定額減税面倒くさい

総務経理担当者には共感してもらえると思いますが、岸田政権によってこの6月から導入される定額減税が、そこそこ面倒くさい制度設計になっています。

とにかく早く減税という建前を国民に見せるために、とにかく6月からの給料の源泉徴収の一部を無くすことで減税とするものの、結局は最終的に年末調整・確定申告で清算する仕組みです。そこでも余る人や会社勤めではないために源泉徴収が無い人は、来年に自治体からの給付金が配られるということになります。

これの何が面倒って、減税の仕組み自体は単純ですが、6月時点で一旦減税となる状態にしても、年末調整時点で条件が変わっていたらさらに減税もしくは徴収することになり、年間で2度も扶養状態を確認しなきゃいけないところです。

大半の有名どころの給与支払・経理関係のソフトウェアやウェブサービスは対応するでしょうけれど、Excelでやっている人は面倒でしょう。

何より、一番手間がかかりそうなのが、従業員や役員がこの定額減税での還付や徴収について質問を山ほどしてきそうなことです。家族のない独身者だけしかいない会社なら全くもって簡単でしょうけれど、そういう会社の方が少ないでしょう。

ただ、そうはいっても総務経理担当者の範囲は自分が勤める会社の中だけですので、たかが知れていると言えばたかが知れています。

一番ヤバいのが地方自治体の住民税関係の部署にいる人ですね。

少し前に記事にもなっていましたが、住民税からの定額減税は昨年令和5年分の扶養状態に基づいて行われるのはいいにしても、この6月からの住民税の特別徴収から定額減税が実施されます。具体的には6月の住民税の特別徴収はゼロ円になり、7月以降の11ヶ月で、定額減税後の住民税を割って1月毎の天引きの数字を、「今のうちに各企業に送付しないといけない」のです。

自治体勤めの経験も無いし、知人に住民税の部署で働いている公務員もいないのですが、想像するだけでも忙しさと面倒さが半端ないだろうなと思います。地方自治体の住民税関係の公務員において、岸田政権の支持率は0%なんじゃないですかね。

いっそのこと源泉徴収から控除するんじゃなくて、全部給付金にしろよと思ってしまいますが、給付金はそれこそコロナの時などで振込に時間もかかり、口座情報のやり取りで多額の経費も必要になり、マイナンバーに口座情報を紐付けると一部界隈が大反対しますし、政権的にはやりたくないんでしょうね。
その代わり、給与支払の業務を行う労働者と、住民税関係の地方自治体公務員が割を食う形になったのですけれど。

そもそも一般人にどれだけこの定額減税って伝わっているのかな。最近はニュースも新聞も見ない人は山ほどいるので、給与明細見るまで知らない人もいるでしょう。あるいは給与明細も見ない人もいるでしょうし。

で、年末に扶養状況が変わっていて徴収されて総務経理に食ってかかり、最終的には岸田政権に対して大激怒、というパターンが容易に想像できるのですが、そこまで政権関係者は考えてますかね?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?