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自衛手段としてのセキュリティソフト選び

ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、IT業界でも対ロシア制裁と無縁ではありません。一般人でも使用しているソフトウェアにもその制裁は及んできました。

セキュリティソフトの業界でもそれなりに知名度も利用者もあるカスペルスキーを、アメリカ連邦通信委員会が「国家安全保障上の脅威」に認定したことを発表しました。

実際にカスペルスキーを使用しているだけで個人や組織の情報がプーチン大統領にまで筒抜けになる状態ではないのとは思いますが、アメリカとしてもあくまでその予防的な措置を講じたのでしょう。切羽詰まったロシア政府がカスペルスキー製品の悪用を強要したときに、カスペルスキー社が対抗できないことを見越しているとも言えます。

今回はアメリカ政府とカスペルスキーの問題ですが、セキュリティソフトに関しては日本人としても気にせざるを得ません。日本国内でも利用者は結構いるはずです。ロシアやウクライナに渡航もせず、国家機密にも関わらない一般人は例えプーチンに情報を抜き取られたとしても平気でしょうけれど、気にならないと言えば嘘になるでしょう。

そもそも、日本の国産セキュリティソフトが「ほぼ」存在しないということが日本人にとってセキュリティソフトの選択肢に問題が出てきます。セキュリティソフトは世界中に数多くの種類が存在していますが、

ウイルスバスター:台湾(アメリカ)
Norton:アメリカ
マカフィー:アメリカ
ESET:スロバキア
G DATA:ドイツ
Bitdefender:ルーマニア(ソースネクストのスーパーセキュリティZEROのエンジン)
Avast:チェコ
カスペルスキー
V3:韓国
F-Secure:フィンランド
キングソフト:中国
K7:インド(ソースネクストのウイルスセキュリティZEROのエンジン)
SOPHOS:イギリス

こんな風に外国製です。

あえて言うなら、ウイルスバスターを開発販売しているトレンドマイクロは、元は台湾出身の創業者がアメリカで立ち上げた会社ですが今は本社所在地は東京となっています。これを国産セキュリティソフトと呼んで良いかどうか微妙なところです。

一切存在しないわけではなくて、
ハミングヘッズのDeP
FFRIのyarai
は日本の会社が作った国産セキュリティソフトです。ただ、どちらも個人向けと言うよりは法人向けですね。個人向けセキュリティソフトとして、ウイルスバスターやNortonと戦えるシェアを持ってはいません。Macでは使えないので私にとっても無縁です。

そもそもWindows10以降ならWindowsに標準搭載されている、Microsoft謹製のWindows Defenderで個人利用なら十分な防御力があります。もし、Windows Defenderでは防御力が足りないような使い方をする人は、自己責任でちゃんと調べて買えばいいと思います。どんな使い方をするのか分かりませんが。

Macでもノーガードは危険な時代になりました。昔はコンピュータウイルスはWindowsばかり標的にするからMacは大丈夫!なんていうノーガード戦法もそこそこ通用しましたが、Macのシェアも増えると当然ながらMacも標的になってきます。ファイアウォールや暗号化はOS標準で付いてきますのでその点は安心ですが、ウイルス検知となると何かのソフトウェアを入れる必要があります。

私のMac miniには、Parallelsを購入したときにバンドルキャンペーンがあったので、それに付いていたIntegoを使っています。フランスで設立されてアメリカに本社を置きイギリス企業に買収されたセキュリティソフトです。当面、日本がアメリカ・イギリス・フランスと決定的な対立をすることもないでしょうから、これでいいかなと思っています。

ロシアの軍事侵攻がセキュリティソフト業界に影響を与えることになりましたが、プーチンが諦めない限りは色んな分野でこういうことは今後も出てくるでしょうね。

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