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日記の練習: ニュージーランド旅行24日間

日記の練習

2024年2月にしばらくニュージーランド旅行をしていた。旅行日記を書きたいけど、だいたいいつも最初の数日分書いて力尽きるので、今回はくどうれいんさんの連載「日記の練習」を真似して書いてみる。

わたしはくどうれいんさんが書くエッセイがとても好きなので、未読の方にはぜひ上のリンクから読んでいただきたい。「日記の練習」は毎日のエッセンスをまとめたもの、「日記の本番」は月ごとに1つの出来事を深く書いたエッセイです。今回、わたしのニュージーランド日記も「練習」だけにならないように、「本番」も何個か書きたいな・・・

というまえがきを経て、はじまりはじまり。

2023/01/31

久しぶりの成田空港。航空券を取ったときは八王子に住んでいたので、羽田でも成田でもどっちでもいいや!と思っていたけれど、思ったより羽田空港の近くに引っ越してしまったので成田が遠い。ケチって京急に乗ろうとしたら、成田方面のホームへの移動になかなか手間取る。やっとホームについたら電車が運行見合わせになってしまい、やむなく同じ道を戻って別路線で空港に向かった。久しぶりの成田空港は海外の人がたくさんで、コロナ前後で景色が変わったことを実感した。

2023/02/01

久しぶりのロングフライトで一切眠れず現地に到着。約30ヶ国訪問してきた中で、一番厳しい検疫検査だった。オークランドは日本と季節が反対なので、2月は夏の終わりかけ。天気もよく、空港から出た瞬間に吹いた風を浴びて「高いお金と長い時間かけて、はるばる移動してきて正解だったな!」とちょっと泣きそうになった。

空港から市内に向かう方法が分からずワタワタしていたら、乗り合いタクシーのおじさんに声をかけられ、疲れていたのでその案内のままタクシーでホテルに向かうことに。ホテルを順に回っている間に気がついたけれど、この乗り合いタクシー、ちょっと割高なだけあって、私以外の人たちは高級そうなホテルの前で降りていく。一人バックパッカー宿でおろしてもらい、移動方法と宿泊地のギャップにいたたまれない気持ちになる。久しぶりの海外旅行なのに、最初に何を食べようかとワクワクする元気もなく、フードコートで適当にご飯を選んだら中東料理だった。初めての一人旅、シンガポールで緊張して食べた最初のご飯もなぜかケバブだったのを思い出した。

久しぶりの海外旅行なので、手慣れた気持ちでいつものプラグ変換器を持ってきたら、いつの間にか壊れていたらしくカメラの充電ができず絶望する。時差も相まって全然寝付けずナイーブになってしまった。

2023/02/02

充電できない焦燥感や慣れない寝床の結果、朝6時前に起きてしまったが、早朝から空いているバスターミナル横のコンビニに行ったら、無事にプラグ変換器が売られており安堵。

今日は移動日で、6時間バスに乗りっぱなし。バスターミナルで声をかけてくれた台湾人の女の子は、1年間ワーホリをしていたらしい。ちょうど同じバス停に向かうということが分かり、心強かった。バスからの車窓で、噂に聞きしたくさんの羊を見る。山道グネグネですごかったので、自力ドライブにしなくて正解だったな、と思いながらうとうとする。バス停に着いたら薄曇りで、乗り継ぎシャトルまで時間があったので、台湾人の子に案内してもらいスーパーで買い出し。スーパーから出たら土砂降りになっており、びしょ濡れになってシャトルバスに乗った。なんとか宿についたが、夏と思えぬ寒さで、日本で着ていた上着を着込む。シャワーもキッチンも使い勝手が分からず心細くなる。旅程の後半があまり決まっていないのも心細さの一因なので、怒涛の予約タイム。クレジットカードの認証に失敗したり不正利用疑いでキャンセルされたり、いろいろ手間取ってクヨクヨする。旅行の後半でTrasfercarというサービスを使おうと思っていたのになかなか予約が取れず、仕方なく予約したレンタカーが高すぎて、「なんでまたこんな旅程にしたのだ私は…」と過去の自分を責め始める…

引き続き時差で寝られず、前夜のクヨクヨを引きずる夜。よくよく考えたらこの土砂降り&寒さのなかで明日から山歩きは危険なのでは?と不安になり、いろいろ調べて更に不安になる。あまりに不安になったので、いろいろ調べてスケジュールを変更。3泊4日の山歩きを2泊3日に変更して、なんとかなりそうになったので安心してやっと寝た。

2023/02/03

山歩き開始日の予定が移動日になったので、宿をチェックアウトしてビジターセンターへ。10時のチェックアウトから12時半まで、雨が降る小さい村で雨宿りできる場所がここしかなく、ひたすら火山の説明など読んで過ごす。同じことをしているおばちゃんがいるな、と思い話しかけると、逆に宿のチェックインを待っているとのこと。山歩きのルートは違うけれど1日山小屋で遭遇しそうだね!という話をして別れた。ビジターセンターのスタッフ昼休みのため途中で追い出され、寒いテラスでしばらくシャトルバスを待った。

今回の旅行はケチって宿はドミトリーメインにすることにしたけど、たまに回復日が必要なので個室を取ることもOKというマイルールにしていて、昨晩急遽取ったこの宿はリーズナブルだったのでダブルベットの個室にした。そしたら気温が低すぎて寒く、宿の人にお願いしてお湯のヒーターをつけてもらうことになったのであった。夏なのに…冬の日本みたいな気温…

2023/02/04

いよいよ登山にチャレンジ。日帰りの人と出だしは同じルートなのでとても道が混んでいた。最後2時間は周回ルートの人しかほとんどおらず静かだった。ついに山に来たぞ!

2023/02/05

山歩き2日目。今日は4時間しか歩かないので楽だろう、と思っていたけど景色が絶景でうるっとした。3日前にあったおばあちゃんに山小屋で再会した。ドライフードばかり食べているので、グループで来ていて野菜やら肉やら調理している人がうらやましくなる。

2023/02/06

山歩き最終日。天気がとても良く、遮るものがないこのルートは想像通り暑かった。途中で往復2時間の寄り道ルートがあり、バスのピックアップ時間まで暇になりそうだから挑戦してみた。見事な火山湖が見れて最高。ルート最後の1時間は足の裏が痛すぎて一人で悶えていた。

無事に下山してシャトルバスに乗ったら、たまたま日本人のご夫妻に出会う。晩ごはんをご一緒した。311きっかけで日本を出てニュージーランドに永住することにされたんだそう。いろんな人生がある。

2023/02/07

療養日なので宿でダラダラ。幻の山歩き初日と交換してほしいくらいの晴天。この日もたまたま宿に日本人の方が泊まられていて、キッチンで晩ごはんを食べながらお喋りした。バイクでオーストラリア一周してから、ニュージーランドはレンタカーで一周をしているそう。日本で乗っているバイクを船で現地に輸送してライダー旅をするらしい。いろんな旅がある。

2023/02/08

午前中、時間があったので半日登山へ。滝が見られるルートがあると聞き、勇んで出かけるも、昨日までの好天が嘘のようにガスガス。まあこのあとの登山で好天になるんでしょう…とか未来に期待しながら下山。

お昼から観光列車で移動。わたしが乗る駅の時点で30分遅れだったけど、途中で何か故障したらしく1時間半くらい電車が止まってしまった。景色が最高な観光列車のはずが、途中から曇り&雨でツイてない。3時間遅れで目的地に到着して、Airbnbのオーナーに連絡したら、「まだ晩ごはん食べてないでしょ!」とご飯を食べさせてくれて感謝だった。

2023/02/09

市内観光。議会の説明ツアーに行ったら、透明性の高いセイジと多様性を重視しているとアピールされ、たしかにこの政府になら税金を払ってもいいな、と思う一方、わたしは日本の政治に期待してないし諦めを抱いてるんだな…と気づいてしまいモヤモヤする。

クラフトビールが流行っている街なので、いくつかビアバーを回る。途中で図書館を見かけて入ってみたら、日本語の本が置かれていて、川上未映子さんの小説を10ページほど読んだ。今回旅行に持ってきた本があまり刺さらず、久しぶりに読みたい日本語を読めて胸が一杯になる。

街歩きに疲れてAirbnbに戻ると、ちょうど華金モードのオーナーがいたのでビールを飲むことになる。首都にある平屋の戸建て、テラスでバーベキューもできてデカい冷蔵庫とテレビもある暮らし、かなり理想的で羨ましいな…と思った滞在だった。

2023/02/10

午前中歩き回る。6年前に痛めたアキレス腱の痛みが久しぶりに発症してしまいつらい。当時は「運動不足なのにたくさん歩いたからですね」と言われたけど、ここ数年山に登りまくっているのになぜここで?と凹む。行きたかったところが何箇所かあったけど、足痛いし行かないと死ぬわけじゃないな…と散歩を切り上げる。空港まではUberで。Uberは海外旅行のときしか使わないので、だいたい気付かない間にアプリが消えている。今回もアプリをインストールするところからスタート。なんとかログインすると、見慣れないUberPoolという乗り合いの選択肢ができていた。ちょっと安いのでPoolにしてみたけど、結局乗り合いにならなかったので、いつものUberと変わらなかった。土曜日の昼前に郊外に向かう道は予想通り混んでいた。車を買ってから、こういう曜日と時間帯の渋滞傾向が予測できるようになった。とはいえニュージーランドの空港は市内から近いので、1時間かからず到着。心配だった荷物の重さも、スーツケースに 'Heavy' のタグをつけられながらなんとかクリアして、国内線へ。保安検査で、登山のために持ってきたヘッドライト用の電池がひっかかる。電池単体は良いが、複数の電池が並ばない状態にしないといけないらしい。6本あった単4電池をザックのあらゆるポケットに散らした。

飛行機で着いた次の街は小ぢんまりしていて景色がキレイだった。しかし春節パワーで中国系の人がたくさんだった。ここは中国?という気持ちにすらなった。便利そうな街の中心部に宿を取ったら、夜までloudな音楽で踊り狂う街のうるささにびっくりした。ここはやっぱり中国ではなく欧米文化だ。

そして晩ごはんにケンタッキーを食べた。疲れると身体がジャンクフードを求める体質なので、どうやら疲れているらしい。久しぶりに食べたケンタッキーはやはり美味しかった…

2023/02/11

引き続き療養日。足の調子が不安なのでストレッチ用ボールを使って全身を刺激しまくっていたら昼だった。動物園のようなところに行き、たくさんの鳥を見る。相変わらずニュージーランド英語が聞き取れないので、説明の半分くらいしか理解できなかった。あとから日本語音声ガイドの存在に気づいてしまい、気づいたことが悔やまれる。気付かなかったら自分の理解度はそんなもんか、で済むのに、気付いてしまうと「あのときに新しいことを知るチャンスを逃してしまった…!」と残念な気持ちになる。

足が痛いなりに町を開拓しようか、と思うも、やはり足が痛いので途中で引き返す。可愛らしい一軒家の雑貨屋さんを冷やかしてみたら、石鹸や毛糸がたくさんでニュージーランドを感じた。特に刺さるものもないし出るか〜と思ったタイミングで、版画の山のイラストを発見。6000円くらいの手頃な値段の作品だったのでつい買ってしまった。勢いで買ったはいいが、この大荷物で無事に持って帰れるのか?!と不安な気持ちになる。(無事キレイなまま持って帰れました)

旅行2日目に勢いつけて取ったレンタカーが高すぎるのでやっぱりキャンセルする。予約時に3分の1のお代を支払っており、「3日前まではキャンセル無料」と書かれていたのでキャンセルしたら、「このサイトでまた使えるバウチャーになりました」というメッセージが現れ、お金が返ってこないことが判明する…代わりに予約したバスも思ったより高く「だったらレンタカーの方が自由度も高いし良かったのでは…」とウジウジする。

ドミトリー同室のフィリピン人の子が誘ってくれたので、キッチンで一緒に晩ごはんを食べた。フィリピン出身だけどイギリスで看護師をしたあと、ニュージーランドに移住したらしい。ITエンジニアならビザ取れるよ!と教えてくれた。ニュージーランドに旅行してハマったからニュージーランドに移住する、人生の選択肢としてありかもしれない。なんだかワクワクする。

2023/02/12

移動日。昨日の晩ごはんにラム肉のソーセージを買ってみたら、日本のソーセージと勝手が違って生肉だったので、ここから3時間バスに乗るなら加熱しなければならない!と夜に気付き、バスの時間に間に合うか不安で寝れなくなる。この旅はしょっちゅう不安で寝れなくなっているけれど、たぶん疲れているだけです。朝ちゃんと起きてキッチンに行ったら、なぜかコンロの電源が入らず加熱できない。捨てるのも忍びないので、台所で遭遇したフィリピン人の子にあげました。押し付けてごめん…

今日の移動は、長距離バスというより観光バスだった。席がふかふかで快適だった。翌日このバスの終着点まで改めて旅行に出かけることにしたけど、早めに気付いてたら、バス会社にネゴってこの1日のうちに観光もできたのでは…?と今さら段取りの悪い自分にツッコミを入れてしまう。まあ3週間の旅行の段取りを完璧にするのは私にはちょっと難しいわな…ともう一人の自分が過去の自分をかばう。一人旅だけどだいたい頭の中はいつもこんな感じなので忙しい。

レビューのいい宿を取ったはずなのに、チェックイン前に使わせてもらった台所がかなり散らかっていて怪訝な気持ちになる。昨日のレンタカーキャンセル問題もあり、旅行期間があと1週間以上あるのもあり、気持ちが荒む。宿にチェックインしてから久しぶりに会社同期から仕事の質問を受けて日本語で電話をして少し気持ちが晴れる。言葉が不自由だと自分の中に言葉が淀んでネガティブな気持ちになってしまうらしい。宿の台所はスタッフの人がかなり掃除をしていて、昼にぐちゃぐちゃだったのは別の宿泊メンバーが壮大な料理と散らかしをしているかららしかった。あそこまで散らかせるのは一周回って才能を感じる。

2023/02/13

日帰りツアー参加。昨日、一昨日にツアー参加した人は「めっちゃ天気良かった!」と言っていたけど、わたしが参加した日は天気そんなに良くなくて持ってるな…としみじみした。船に乗って湖を回るツアー、たいてい途中で飽きて別のことを考えてしまい、時間とお金がもったいないな〜と思うのに、毎回そう思うことを忘れて、ツアーに参加しては退屈してしまうので学んでいない。

2023/02/14

パッキングの段取りが悪くて朝から宿の休憩室でバタバタする。どうしてこんなに荷物が重いのか…

天気予報がイマイチで、山に行くのを止められるのでは?とびくびくしながらビジターセンターに行ったが、「その装備なら大丈夫!」とお墨付きをもらって終わった。

山歩き初日、風は強いが景色がとても良い。ベルギー出身、オーストラリア在住の夫婦が構ってくれて安心する。昨日宿で会ったハワイ在住のおばちゃんとこのトレイル後の3日間ふたりで車移動することになったので、WhatsAppでやり取りしつつ、電波と電池を心配しながら宿の予約をする。

2023/02/15

しっかり雨降りの1日。そしてアキレス腱の痛みが再発。今日がこの山歩き一番の絶景dayのはずだけどずっと景色が真っ白。途中で少しガスが晴れて絶景でうれしくなる。ぼんやり曇りが続くより感情のアップダウンがあった分、満足度が高くなっているのかもしれない。絶景に感激してたら、Just Married! と書いたサインボードをザックにつけたカップル?夫婦?に会い、めでたい気持ちになる。後半ずっと下り道なので足に気をつけてなんとかこの日の目的地へ。

2023/02/16

今日はずっと平坦な道。サクサク歩いて昼過ぎに本日の宿に到着。湖沿いでチルな時間を過ごす。ただのキレイな湖畔なら最高なんだけど、サンドフライという蚊のヤバいヤツが大量にいるので気が抜けない。

近めのGateは1時間半行ったところなので、早めout組は今日で終わり。3泊同じメンバーで歩いているので、話す機会がなくて名前を知らない人もさすがに顔見知りになり、ハローとグッバイを繰り返す。くるりのワンダーフォーゲルという曲が好きで良く聞いており、脳に染み込んだ歌詞の「ハローもグッバイもサンキューも言わなくなって こんなにもすれ違ってそれぞれに歩いていく」をまさに現実で体感しているな…と一人で勝手にぐっとくる。

2023/02/17

山歩き最終日。特に急ぐ用事もないので、ゆっくり出発準備をしていたら、最後の10人くらいになってしまった。ベルギーからの二人に別れを告げて出発。足が痛くて手前のGateで終わろうかな…と思うも、早く終わっても別にやることないので、ぐるっと1周ルートをつなぐべく残り3.5時間も歩く。もう昨日から見慣れた景色で特に思うこともないけど、もうこの山歩きが終わっちゃうのか…!と最後2時間くらい淋しくなる。足腰痛いなりに早めにGateに着いてしまい、足が元気なら街まで歩くところ、元気じゃないので持ち合わせの最後の食料で昼ご飯にする。予約していたShuttleがピックアップに来てくれ、朝に別れたベルギー人夫婦が乗っていてお互い笑ってしまった。一緒に写真撮りたいな、と思っていたのでちゃんと撮れて良かった!

そして街に戻り、宿に預けていたスーツケースをピックアップして、大きな街に戻るためのバスを待つ。時間つぶしにカフェのテラス席でコーヒーを飲んでいたら、トレイルで一緒だったおじさんが通りかかり声をかけられた。バスの到着がやや遅れ、街に入ってからも渋滞で遅れ、宿に着いて4日ぶりのシャワーを浴びたらもう21時。楽しみにしていたハンバーガー屋さんは閉まってしまったので、クラフトビール屋さんでビールとバーガーを頼んで都会を味わった。

2023/02/18

荷物が多すぎてパッキングしながらイライラする。山ではザック一つで歩いていたのに、なぜ下界だとこんなに荷物が増えるのか。ここから最終日は毎日移動なので、その都度重い荷物を運ぶことを想像して悲しい気持ちになる。

バスに乗って隣町に移動。こっちの島をちゃんと移動するのは初めてだった!とバスの車窓を見ながら思い至る。荒野とたまに出てくる都会を抜けて街に到着。荷物が重すぎて宿までの坂に一人で苛立ち、坂を登って着いた宿がちょうどフロント休み時間なことに苛立ち、イライラしながら街の中心部に戻っているところで話しかけられたのがトレイルで一緒だった女子2人。隣町で出会うとは…とお互いビックリした。

おしゃれなランチプレートを食べて宿に戻り、洗濯をしてゴロゴロ。街に出てもそんなにやることはなく、西洋系のご飯に飽きてきたので好物の冷麺を韓国料理屋さんで食べた。この街にもクラフトビール屋さんがあったのでビールを飲みに行き、部屋でゴロゴロして1日終わり。

2023/02/19

昨日の晩ごはんで食べきれなかった餃子を朝からスープにして食べる。やはりアジア料理は美味しい。ゴロゴロしていたら気付いたらチェックアウトの時間で焦ってパッキング。

この街は観光地だけど街自体そんなにやることないので、少しマシになった足で近くの山を登った。景色は良かったけど風が強く、山頂でゆっくりすることもせずに退散。スーパーに行って食料を買い、湖を見ながら食べようか…と思ったらこちらも風が強すぎて、サンドイッチを作って食べて退散。湖の周りをうろうろしたり、アイスクリームを食べて車のピックアップを待つ。

数日前に宿で会ったハワイ在住のおばちゃんにピックアップされ、ふたりでラベンダーファームに行き割と盛り上がる。おばちゃんの英語の訛があまりアメリカっぽくなくて「?」と思っていたら、ルーマニア出身とのことだった。その後も荒野を走り、何もないところだね〜と話していたら急に今晩の宿が出てきた。どうやら羊飼いの夫婦が空いている敷地でゲストハウスを経営しているようで、だだっ広い敷地に小屋がある、なかなか見ない光景だった。

ウキウキで晩ご飯を作っていたら宿に塩が置かれていないことに気がつく。行きのフライトでゲットした機内食用のわずかな塩で味付けをしてなんとか食べられる状態になった。

2023/02/20

朝、結構寒い。キッチンで朝ごはんを食べていたら、一人旅をしているカナダ人の女の子に会った。旅行の残り期間を聞いたら「3週間で残り2」といわれたので、「私も残り2日!」と言ったら、彼女はまだ残り2週間だった。羨ましい。

今日の宿までドライブは4時間ほど、なので余裕だね〜と綺麗な景色を見るたび休憩していたら全然距離を稼げなくて途中で笑ってしまった。びっくりするくらい綺麗な湖と山を見て、小さな街の湖の畔で持ち合わせたパンや野菜をランチに食べた。この日はめちゃくちゃ足が痛くてあまり歩けず、同行者のおばちゃんが湖で泳ぐというので私はカフェに行ったり湖のほとりで果物を食べたりダラダラした。

夜ご飯はショッピングモールのトルコ料理屋さんへ。結構ボリュームがあったはずなのに、喋りながら食べていたら全部食べていて我ながらびっくりした…急に街の間隔が狭くなり、信号が出てきたので都会が近づいてきたのを感じる。Airbnbの宿のWifiパスワードが手書きで全然読めなくて、おばちゃんと爆笑しながらなんとかログインした。

2023/02/21

今日は私の目的地でdropしてもらう日。おばちゃんはこのあと予定(オンラインでプログラミングを教えているらしい)があるらしく朝からやや急ぎ目。Airbnb近くのカフェに行こうとしたら反対車線で入れず、やむなく隣の街のカフェへ。サンドイッチが思ったより高くてびっくりしたけど、カマンベールチーズとジャムが挟んであるパニーニがおいしくて良い朝ごはんだった。Suicaのような交通系カードをゲットするために図書館により、バス停近くのショッピングモールの駐車場でおばちゃんとバイバイした。2泊3日、不思議な旅だった。

その後バスに乗って移動してチェックインし、久しぶりの都会を歩いて旅行だな〜と思う。都会に来たので一気に物価が上がりドキドキした。でも美術館は無料でヨーロッパの文化を感じる。あやとりをモチーフにした作品があって面白かった。バスの1日券を買ったのに無くしてしまい、やむなくレシートを見せたらバスに乗せてもらえて有り難かった。せっかくここまで英語に親しんだので洋書でも買って帰るか…と思って洋書を買った(が、その後読んでいない)。

アイスを食べようとしたら前に学生と思しき日本人の女の子たちが並んでいて、キャピキャピ盛り上がっていて若さを感じた。お会計の英語のやりとりで緊張している気配が伝わってきて「私も海外旅行初めての頃はこんな感じだったな…」と懐かしくなった。最後の晩なのでどこかでビールを飲みたくなり、アイス屋さんの向かいのバーでビールを1人飲んでいたら、お店のBGMでSuddenly I seeが流れてきて、「確かに今の私も昔の私がなりたかった自分だわ!」とびっくりして一人で感激していた。完璧ではないけどそこそこ英語が喋れて、一人で山登りに行ったり行きたいところを自分で調べて行けるようになって、これを「なりたかった自分」と言わずしてなんというのだろう、と…

2023/02/22

足が痛い日。だらだらパッキングしてチェックアウトを済ませ、近場の教会へ。後で調べると、ちょうどクライストチャーチ地震の日だった。地震から12年のタイミング、私は何も知らずラム肉とポテトのグリルを食べていた。人生で一番美味しいラムだった。クライストチャーチはオークランドと同じくらい工事をしている場所が多く、きっと地震後の再建に向けて進んでいるんだろう。日本だと、12年経つ頃には市街地の復旧工事を終えているんじゃないだろうか。そんなに生き急いでいないところにニュージーランドを感じなくもない。

教会を改修したというビアバーで、ニュージーランド最後のビールを飲んだ。ビールは美味しかったけど、パイプオルガンを眺めながらビールを飲んでいることに背徳感を覚えた。

2023/02/23

帰国日。行きは全く寝られなかったのに、帰りの飛行機はびっくりするくらい寝れてあっという間に東京に到着した。最後までニュージーランドは自然体で、客室乗務員の人たちもリラックスしている気がした。日本に着いたら雨で寒くて気持ちは晴れなかったけど、帰国直後から花粉症を全力で浴びるよりは悪くない天気だと思う。久しぶりに食べる日本食は例によってラーメン、淡くて優しい味でした。

おわり。

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