モバイルバッテリーをそのまま捨ててはいけない

独立行政法人製品評価技術基盤機構から、リチウムイオンバッテリーの不用意な廃棄により火災が発生する問題について、こんなリリースが出ています。

以前から、普通の家庭ゴミに混ぜてリチウムイオンバッテリーを捨ててしまうことで、回収したゴミ収集車やゴミ処理施設で破砕した時に爆発火災が起きて大変なことになる、ということはチラホラ見聞きしていましたが、本格的に社会全体として取り組む問題になってきました。

ある程度、こういったITガジェットやハードウェア、あるいは化学に知識がある人は、リチウムイオンバッテリーの危険性は十分に認識していますが、当然ですがそんな知識がない人もたくさんいます。というより、知識がない人の方が大多数でしょう。

個人的には、何も考えずにリチウムイオンバッテリーをそのまま捨ててしまうのは、いわゆるアルカリやマンガンの乾電池と同じ感覚を持っているのかなと思っています。

もちろん、乾電池だって何も処理せずに捨てていいわけではなくて、端子部分にセロテープを貼って絶縁して捨てるということになっています。

じゃあリチウムイオンはどうするの、ということになり、よく分からないのでそのまま捨ててしまう、という行動を取る人がそれなりにいるのでしょう。だからこそ火事になっているのです。

あと、その製品が充電式でも、リチウムイオンなのかニッケル水素なのかニッカドなのかもよく分からない人もいるでしょう。

ちなみに、どうやって処分すれば良いかについては、パナソニックのホームページに分かりやすくまとめられていました。

リチウムイオン電池は非常に危険な物質であり、発火したら消すのは困難で、有毒物質も発生します。危険性を詳細に記憶した上でしか使ってはいけないとはいいませんが、安易に傷つけたり交換したり破壊したりしてはいけない、ということだけは覚えておくべきでしょう。

そもそも論でいうと、そんなに危険な物質をなんで使うのか、ということになってしまうのですが、危険性を許容してでもあまりに便利なので使っているとしか言えません。

そう言えばつい先日、リチウムイオンバッテリー開発によりノーベル化学賞を受賞した、グッドイナフ博士が亡くなりました。ノーベル賞を受賞するほど、現代社会におけるゲームチェンジャーのような重大な成果であるリチウムイオンバッテリーは、今のIT社会では排除など出来ようもありません。

安全安心な固体電池が開発されて一般化するまでは、この危険で便利なバッテリーとは付き合い続けるしかないので、重々注意するしかないですね。

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