第1回「きっかけ」
こんにちは。石塚晴子です。
陸上競技をしております。
色んな人とお話をしたり、新しい事を学んだりする中で、自分の経験や感覚を文章にすることに興味を持つようになりました。
以前からTwitterで少しずつ考えを発信していますが、思っていた以上に皆さんから反応があったため、拙い文章ではありますがnoteで内容を深めていきたいと思っています。
どうぞお付き合いください。
早速ですが、先日Twitterで
「ハラスメントを防ぐために選手が持っておきたい考え」というテーマで投稿したところ、沢山の反応をいただきました。
【ツイート】
・指導者に求めるのは教育ではない事
・指導者の機嫌を取る為に判断しない事
・競技は自分の人生の一部であって全てでは無いという事
・心と体の反応を無視しない事
・選手の不安を煽って頑張らせようとする指導者は能力が無いという事
・必要な我慢はあっても我慢自体に意味は無いという事
この投稿をする前にまず頭をよぎったのが、
「怪我して今大した結果が残せてない私が言っても、説得力が無いんじゃないか?」という事でした。
ですが、これらの事はトップアスリートだけが持っておくべき意識ではなく、どの世代のどのレベルの選手も、みんなが持っておくべき考えなのではないかと思っています。
今現在、ハラスメントの対策として第三者委員会が存在します。平成25年からスポーツ指導における暴力行為が社会問題化し、翌年に相談窓口が設置されました。
悪い大人をつまみだしてくれる機関ができたというのは良いことです。
しかし、それはハラスメントが起こってからの話であり、選手がハラスメントに気づく基準を持っていなかったり、被害にあっても声を上げられないのが現状だと思っています。
では、ハラスメントの発生や第三者委員会への告発が「表面・結果」だとすれば、「根本・原因」は何にあたるでしょうか。
私は現場で指導する側の大人ではなく、まず私達選手がどのようなスタンスを持って自分の人生を生き、競技に向き合うのかどうかだと考えました。
スポーツの結果が人生の全てだと思ってしまった選手は、トレーニングやコーチの判断に依存します。結果を出したい、という焦りや不安に漬け込む大人は、残念ながら後を絶ちません。
選手が自分の身を自分で守るために、どんな考えを持っておくべきか、ということに触れたのが先述のツイートです。
私は選手です。指導者ではありません。親でもなければ学校の先生でもありません。それにたったの20年しか生きてないし、そのうち陸上は9年です。
指導者の目線でものを言えない私にできることは、選手の目線で、自分のこれまでの経験や知識を活かすことだけです。
私は高校時代に、世代のトップを経験しました。それから走りすぎが原因で大きな怪我をしました。
そしてもう一つ、回復に治療を要するほどのハラスメントを受けた過去があります。
「消えた」と言われることや、ハラスメントのニュースが他人事ではなくなりました。伸び悩むこの世代の選手達は、どうしたらいいんだろうという事を今もずっと考えています。
答えはまだ全部わからないけど、競技に関係なく、みんなの根元に流れる考え方の部分が、今起こっている色んな問題に繋がっているように感じました。
何かが間違っている、でもその何かがわからない、だからといってどうすればいいのかがわからない…色んな選手とお話していると、そんな風に感じている選手がとても多かったです。
怪我でも練習を無理して続けて、対校戦で結果が残せず、監督に「辞めてしまえ」と怒鳴られた友人の話を聞いた時は、思わず泣いてしまいました。友人も、涙をこぼしながら話していました。
なんでこんな事になるんだろう、何のためにやってるんだろう、アスリートファーストって一体何なんだろう…色んなことを思いました。
本当に大事なことが見失われていては、スポーツの結果も価値も下がる一方だと思っています。
これから時間をかけて発信していきますが、選手が自分の身を守り、自分の人生を決定し、楽しく本気で競技に打ち込めること。
これを支えるコモンセンスができることが、私の大きな目標です。
今回は「きっかけ」の部分に触れさせていただきました。
今後自分の経験や言葉が、誰かの背中をおすことがあるかもしれない…そう願っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。