渇き③

3年生か4年生のとき、図工の授業で、クラスメイトを描くというのがあった。なぜか家庭科室だった気がする。

私がある程度まで描きあげると、それを見た担任の先生(覚えてない先生)が、ここにスペースが余るからここにも描いてねと言った。たしかに片側にスペースが余ってたので、被写体係の隣にいた人を描いた。

難しいと思われる横顔を描き終えて満足し、周りのクラスメイトにちやほやされだした私に、先生は、この人の向き(画用紙の外側を向いてた)だとこの絵は真ん中で途切れてしまうから良くない、みたいなことを言った。それはそうかもしれないけれど、それの何が悪いのか分からないし(模写の練習の授業という認識だったし)、大体後から無理やり付け足したのだから仕方ないじゃない、と私は内心めっちゃ不満だったけど、うまく言葉にできなかった。言葉にできたとして、言えなかっただろうけど。

今思うと、先生は調子こいてる私の鼻を折ろうとしてたのかもしれない。あからさまに偉そうにはしてなかったと思うけど、私の高慢を見抜かれていたのかもしれない。

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