リスプラの歴史_組織運営編

リスティングプラスは、過去様々な心理学や、組織論を取り入れ組織運営をしていきいます。

その都度社員には、しっかりとその研修を入れてくれており、今のリスプラの文化ができています。

今日は、まだ社歴が浅く、過去どんな組織運営がされてきたか知らない人や、これから新しく入ってくる人に向けてリスプラの歴史を組織運営から紐解いていきます。

創業期~3期 ボスマネジメント期

リスプラは、ウィキューブホールディングスという会社の社内ベンチャーとして長橋が設立した会社です。

2011年7月に当時27歳だった長橋がリスティングプラスをつくりました。

2011年7月~12月までは従業員はいなく、2012年1月に2人目の従業員が入ってきています。そのあと、2期6人、3期9人、4期13人、5期24人と順調に人も増え、売上も伸ばしています。

今では、社員同士の中もよく、仕事中の風景も活気がありますが当時は、長橋のボスマネジメントならぬ恐怖政治みたいな感じだったそうです。

もともと光通信出身の長橋がとにかく、出来ていない社員に対して怒る。
仕事中も日中は誰も話さず、オフィスはシーンとしていたそうです。

2013年3月(2期目)には、「アンチ長橋事件」が起こります。

アンチ長橋事件とは、当日6~7人いた社員中、半数以上が社長のアンチとなり一斉退職した事件です。

仕事中も、自分の業務はせずチャットワークで長橋の悪口のオンパレード、オフィスで何か部下に口をきくと、速攻でチャットワークグループで今日機嫌悪いんじゃないww」とか「むかつく」のような言葉が羅列されたそうです。

この事件の話はよく聞きますが、長橋は当時を振り返りこう言っています。「当日は企業理念が経営理念もなかった。そんな中で社員を同じ方向に向かわせるのはできない」

その直後、リスティングプラスは企業理念・経営理念の策定をしました。
なぜかみんなで滝行にいって合宿して決めたそうです(笑)

さらにそこから人事考課制度を導入したり、女性が定着しませんでしたが、初の女性コンサルタントが入社し定着し始めたそうです。

4期~7期途中 選択理論心理学期

従業員の半数以上が一斉に退職するなど、壮絶な創業期を経て、2014年8月に、リスティングプラスが一番最初に導入した「選択理論」が登場します。

選択理論だけ導入したわけではなく、人材教育コンサルティングのアチーブメント株式会社さんにお世話になりました。

選択理論をベースにした、ビジネスにおける「目標を達成する能力」を高めるための研修に当時社員は数十万の受講費をかけていったりしていました。
(最初は会社が負担してくれます)

6期も途中で入社した私ですが、当時ちょっと宗教チックだなと思ったのはここだけの話です(笑)

選択理論というものを知らない人も多いと思うので、簡単に説明します。

選択理論とは

”より良い人間関係を築くための心理学”です。
アメリカの精神科医ウィリアム・グラッサー博士が発表した心理学です。

従来の心理学(外的コントロール心理学)では、人間の行動は外部からの刺激に対する反応であると考えられてきました。そのため、問題が発生したときには怒る、罰を与えるなどの強い刺激を与えることで、相手を思い通りに動かして解決しようとします。しかし、その結果人間関係は破壊されていきます。

対して、選択理論とは、すべての行動は自らの選択であると考える心理学です。行動を選択できるのは自分だけなので、他人に行動を直接選択させることはできません。そのため、問題が発生した時には、相手を受け入れ、交渉することで解決します。その結果、良好な人間関係を築くことができます。
参考:http://www.choicetheory.jp/about/

まさに今までのリスティングプラスは、外的コントロール(怒る・罰を与えるなど)で相手を支配しようとしていました。その結果確かに一度破壊されたのですね。

この理論を取り入れたリスティングプラスは、むやみに怒ったり、罰を与えたりするのではなく、社員自らが目標をもちそれに向かいよりよい選択ができるような関わり方になっていきました。

私も入社したとき、人生プランを考える宿題がでました。
何のために働くのか、人生の目標は何かなどあまり考えてこなかったので、今思えばとてもありがたい時間だったと思います。

当時の上長も光通信出身でゴリゴリの営業マンの営業部長でしたが、入社して一度も怒鳴ったり、感情的な怒り方をされたことがありません。

ネガティブな思考になると、常に自分はどうしたいのかと私自身に問いかけてくれ、自分と向き合わせてくれました。

会社全体でも相手をコントロールしようとするのではなく、相手はどうしたいのかにフォーカスした関わり方だったのかなと思います。

研修の中で自分の人生理念や人生プランなども扱うので、社員同士仲がよく心理的安全性がとても保たれた空間だったような気がします。

4期から7期にかけて、社員数も一気に増え、7期の一番多いときで45人の従業員数になりました。

とても順調に見えている組織運営ですが、物事かならず表裏一体でメリット・デメリットがあります。

選択理論をベースにした、ビジネスにおける「目標を達成する能力」を高めるための研修は、当時のリスティングプラスに心理安全性やマネジメント、目標達成するための力を育んでくれましたが、デメリットとしてこの研修の目標がどちらかというと個人に対してフォーカスされていたため、会社の方向性と合わなくなり退職してしまう人増えたり、お互いを尊重しあう文化の代わりに、会社には役職などの役割がありますがそれがうまく機能しなくなったりしてしまいました。

当時の具体的な話はまた別の機会に先輩社員に聞いてみましょう。

従業員も一気に増え、いよいよ組織としてもっと体系的に、そして市場は待ってくれないので、スピーディーに会社を成長させなければなりません。

選択理論だけでは、難しいと判断した長橋は次に「識学」というものを取り入れます。

7期途中~9期 識学期

「識学(しきがく)」。2019年に東証マザーズに上場し、要潤さんがでていいる広告も頻繁に流れていたこともあるので、知っている人もいるかもしれません。

リスティングプラスのいいところとして、これをやるぞ!と社長が号令したら、社員も一気にそちらに向かうので、識学の研修を取り入れ、一気に識学の色になりました。

識学とは

人が事象を認識し行動に至るまでの思考の動き(=意識構造)に着目した株式会社識学の独自の理論をベースにした組織マネジメント理論です。

識学は「成果の上がる組織をつくる」理論。組織内の意識・思考のずれを取り除き、ハイパフォーマンスな組織を作り上げます。
公式HPより:https://corp.shikigaku.jp/introduction

この理論を導入した目的としては、組織のスピードを最大化するためです。

選択理論期はどちらかというと、目標までの過程も大事にし、いわゆるプロセス管理やモチベーションを大事にする文化でしたが、識学はモチベーションではなく、結果点の管理や組織内に「誤解」や「錯覚」を発生させないように縦割りをしっかり意識づけたりするもので、このときから社長がメンバーと飲みにいったり、上司と部下の距離も保つようになったり、業務指示が毎日くるようになったりと変化しました。

もちろん、それまでも部署があり、チームがあり、そこに上司と部下という位置もありましたが、形だけではなく極端にいうと軍隊のように明確に意識するようになりました。

今では当たり前になっていますが、毎朝の上長からの業務指示。これもこの時期から実施されています。

社長から部長、部長から次長・マネージャー・マネージャーからメンバーへとトップダウンで指示がおりてくるため、方向性がずれることもなく、毎日やることが明確になり、導入目的の組織のスピードを最大化するというのはできていると思います。

選択理論から識学への変革期は相反する理論を提唱してるところもあり、社内が一時困惑しましたが、素直ないい人が多いリスプラはとても識学はマッチしていると思います。

しかし、物事表裏一体。メリットがあればデメリットも生じます。
識学のなかで位置認識という言葉がありますが、組織内での立場(位置)をお互いが明確に認識するというものです。

この位置に認識がズレていると、上司の指示に部下が従わない。社長の決めたルールが社内に浸透しない。など組織を運営していくうえでの弊害が生まれます。

この位置認識がベースで整ってこその識学ですが、これに甘えてしまい、いつしか業務指示がくるのが当たり前。上司からの指示を聞いていればOK。意見があっても上の役職者には言いにくい。という文化になっていってしまいました。

それでもこれまで社長という絶対的なリーダーがいて、一人の力で市場をヨミ、勝てる方向へ導いてくれていたので、それに対して警鐘を鳴らす人はいませんでした。


10期~ ティール組織期

絶対的リーダーの社長が一人で引っ張っててくれる組織も、きっとこのまま成長できるし、私たち社員からすれば安全環境です。

しかし、リスティングプラスは今後IPOを目指したり、社員の自己実現を叶えるためには会社を今以上に成長させないといけません。

それには、今まで通りの組織運営では限界があると、「ティール組織」を取り入れました。

ティール組織とは

ティール組織とは、社長や上司がマイクロマネジメントをしなくても、目的のために進化を続ける組織のことだ。そのため指示系統がなく、メンバー一人一人が自分たちのルールや仕組みを理解して独自に工夫し、意思決定していくという特徴が見られます。

リスティングプラスは、エナジャイズさんのセムコスタイルという研修をうけました。
公式HP:https://energize-group.co.jp/

ティール組織を提唱をしているラルーは、ケン・ウィルバーのインテグラル理論における「意識のスペクトラム」を元に、組織フェーズを5段階に分けてとらえています。

・Red(レッド)組織:個人の力で支配的にマネジメント
・Amber(琥珀)組織:役割を厳格に全う
・Orange(オレンジ)組織:ヒエラルキーは存在するが、成果を出せば昇進可能
・Green(グリーン)組織:主体性が発揮しやすく多様性が認められる
・Teal(ティール/青緑)組織:組織を1つの生命体としてとらえる

まさに、創業期のボスマネジメント、ここでいうRed(レッド)組織:個人の力で支配的にマネジメントから、選択理論や識学を取り入れ組織フェーズが変わってきました。

私の見解では、まずはティールではなくGreen(グリーン)組織:主体性が発揮しやすく多様性が認められる。ここから目指すフェーズだと思います。

今後目指したい組織

創業期からの組織運営の歴史を振り返ってみましたが、今後リスティングプラスが目指していく組織の形は、どれか1つの理論だけを取り入れるのではなく、今まで培ってきたものも取り入れ、リスティングプラスのオリジナルのスタイル(リスプラスタイル)を作っていくことです。

リスプラスタイルを作っていくためには改善しなければいけない点もたくさんあります。

入社3年未満の人が全体の半数以上を占める、今のリスティングプラスでは識学がもっとも色濃くでています。というかそれ以前を知りません。

上司の指示は絶対。今までやってきた手法や手順に間違いはない。違う意見があっても言うと面倒だから言わないで我慢するか、スルーする。枠からはみ出る社員がいると問題児扱い。そういった考えになっている人がいるのも事実なので、もう一度リスプラスタイルを作っていくうえで、今やっていることは効果的なのか、効率性はいいのか、もっといい方法はないのか。
などを役職・社歴関係なく考え実施していける組織にしたいなと思います。

まずは、そういった議論ができる組織にするために、思ったことを言葉にできるようにしていきます。