渇き②

小学校2年のとき、図工の時間に校長先生がやってきて、ちょっと授業に参加なさったことがある。

校長先生は画用紙を床に敷いて(新しい綺麗な校舎)、その周りにみんな集まった。湿らしたティッシュを丸めて、水彩絵の具を滲ませたものをポンポンするという手法を教えてもらった。

描く絵のテーマは木かなんかで、私は大きな木の周りで子どもたちが遊んでいる絵を描いていて、かわいく楽しい雰囲気に合いそうだったので、さっそくそれを使った。

後日の学年便りか何かで、その授業のことが紹介され、交流する校長先生と児童たちのイラストも添えてあったのは、流石に幼い頃の記憶にまぎれた夢かもしれない。誰が描くんや。


具体的な交流はそれくらいしか覚えてないけれど、名前と髪型と雰囲気は未だに覚えている。3年生4年生のときの担任の先生は思い出せないのに。


さらに後日、そのとき描いた私の絵が児童コンクールかなんかで銀賞をとったんだけど、その賞品がデジタル時計で、名刺入れみたい(と父親が言ってた)な見た目で、温度計もついてて、しかも℃だけじゃなく華氏のやつもあって、なんかとにかくすごくて、当時はよく分かってなかったけど大人になった今、児童コンクールでそんなんもらえるん!?と思う。でも過去の栄光にすがってるみたいで嫌だからあまり話さない。それよかこれから絵を描こうと思います。

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