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スティックPC「S41」を使ってM1 MacからWindows11で遊ぶレビュー

M1 Mac miniを使い始めてもう少しで1年経ちますが、性能的には不満はありません。動画・写真・音楽などの編集をするわけでもないですし、メモリ8GB、SSD256GBのいわゆる吊しのモデルでも私の使い方では十分でした。

一つだけ不満というか叶わぬ願いがありますが、Parallels Desktopを使ったWindowsアプリの利用です。M1チップはIntelのx86アーキテクチャとは異なるため、Parallelsを使う場合でもArm専用Windowsを使う必要がありますが、現時点でParallelsの対応はされていますが肝心のMicrosoftがWindows on Armの正式な利用をユーザーに認めていません。

そのうち使えるようになるかも知れませんが、そうなると今度は逆にこのMac miniのメモリの少なさが気になってきます。ただ、そもそもWindowsでないとダメなソフトウェアが今の私には昔のWindowsゲームくらいですので、だったらWindowsの実機を買えばいいだけの話です。それを起動した状態でリモートデスクトップで動かせば、Mac上でWindowsを使えます。出来ないのはParallelsで便利なCoherenceモード(MacアプリのようにWindowsアプリを単体で利用出来るモード)くらいです。

ということで、Amazonのタイムセールに合わせて、ここ数年のあいだミニPCジャンルで存在感のある、MinusforumのS41というスティックPCを買いました。ロジクールのUSBレシーバー接続タイプのキーボード・マウス付で25,000円ほどでした。

スティックPCが流行したのは5年くらい前ですが、当時使われていたCPUはほぼ全てAtomでした。Atomだと何をするにしても動作が遅く、結局使わなくなった人が多かったのではないでしょうか。スティックPC側をクライアントとして、メインのPCにリモートで接続するにしても遅いです。

その後、スティック型ではなく立方体や直方体のようなミニPCの方が盛んになりました。比較的大きめのファンを積みやすいミニPCですと、Core i3やi5、あるいはRyzenなんかも使っているものがあります。

もはや市場としては絶滅寸前のスティックPCですが、調べたところ何とかCeleron N4120を使っているものがあったので良かったです。このCPUならそこそこの動作速度が期待できますから。さらにこのN4120はIntelの第8世代のCPUのため、要求スペックが高いWindows11も動作します。TPM2.0もクリアしています。Windows11を動かせるCPUとしては最低ランクですが、そもそも4GBのメモリで重い作業をすることもありません。

また、Celeron N4120はノートPC用の廉価CPUなので、このスティックPCではUSB-Cコネクタからの充電が可能です。ただ、色々ネットで調べてみると、結構怪しい充電方法みたいですので、多分普通のモバイルバッテリーでは満足に動きません。出力の大きなバッテリーやUSB-Cアダプタなら大丈夫でしょう。

このN4120よりも上のグレードのCPUを使っているスティックPC・ミニPCはおそらく全てUSB給電ではなく独自ACアダプタを使っているはずです。

本体の入っている箱はこちら。

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裏面にスペックシートがありました。

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本体はこちら。

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マウス・キーボードも付属。

あ
ロジクール製のMK245というマウスとキーボードです。Amazonでは2,000円ほどで単体で売られています。

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触ってみたらプラスチック感満載で明らかに安っぽい作りですが、リモート接続するなら最初の設定以外は不要です。もしもの時の予備として保管しておきます。

起動するとWindows11がさっさと表示されました。このスティックPCはWindows11 Pro版が入っていますので、Microsoft謹製のRemote Desktopが使えます。Windows11 Proのライセンスとマウス・キーボードだけでも、それぞれ個別に買えば2万円くらいにはなりますので、結構お得な買い物でした。

ユーザーアカウントとRemote Desktopの設定を済ませ、ipconfigでローカルのIPアドレスを確認し、Mac側でもMicrosoftのRemote Desktopアプリを使えば、同一ネットワークなのですんなりつながります。

Mac使いなのにMacの最新OSであるMontereyは1秒も触っていないのに、Windows11を先にMac上で操作するというなかなかに変態ですが、これで思う存分、Macで古いWindowsゲームを楽しめます。

このMinusforumのS41というスティックPCですが、内蔵されているCPUファンの風切り音が結構します。ただそのおかげでCPU使用率が100%に貼り付いていても熱は感じられません。これで4K 60fpsを2枚同時出力できるのですから大したものです。

ファンの音がするので使わないときでも起動し続けておく、という使い方は出来ませんので、Windowsを使いたくなったら数秒で使えるParallels Desktopほどの機動性はありません。それでも、正規ライセンスでWindows11を何の懸念も無く使うための選択肢としては、このスティックPCは結構良い選択肢だったと思います。

必ず外部接続のモニターを使用するM1 Mac miniユーザーが、正規のWindows11を使うやり方としてはこれが一番確実でしょうね。

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