来年の自民党総裁選挙で安倍四選はあるんでしょうか?

今はとても来年のことなど誰も考える余裕がありませんが、現在の安倍内閣は来年までの予定です。来年、自民党の総裁選挙が行われ、現行の自民党規約では総裁任期は三期までなので、安倍総裁は退任することになっています。

2018年の総裁選挙で勝利した後、しばらくはこの三期目で終わり、という見解を首相本人も取り巻きも出していましたが、去年のうちには早くも党規約を変更しての四選もあり得るという観測気球も出ていて、そのことは以下のnoteにも書きました。

ここでは四選出馬すれば勝つだろうけど出るべきではないと書きました。

今回の新型コロナウイルスの件やそれに伴う東京オリンピック開催の是非、急激な経済の落ち込み対策など短期間で重大な問題が出てきました。これらを解決するのに残り1年半の任期では足りない、という理屈で四選に挑む可能性は結構あると思います。

ただ、先のnoteと個人的な結論は変わりません。出馬して勝ったとしてもその後がボロボロの政権運営になると思います。今回のコロナウイルスと経済急落の対応だけで数年はかかるでしょうし、その間は彼の悲願である憲法改正も議論に持ち出す余裕も無いでしょう。国政選挙でも厳しい戦いになるはずです。

抽象的な話になりますが、安倍晋三・安倍内閣の政治的リソースを改憲に振り分けるほどの余裕が無くなりました。四期目に突入したとしても四期目の任期を満了まで行けるかどうかも分かりません。改憲派にとってはむしろダメージが残る選択になりかねません。

あるいは別のやり方として、安倍首相にその意欲や能力があるかどうか知りませんが、かつての田中角栄・竹下登のように院政によるキングメーカーになることも一つの手でしょう。

ただ、その院政にしても政治的リソースが必要です。政治的リソースには単なる資金力や派閥議員数だけではなく、周囲の人間や国民がその人のことを信じるかどうかも含みます。院政する前段階の首相在任時に、その権力のリソースを使い果たしていると院政時の権力が減ります。もしくは院政しても影響力を及ぼせません。首相を早いうちに辞めて院政に入った方が、院政は長続きするでしょう。

田中内閣は金脈問題により2年強、竹下内閣はリクルート事件と消費税導入によって1年半で終わりましたが、その後の二人は数人の首相を生み出すキングメーカーとなりました。望んで院政したわけでもないでしょうけれど、首相を早めに辞めたことが後につながったと思います。

安倍首相が今辞めたとしても歴代最長政権ですから、院政に回せるリソースがあるかどうか微妙ですが、四選まで行くと、かえって誰も言うことを聞いてくれない、支えてくれない状況に陥ってしまうような気がします。

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