新国立競技場という、分かりきっていた負のレガシー

東京五輪の会場として建設された、新しい国立競技場については、当初の予想通り大変な「負のレガシー」になることが間違いないようです。

さんざん開幕前の時点でこの国立競技場の費用負担が半端ないことになるということは言われていましたので、驚きのニュースではありません。

昔、こんなnoteを書きましたが、

今もその気持ちは変わりません。ただ単にデカいこと以外にサッカーの試合をやるメリットがありません。収容可能人数は確かに多いですが、それだって日産スタジアムの方が多いのですし、一人のサッカーファンとしては、東京の中心地にある巨大な陸上競技場というイメージですね。

旧国立競技場は陸上トラックがありましたが見やすいスタジアムでした。走行レーンが8レーンしかなかったこともあるのでしょうけれど、客席の傾斜・配置が素晴らしく、トラックがあるのに離れている感じを受けず、試合への没入感を持てる稀な陸上競技場でした。

今の国立競技場は巨大化しているのでそこまでの没入感は得られないでしょうし、そもそもどれくらい日常的にサッカーの試合をやっていけるでしょうか? 日本代表戦は今後もおそらくワールドカップ予選は埼玉スタジアム2002、その他の親善試合は各地のスタジアムを巡っていくでしょうから、代表戦での国立競技場の出番はかなり少ないはずです。Jリーグでもこんなに経費の掛かるスタジアムをホームにするクラブも出てこないでしょう。天皇杯決勝で年1回のペースで使うくらいでしょうね。

後は歌手やバンドのライブと、陸上競技の大きな大会で使うくらいですよね。ピッチ上の屋根がないので東京ドームみたいに展覧会など企業系のイベントとしては使えないのは、イベント会場としては致命的です。そもそもスポーツ施設なので、その面のデメリットを指摘してもしょうがないですが、スポーツ施設としても使いづらい時点で話になりません。

多分、一番経費が安く済むのは即刻取り壊しでしょう。毎年の維持費用に加えて、10年や20年単位で必要となる大規模修繕費も巨額です。50年で650億円という大規模修繕費の試算ですが、パナソニックスタジアム吹田の5個分ですね。しかもこれは現時点での試算であり、将来的に資材や人件費が上がればもっと支出が増えます。これはもうどうしようもないでしょう。

「失敗した五輪」という精神的負の遺産として残せば良いのです。物理的な負の遺産を、多額の税金を使って維持する必要はありません。

選手やコーチあるいは運営の現場の人々は素晴らしい活躍をしたとは思いますが、雲の上にいてあれこれ邪念に基づいて決めた人がクソ過ぎるのです。その負の歴史を残すことも現代人の義務でしょう。

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