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Tongariro Northern Circuit(トンガリロ・ノーザンサーキット)まとめ

2024年2月に日本からニュージーランドに行き、トンガリロ・ノーザンサーキットを歩いたときの記録です。ネットで検索してもあまり情報が出てこなかったので、誰かの役に立てば良いな…と思いまとめておきます。

トンガリロ・ノーザンサーキットとは?

ニュージーランド北島にある山歩きルートで、ニュージーランドが定めるGreat Walksのうち一つ。トンガリロ国立公園の中を歩き、ロードオブザリングの映画に出てきた「滅びの山」こと、ナウルホエ火山の周りを、3泊4日でぐるっと回るルート。

トンガリロ国立公園の登山ルート

トンガリロ国立公園内には、ノーザンサーキット以外にも複数のルートがある。

一番メジャーで人も多いのが、「Tongariro Alpine Crossing(トンガリロ・アルパインクロッシング)」。日帰りで歩く縦走ルートで、このルートに合わせたシャトルバスはたくさん運行されている。

青や緑の湖が見られ、火山活動を感じられるエメラルドレイク

私が行って、今回まとめるのは4日でぐるっとナウルホエ山の周りを歩く「Tongariro Northern Circuit(トンガリロ・ノーザンサーキット)」。

悪天候が続き、出発日にようやく見られたナウルホエ山、まるで富士山のような形をしておりキレイ

6日かけてルアペフ山の周りを歩くRound the Mountain(ラウンド・ザ・マウンテン)。こちらは初日の山小屋以外は予約不要で行けるので、天候変化に対応はしやすそう。日程は長いけど…

ルアペフ山はなんだか強そう

ルート概要

1日目: Auckland到着、宿泊
2日目: Auckland → National Parkへ移動
3日目(Day1): National Park -(シャトルバス)-> Whakapapa(ファカパパ) Villege → Mangetepopo(マンガテポポ)
Hut 8.5km / ? / 所要時間不明 
4日目(Day2): Mangetepopo Hut → Oturere(オトゥレレ) Hut
12.8km / ↑700m ↓500m / 約7時間 ※この区間はAlpine Crossingと合流
5日目(Day3): Oturere Hut → Waihohonu(ワイホホヌ) Hut
7.5km / ↑100m ↓400m / 4時間
6日目(Day4): Waihohonu Hut → Whakapapa Villege -(シャトルバス)-> National Park または Whakapapa Villege泊
14.3km / ↑300m ↓100m / 7時間 ※寄り道込
7日目: National Park → Aucklandに戻る

日本から行って来いするならこんなスケジュールになるはず。

予定では4日間かけて山を周遊する予定が、初日の天気があまりに悪かったので、予定を変更して2日目のコースから歩くことにしました。初日は短いし見どころも少ない、ということで、最初から1日目ルートはskipする人もいるようです。
回り方については、今回はメジャーな時計回りのルートにしました。逆回りも可能ですが、2日目のエメラルドレイクが見どころで時計回りのほうが湖を見下ろしながら歩いていけるので、個人的には時計回りがオススメです。

難易度

ニュージーランド環境省のサイトでは Intermediate レベルとされており、山歩きに慣れていない人でもいけるルート、とのことです。


実際行ってみた感想としても、行程は長いが特に危険箇所はなし。2日目の高低差が大きいが、それでも800mほど。また、2日目の下りはザレ場になるので、トレッキングポールがある方が歩きやすいです。その他は傾斜が強いところも少なく、木道があったりかなり道が整備されています。後述しますが食料を担ぐ必要があるので、荷物の重さに耐えられる人であれば、山歩きの経験がそこまでなくても歩ききれそう。なんとなく、道のレベル感や雰囲気がくじゅう連山に似ている気がします。

事前準備(日本でやること)

山小屋の予約

ノーザンサーキットの山小屋は3箇所あり、すべて予約必須なので、まずは山小屋の予約です。2024/25シーズンは6/6 AM9:30(日本時間だと6/6 AM6:30)予約開始です。他ルートに比べると人気が高いルートではないものの、それでも山小屋の定員は30人ほどなので、早めに予約しましょう。DOCサイトのアカウント作成も必要なので、事前に済ませておくと尚良しです。
後述しますが、ニュージーランド国内の移動で電車を使いたい場合、運行スケジュールを気にして予約するほうがよいです。

小屋の宿泊代は、2024/25シーズンは海外在住の大人だと夏期間はNZ$66(約6000円)になるようです。私が行った2023/24シーズンより値上がりしている…

移動手段の予約

■飛行機(日本→オークランド)

日本からニュージーランドの直行便は、成田→オークランド(10時間半)があります。夜便で、現地到着がお昼なので初日から動けて良い便でした。
ジェットスターやキャセイでトランジットしながら移動するほうが安上がりですが、時間は結構かかりそうです。

■バス or 電車(オークランド→National Park)

National Parkという町からWhakapapa VillegeやMangatepopo(Alpine Crossingの開始地点)へのシャトルバスが出ているので、今回はNational Parkを拠点にしました。Aucklandからはバスまたは電車でNational Parkに行くことができます。

バスの場合: InterCityのバスがAuckland  Skytowerから出ています。街なかから乗れるので便利。事前にWeb予約をしておき、15分前までにバスターミナルに行って窓口に到着の旨を伝えると乗れます。約6時間・NZD50(約5000円)。途中で何箇所か休憩があり、National Parkは最終地点ではないので乗り降り忘れないように注意。毎日朝9時頃出発の便があります。

電車の場合: Northern ExplorerがAuckland Railway Stationから週3回出ています。市街地から少し離れており、朝7時に電車が出るので、オークランドで泊まる宿の場所に注意が必要そう。約6時間、NZD124(約12000円)。今回は曜日の都合が合わなかったので、Auckland -> National Parkでは使わず、National Park -> Wellingtonで電車を使いました。

■シャトルバス(National Park→Whakapapa Village / Mangatepopo)

National Parkは小さな町で、スーパー2軒・レストラン2軒・カフェ何個か(?)くらいの小さな町です。その他はほぼ民宿やゲストハウスで、大きめの宿がシャトルバスを運行しています。どこも値段やサービス内容に大きく差はなく、かつSmall Businessのところが多いので、あまりこだわって調べる必要はなさそうです。私はTCSのシャトルを予約し、たまたま宿泊したYHAが運行しているシャトルだったのでラッキーでしたが、とりあえず宿を取ってから宿の人にメールで相談して予約してもらうのが便利だと思います。
National ParkからWhakapapa Villageはバスで30分ほど・1日目のルートは3時間ほどで歩けるはずなので、1日目朝にシャトルバスで移動すればOKです。

■帰路

Aucklandに戻るなら往路の逆ルートを予約することになります。私はWellingtonに抜けたかったので、National Park -> WellingtonをNorthern Explorerに乗り電車移動にしました。こちらも週3日運行で、約5時間・NZD124(約12000円)。到着時点で電車が30分遅れだった上、ただ電車が途中で機械故障に見舞われ、予定時刻より2時間ほど遅れて現地到着になったので、電車を使う場合はスケジュールに余裕を持たせてください。

宿の予約

National Parkはアウトドア客向けの宿が多数あるので、宿にはあまり困らないはずです。長距離バスの発着地点はNational Park駅で、その通りをまっすぐ歩いた道の近くのガソリンスタンドに併設された4 Square(ニュージーランド国内のスーパーマーケットチェーン)にお世話になると思うので、このあたりの宿を取るのが便利です。小さい町なのですが、車サイズで作られているので、徒歩で移動すると結構時間がかかり辛いです。

持ち物の準備

■服装
今回は2月に行きました。日本では冬にあたりますが、南半球のニュージーランドは夏の終わりかけ、秋に入りかかるくらい。このコースの最高地点は2000mいかないくらいなので、北アルプスほどの寒さ対策は不要ですが、全体的に日陰が少ないルートなので日差し対策が重要です。秋に心配になる夜の寒さも、小屋の中はストーブもあり人口密度も高いので、モンベルのダウンハガー#2で暑いくらいでした。夜中に外に行くなら上下ダウンが必要です。

■ギア
普通に日本で使っているものを持っていけばよいです。検疫の事前申告用紙に「ニュージーランド以外で野外使用履歴のあるギアの持ち込みはあるか?」という項目があったので、靴やポールについてなにか言われるのでは…?と不安になりました。場合によっては、持っているギアを空港で燻煙されたりするそう。
小屋では、ガスと水が使えるので、食器と食材を持っていけば十分です。ガスは簡単なコンロが小屋に備え付けられているので使用できます。たまに火がつかない(つきづらい)小屋があるので、ライターがあればベター。また、水は浄水ではないので、煮沸して使うか、心配なら浄水器を持っていくほうが良いです。今回は特に途中の水場を使用することもなく、小屋の水だけで乗り切れました。食器を洗う洗剤も小屋に準備されているので、日本でテント泊をするときほど食器の使い方を色々考えなくて良いのが意外と楽でした。ナイフやカトラリー、食器を拭く紙や布は持参です。

■食料
ニュージーランドの検疫検査はかなり厳しく、「持ってきた食料を空港で全部没収された!」と言っている人がいたので、薬やサプリメント以外の食料はあまり持っていかないほうが良さそうです。そういった事情を何も知らず、たくさん日本からドライフードを持っていきましたが、特に没収などされず良かったです…

事前準備(ニュージーランドについてからやること)

食料品の購入

到着後、オークランドまたはNational Parkで3泊4日分の食料の調達をすることになります。National Parkの4Squareは、規模の割に品揃えが良く、いざとなればここで食材を調達することは可能です。ただ、オークランドのほうがスーパーの規模も大きく、品揃えも爆発的に良いので、時間があるならオークランドで準備していくのがオススメです。トレイル用のドライフードが当たり前のように売られており、お湯を注げば完成するので、あまりレシピをいろいろ考えるのが大変であればそのまま使うのがオススメです。だいたい一食1000kcalを超えており、主食としてマッシュポテトがついてきがちですが意外と食べやすく、日本から頑張っていろいろ持っていくより効率的で必要カロリーも取れて良かったです。

虫除けの購入

ニュージーランドにはサンドフライと呼ばれる、蚊のようなブヨのような虫がいるため、日本のものよりも強力な虫除けを購入することがガイドブックなど各所でおすすめされています。トンガリロ・ノーザンサーキットは北島に位置するため、私自身はサンドフライに出会わず済んだのですが、2000円かからず対策ができるので安心のために持っていて損はないと思います。薬局で購入できます。

チェックイン

Whakapapa Villageから行程を開始するのであれば、事前にビジターセンターに寄って地図をもらったり天気を確認しておくと良いです。別のTrekking routeを歩くときは、ビジターセンターで地図をもらうときにチェックインを行ったのですが、トンガリロ国立公園のビジターセンターで地図をもらったときは特にチェックインなどの手続きはありませんでした。(なので必要ないのかもしれない)

行程

実際の行程ブログはまた別で更新します。

参考

実際行くときは以下のブログを参照しました。


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