深夜のテレビでやってる映画って誰が選んでんの

深夜、テレビをつけっぱなしにしていたら映画が始まった。

「ベニスに死す」
タイトルは知っていたので有名な映画であることは間違いない。

10分経ってもどんな話なのかさっぱりわからなかったので、調べる癖がある自分はWikipediaを開いていた。
めちゃめちゃ端折ると
「美少年に魅了された男性が疫病で死ぬ話」
え、
これ、内容がこれでこれだけで有名ってことは多分芸術性が高い系映画なんだろうな、と結局最後まで見てしまった。

確かにタジオは本当にイケメンで、あんなのが街にいて、あんなにエンカウント率高いなら私もずっと見てしまうかもしれない。
現に、え?顔がいい…人をずっと目で追ってしまう経験は私も結構ある。結局元からある美に勝るものはないよね。
ただタジオが、ちょっと確信犯的なのがちょっとなんやねんお前って思ってしまった。

個人的に1番良かったのはやはり主人公の最期、カラー剤の黒が汗と一緒に流れ落ちる描写。美しいものに取り憑かれた主人公のドロドロした執着心、疫病の恐ろしさが流れ落ちていった感じ。
彼が最期にみた光景がタジオだったのは救いなのかな。

そんなことよりもこの映画、結構今の日本への皮肉が効いててびっくりした。
主人公が疫病流行ってるのは本当なのか、街の人にどんなに聞いても「いや、毎年消毒してるし」とか「嘘だよ嘘嘘!」とか有耶無耶な回答を得る。やっと1人、本当のことを言ってくれる人が現れるのだが、「国がそう言えと言っている。ベニスの経済はほとんど観光で回っているから、みんな嘘をついているけど、本当はもう危ない。去った方がいい。」

今の日本、アメリカからの渡航禁止地域には指定されなかったが、本当は……