするようになってからもぶつかる壁だなと思います。

「教えてもらっていないから出来ない」はありがちな言い訳で、自分も使ったことがありますが、
それこそが著者の言う『グライダー』なんだろうと思えて刺さりました。

とはいえ、何かをじっくり考えるためにはある程度のゆとりがなければならないですし、
ゆとりを持つことも、ゆとりを活用することもさまざまな理由から難しい場合が多いことも現実問題としてあるのかなと思います。

著者のいう"朝のパワー"はこれまでも感じることが多く、夜にぐだぐだと考えていたことが、朝にスッキリとまとまることもあれば、感情が多く乗った文章を朝に見直すと恥ずかしくなったり、逆に朝に見てもおかしくなければ大丈夫だと思えたりします。

それから、考えを寝かせること。
仕事でも短期での成果を求められがちですが、長期的な目線も大切だとあらためて思いました。

大きなプロジェクトのようなものでなくても、例えば仕事で作成した資料を少し時間を置いてみるとより良い表現や文章に直せることがあります。

『対象を正視しつづけることが思考の自由な働きをさまたげる』とも繋がりますが、
ひとつのことだけを考え続けてうまくいかないときには、離れる、リフレッシュする、寝かせるなど距離をとり、リラックスできたところで、再び向き合ってみたときに新たな気づきを得られたりするので、これはこれからも実践していきたいです。

また、文章を並び替えてより良いものにすること、『もっとも良き順序に置く』ことについて、
私はどうしてか、仕事において、文章を見直して入れ替えていく作業に時間をかけることに後ろめたさがありました。
ですが、これは必要な工程なんだと、自信を持って取り組んで良いのだと思えたことで肩の力が抜けた気がします。

それから『気心が知れていて、なるべく縁の薄いことをしている人と話すことで、発見が生まれ、躍動的な思考ができる』も最近体験したことで、
仕事も性格も置かれている状況も異なる友人との何気ない会話から気づきを得ることがありました。


情報が多い現代では、必ず答えがある問題ばかりではない、という当たり前なことを忘れて、どこかに唯一の正解があるのではないかと深みにはまってしまうこともあります。
ですが、すぐにはわからないことがある、ネットの検索では見つからないことがあることを知っていることが大切だと思います。

情報を持っているだけでなく、それを活かせるように、そして考えることを楽しめる人になりたいです。

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