【Rare Disease】 むずむず足症候群(RLS)の治療について

むずむず足症候群の増強(RLS augmentation)を疑う症例がいたため調べてみました。
mayo clinicの診療ガイドラインが2021年に出たばかりのようです。
国家試験でむずむず足症候群といえばプラミペキソールで覚えていましたが今は違うみたいですね。
参考文献:mayo clinic guideline(PMID: 34218864)、up to dateより

<ポイント>
・鉄補充、非薬理学的治療を行った上で薬物治療を検討
・症状でIntermittent RLSとChronic persistent RLSに分類し治療
・レボドパ、プラミペキソールの長期使用では症状が増悪することも

○前提知識
・むずむず足症候群は文字通り「足がむずむず」することにより不快感や寝られないなどの症状を起こす疾患
・症状は活動していない時、夕方に多い
・中枢神経系の鉄やドパミンに関連している可能性があるが病態生理ははっきりしていない

○治療
Step 1:鉄の評価、補充
・フェリチン < 75 で鉄補充を行う
・慢性炎症などでフェリチンが上昇している場合にはTSAT < 20%も参考に補充を検討

Step2:非薬理学的治療
・休息時や暇なときにパソコンの作業やクロスワードパズル(何か作業をすることが寛解因子)
・適度な運動
・カフェイン、アルコールを中止
・対症療法:ウォーキング、サイクリング、足を水・湯に浸ける、マッサージ
・透析患者の透析間隔を短くする
・不十分な睡眠(不眠の原因があるならばそれの除去)
・増悪薬物の回避、減量(抗うつ薬、抗精神病薬、ドパミン遮断制吐薬、抗ヒスタミン薬)

Step3:薬物治療
症状の頻度、程度でIntermittent RLSとChronic persistent RLSに分類

・Intermittent RLS(週2回未満で症状も軽度)
カルビドパ/レボドパ、ベンゾジアゼピン、低用量オピオイドが選択肢

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・Chronic persistent RLS(週2回以上で症状も強い)
ガバペンチン、プレガバリン、ガバペンチン エナカルビルを優先して使用
使用しづらい、できないときにドパミンアゴニスト(プラミペキソールなど)

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・Refractory RLS(上記の単剤治療に効果がない場合)

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○むずむず足症候群の増強(RLS augmentation)
・同じ治療を行っていても程度、頻度が増悪する、より高用量の治療薬が必要になる、上肢などに広がってくるなどで診断される
・ドパミン系薬剤の長期使用で出現する(レボドパ/カルビドパ、プラミペキソール)
・Step 1-3の見直し、ドパミン系➔リリカなどに切り替える、低用量オピオイドを使用するなどで対応

薬の容量は以下を参照

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