震えて眠る
教習5日目。学科教習1時間と技能教習9~10時間目を一気に終わらせ、第2段階のみきわめをするという日である。実質的に、学校へ通うのはこれが最後の日。
シミュレータと学科は和やかに終了する。平成16年改正による「高速道路走行での二人乗り」がなぜ解禁されたのかという歴史の授業と、その危険性についてたっぷりと堪能する。とはいえまあ、その、私が今取ろうとしている小型二輪免許ではあんまり関係ない話ではある。
例外が起こらない限り、バイクの後ろに誰かを載せようとは思わない。絶対に殺してしまうから。殺さないにせよ、責任を取れる自信がないから。私のような粗忽者が、誰かの命を、文字通り背負って運転するなんてのは…無理。無理である。
死ぬならひとりで愉快に迷惑をかけずに爆死するというのが、私がバイクに乗るときの不文律である。そういう意味では、二人乗りってやっぱり怖いということが改めて想起されたので、とても有意義な時間であった。
さて。
みきわめである。
ここで「アカン」となれば卒検(卒業検定)を受けることはできない。
教官からも「本番のつもりでやってください」とキリッと言われる。
応と答えてコースに出て…3課題目に取り掛からんとするときにコース間違いをする。加えて、教官からも厳しいダメ出しを受ける。
教官「ふらふらさんね、今のだと完全アウト」
ふらふら(コース間違いはだめなのかあ…)
教官「ウィンカー出さずに曲がるとはいい度胸ですよ?」
ふらふら「な・・・」
完璧に出していたと思っていたウィンカーが出てなかった…。さすがの教官もなかなかにおこである。惰性でウィンカー出してるからそうなるんやと叱られ、再度スタート。
特になんの問題もなく、コースを2週。
教官もこれにはにっこり。
教官「気合い入れなさすぎぐらいでいいですよ!その調子です!」
教官「じゃああとはフリーで練習で。ちゃんとみてますからね?」
というお褒めの?脅しの?言葉を胸に、ブツブツとコースの順番を唱えながらぐるぐると回る。
コース出て一周
車線変更して右折、S字、クランク、急制動。
半周回って交差点へ左折、直進、見通しの悪いところを左折。
すぐに左折して踏切。右折して一本橋へ。
左折右折して半周、坂道発進へ。
左折右折してスタート地点へ戻る ― とまあこんな塩梅で覚えてはいる。後はこれを本番できちんとできるかどうかだ。
決戦の日は近い。
それまで震えながら眠ることとする。
どうか一発で合格できますように(祈
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次回:卒業検定とわたくし
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