「怒る」と「叱る」

「怒る」と「叱る」、皆さんはこの2つの言葉を聞いてそれぞれの意味の違いをどう認識されているでしょうか。2つとも同じ意味だと捉えている方もいらっしゃるでしょうし、それぞれに違う解釈をされている方もいらっしゃるでしょう。辞書で調べると「怒る」は、不満なことから腹を立てること。とあり「叱る」は、いくつか意味ありますが、その中に、目下の人の悪い点を改善してもらおうと、厳しく注意すること、とあります。

私の職場では、「怒る」と「叱る」の意味合いを理解していない人間がほとんどではないかと感じます。部下がなんらかの失敗をした際に、その上司は怒鳴りつけます。明確な意図がなく、何をどう是正することが必要なのかを説明することもなく、感情に任せ怒鳴り、威圧するのです。これでは部下の頭の中には何も残りません。何をしたから失敗したのか、どうすることが必要なのか、自分が失敗した内容は次に繋がるものだったのか否か、必要な要点を抑えていなければそれは指導でもなんでもありません。ただ、 「怒っている」だけです。そこからは何も生まれないと私は思っています。部下が何か失敗をした、そういった場合に指導が必要なのであれば「叱る」ことが必要なのだと思います。具体的な説明や、必要な部分の認識がちゃんとできていたのか、それが当事者の不注意なのであれば、その不注意に対して適切な指導を行うこと、それが本来の姿であると考えています。

スポーツの現場でも同様のことが言えます。ミスをした選手に対して威圧的に怒鳴りつける。これは指導ではありません。私の考えではありますが、スポーツ指導、特に育成年代に対しては「怒る」はもちろんのこと、「叱る」もそこまで必要ないのではないかと思います。それらよりも具体的な「アドバイス」、「バックアップ」の方が必要であると思います。怒鳴ったり、感情任せになる者が指導者として子供たちと同じスポーツの現場に立つことはあってはならないと思います。子供たちに適切な指導、また、子供たちが思い切って好きなスポーツに打ち込める環境を作ってあげる、そういった指導者が増えていかなければいけないと思います。

「怒る」と「叱る」、まずはこの違いがしっかりと理解できる大人が増えることが最重要事項だと思います。

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