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(4)キーマン

コンサルタント四方山話は
コンサルタントの役割やクライアントとの関係、
コンサルティング活動の留意点等をご紹介していきます。

目まぐるしく変わる社会の中で、
迷い、不安な気持ちになりやすい日々。
少しでも先行きを明るくするために貢献できれば、
と思います。

そうした時、
過去の話にどんな価値があるでしょうか。

この年になると
人生とは、思い出である。
という気がしてきます。

挑戦し、悩みながら行動する
その「今」は
一瞬一瞬過去になっていきます。

過去を慈しみ、乗り越えて、
気負わずに挑戦を続けていく。

これは時を超えて
普遍的なことだろうと思います。

コンサルタント四方山話は、
私の思い出を綴っていますが、
年齢も経験も異なる方々に
伝わらないことも多いでしょうが、
そんな心境で思い出を綴っています。

今回は
「コンサルタントにとって会社(クライアント)とは何か?」
というお話です。

この問いかけは、
コンサルティング会社に入社してまもない頃
若手のコンサルタント向けの研修で
先輩が出した問いです。

禅問答のようなこの問いに
どう答えていいのかとまどいました。

コンサルタントにとって会社(クライアント)は
・支援の対象
・変革の対象
・依頼される相手
・コンサルタントが腕を振るう舞台
・受注先
・・・・

若いコンサルタントの答えを一通り聞いて
大先輩が語りました。

コンサルタントにとって会社(クライアント)とは
“人である”と。

ここでの“人”とは、キーマンのことです。

キーマンとは、
コンサルティングの依頼主
のこと。

コンサルティング・フィーの支出権限者
とも言えます。

キーマンのニーズ、期待を
しっかり踏まえなければ
良い支援はできない。

という教訓は
その後のコンサルティング経験の中で
何度も味わったことでもあります。

キーマンについて自分なりに考察を続け
今では
キーマンとは以下の3種類の「人」を言う
と考えていいます。

キーマンとは、
“会社を良くしようと心底思って行動している”
(1)依頼主(コンサルティング・フィーの支出権限者)
(2)推進事務局(主幹部門)の事務局・スタッフ
(3)現場の管理職・一般社員

この三者のコミュニケーションが良い
クライアントのご支援は
スムーズに前進しやすいと感じます。

時には、コンサルタント冥利に尽きるような
かけがえのない思い出となる
ご支援になったりもします。

会社を心底良くしようと思えない人に出会うと
その気持ちに寄り添って、
原因を理解し、
できる手を考え打ちます。

コンサルタントにとって会社とは
“人”である。

コンサルタントになってすぐに
この問いに出会ったことが
企業において「人」が重要である
ということが
無意識のうちに刷り込まれたと感じています。

私のキャリアの十数年は
業務改革のご支援でしたが、
その間も「人」への関心が徐々に高まり、
結果として30年以上、
人材マネジメント分野を中心に
経験することになりました。

若いコンサルタント向けの研修が
コンサルタントとしてのスタンスの形成に
つながりました。

良い“きっかけ”をいただいたと
感謝しています。

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