こどものたべもの

会社では、女性陣で集まってお昼ご飯を食べている。お弁当を持ってきている人もいれば、コンビニで買ってきたものを食べる人もいれば、仕出し弁当を注文する人もいる。先日、その仕出し弁当のメニューに、卵豆腐があって、「卵豆腐って、大人も食べていいんだ!?」と思ってしまった。


卵豆腐を最後に食べたのは、いつだろう。そもそも「卵豆腐」なんて字面に見覚えがない。「たまごどうふ」、これもなんか違う。「卵どうふ」「玉子どうふ」「玉子豆腐」「たまご豆腐」、どれも違う。ていうか卵豆腐ってなんやねん。何者?豆腐っぽいから豆腐と名前がついてるだけでどうせ大豆入ってないだろ。知らんけど。

卵豆腐というのは納豆やカマボコ同様、現代においては既製品を買って食べるのが常の加工食品であり、そして我が家の食卓にもお皿に取り分けてあったりせずプラスチックのカップごと出てきたわけで、ならば商品名のロゴくらい見たことがあってもよさそうなのだが、ない。ということは、字(もしくは漢字)を読めない頃までしか食べていなかったということか。

卵豆腐は、当時わりと頻繁に献立に出るわりには、テンションの上がる食べ物だった。たぶんプリンみたいなものと思っていたのだろう。そして実際、しょっぱいプリンみたいなものなのだろう。大豆など入っていないのだから。知らんけど。消化がよくて離乳食(?)としては最適なのだろうが、その水っぽさのあまりに、フタをはがす段階で汁がこぼれ、ぬれたフタがぬれた面を表に反り上がり、スプーンですくい上げるたびに滑り落ちるリスクが高いのが、子供向けではないなあと思う。いや、それが手先を使う練習になってたのかもしれないけれど。

ちなみに箸で卵豆腐を食べるはめになった先輩は、早々に流し込むことで事なきを得ていた。昔の私は、ギリギリまでスプーンで頑張り、粉々になったものと汁だけが残ったところでやっと流し込んでいた気がする。


子供の頃の食べ物といえば、キャラクターもののお茶漬けは外せない。お茶漬けの素のカマボコに、キャラクターが印刷されているやつだ。我ら兄弟のお気に入りはピ〇チュウ一択だった。いや、ピ〇チュウくらいしか商品展開がなかったのかもしれないが。

私が小さい頃は多分まだなかったけど、私はやりすぎたキャラ弁というものがあまり好きではない。この「やりすぎ」と「やりすぎてない」の境界線は2次元か3次元かだと思う。お茶漬けのカマボコは2次元的なので、まんまと大好きになったわけだ。(3次元でも、あはれ〇名作くんのむす〇のキャラ弁とか、アンパ〇マンのパンならアリだと思う)


そう、アンパ〇マンのパンこそ、幼い子供の憧れの食べ物だ。アニメのアンパ〇マンは生地がしっとり餡がずっしりしてそうで大層美味しそうで、それがそのまま現実に現れたものだから、美味しいに決まっている。

街のパン屋さんにアンパ〇マンのパンを作るお店があったのだが、幼い私はお小遣いでパンなど買えない。何かの習い事だか祭りの練習だかのご褒美で貰えるという話があったが、結局やらずじまいだった。今思うとそれで良かったのかもしれない。私がアニメを見て思い描いたアンパ〇マンに、現実のパンが適うはずはないのだから。

同じ理由で、昔託児所で見たアンパ〇マンにフラッペとアイスキャンデー(キャンディではなくキャンデー)のキャラクターが出てきて、そいつらもかなり美味しそうだったので、大人になった今もどこぞのフラペチーノとかそういう物は頑なに買わない。夢を壊されたくないから。アンパ〇マンはグルメ漫画なのか?


まあそれはそれとして、アンパンマンチョコは未だにたまに買う。数あるキャラクターの中でも、アンパ〇マンがいちばん美味しそうに見える(次いでバイキ〇マン、メロ〇パンナちゃん、ジャムおじさ〇は最下位、マ〇オは論外)。

この間読んだ漫画にもそれについての話が出てきて、「なぜあれらはあんなに美味く感じるのか?」に対する答え(?)が「モチーフとは関係のない食品になっているパラドックスが隠し味なのかしら…?」なんだけど、アンパ〇マンはパンでも魅力的だから却下です。

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