自分の心に向き合うんじゃなかった

ここ2週間くらい、資格試験の勉強と業務に追われて心に余裕がなかった。

東京に来て3週間。
ホームシックにはならず、比較的安定した気持ちで日々を過ごしていた。
毎日が忙しく、目の前のやるべきことに追われていたからかもしれない。

昨日、やっと試験が終わり
久しぶりにゆっくりとした週末を過ごした。
全く触れてこなかった分野に加え、慣れないお勉強を2週間毎日みっちりとしていたものだから終わった瞬間にすべての気が抜けて
その場から発つのにだいぶ気力を要した。

そんな余白のない日々が14日も続いたので、さすがに疲れてしまった。
だから今日は、自分の心を補充する日にした。
こういうときに私は決まった本を読む。

江國香織さんの「とるにたりないものもの」。

わたしたちの日常に当たり前にあるものに、好きとか苦手とかの馳せた想いがつまった一冊だ。

自分のスキルが足りなくて、仕事が思い通りにいかなくても長いことうじうじしても何にもならない、そうやって無理やり自分を奮い立たせていると
つい忘れてしまう”日常”を思い出させてくれる一冊。

でも、今回初めて読まなければよかったと思った。

江國香織さんの書く思い出を自分の記憶と重ねて読む。
友達と一緒に旅行先で買ったものを旅行先の公園の芝の上で食べたことを思い出し、寂しくなってしまった。

最近まで、気軽にできていたことができなくなる。
離れた土地に一人で住むとはこういうことなのかと、初めて実感した。

寂しくなって初めて、あの時間は余白があり豊かだったと気付く。

離れた土地に一人で住むとはこういうことなのか。





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