シャッター商店街解消よりも第三セクターショッピングモール?
シャッター商店街の問題は全国津々浦々に広がっていますが、多分、汎用的な解決策というものは存在しないでしょう。それぞれの地域でそれぞれに合った解決策を試行錯誤していくしかないと思いますが、そもそも、商店街の大半は戦後に出来たもので、田舎から都市に出てきて商売をしていた人が店を構えたケースが多く、その場所も駅前の百貨店近辺にあります。百貨店のお客さんを狙っているとも言えますし、百貨店で賄えない需要を満たしていたとも言えます。
そして時代が流れてモータリゼーションが進み、自動車中心の生活になった地方都市では人の流れが変わり、駅前の百貨店も儲からなくなって潰れ、それに応じて商店街に行く人も減る一方で、人が出てきたはずの田舎に巨大なショッピングモールが出来る、という変遷を経てきました。
イオンなどの大型ショッピングモールがシャッター商店街を生み出したとよく言われますが、シャッター商店街が生まれた要因としては、前述の商店街立ち上げ時の商店主が高齢化し、その店での売り上げで育てた子ども達は都市部の大学を出て都市部の会社に勤めているので、わざわざ呼び戻して店の後継ぎにするつもりもメリットも無いことの方が大きいのです。
我が子に商店を継がせても経営に苦しんでしまうと、さらにかわいい孫の生活にも悪影響を与えてしまうという恐れを考えると、シャッターを閉めたままで放置しておこうということになります。
全員とは言いませんが、商店主でありながらその周辺に駐車場やアパートを所有している人もいますので、なおさらシャッターを開けて商売を無理に続けるモチベーションが無いのも当たり前です。
商店街で周辺住民の需要が満たされない地方において、その空隙を埋めたのがショッピングモールであり、見方を変えるとイオンが無ければもっと過疎化が進んでいたかも知れません。
ちなみにイオンなど大規模ショッピングモールは定期借地権として土地を借りているケースが多く、20年や30年などの長期契約が切れたら更地になって地主に戻されます。
ショッピングモールが田舎のあらゆる消費者ニーズを満たしている場合、突然何も無くなると、その地域の住民にとっては生活そのものが成り立たなくなります。
いわばイオンロス問題が起こり得ます。
ショッピングモール無しの地方生活は多分もう出来ないでしょう。代わりがすぐに出来れば良いですが、出来なければ生活維持のために大規模スーパーを、鉄道みたいに第三セクター方式で自治体が援助して経営せざるを得なくなるかも知れません。
駐車場も大きいので、車を足として使えない住民へのサービスのためにバスターミナル化も出来るでしょうし、あるいはいっそのこと役所も併設するとか。
シャッター商店街は商店街だけの問題ではなくて、地方・過疎・自動車社会など様々な要因があるので、問題解消を成し遂げた商店街の手法を他地域の商店街に持っていっても多分、役に立たないと思います。これは町おこし・村おこしと同じ話ですね。
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