カラー印刷禁止のジレンマ

たまにXなんかで、カラーコピー禁止ルールのある職場というネタを見かけます。かくいう私も前の前の職場がそうでした。そこでは、さらに裏紙徹底使用ということも厳しく言われていましたが、別に地球環境保護のためということではなく、ひたすら経費節減のためということでした。

カラーコピー・カラー印刷をせず、経費を減らすということは営利企業にとっては別におかしなことではありません。むしろ経費を減らすことに無頓着な方がおかしいくらいです。

とはいえ、この禁止ルールの徹底が行き過ぎて、パワハラじみてくると今度は逆転現象が起きてきます。

間違ってカラーで出力してしまった場合、そのことで叱られたり怒られたりすることを恐れるあまり、そのカラフルな印刷物を隠匿したり処分したりして、しれっと何事も無かったかのように白黒で印刷し直すのです。

この場合、カラーで印刷した紙代、インク・トナー代(あるいはカウンター料金)がそのまま「隠れた経費」として計上されてしまいます。

どんなに経費節減・削減を目指している企業でも、実際に印刷された紙の枚数と、請求書やカウンター枚数とを突き合わせてチェックしているところはないでしょう。その作業自体に人件費が掛かりすぎてしまいます。

かくして、厳しすぎる「カラー印刷禁止ルール」は、かえって経費が増えるというジレンマをもたらしてしまいます。

このジレンマは、実際のところ経費が膨大に増えるわけではありません。せいぜい1ヶ月あたり数十円~数百円程度でしょう。大量にやらかしたら数千円とか行くでしょうが、そこまでの枚数で間違ったカラー印刷をしてしまったら周りにもバレるでしょうし。

むしろ、そういう厳しさと金額とのバランスがおかしな企業は、多分他のところでも歪な状態になっているでしょうから、そっちの方で無駄な経費、無駄な労力、無駄な人件費が掛かって損していることが多いでしょうね。

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