特別な存在になりたかった

わたしは、家族の中では割と凡人だ。
逆に凡人として目立っている気もする。
母は幼少期からの夢をちゃんと叶えたタイプの人間だし、
父は学生時代に部活で出会ったものを今の生業とした。
妹も破天荒すぎてあれは平凡とは呼べない。
そんな自分との境遇をちょっと重ね合わせてしまったのが、ディズニーの最新作の「ミラベルと魔法だらけの家」だ。
また相変わらずダサい日本語タイトルやなと思うので、原題も知ってほしい「Encanto(エンカント)」これは彼女らの故郷の名前である。

この映画11月末に公開され、私は12月の初旬には見ていた。
英語版をその時はみた。
最近のディズニーさん日本語版が余計な翻訳が多くてうんざりしていたので、やっぱり英語版だよなぁと思い。
たしかに歌は良かった。コロンビア訛りの英語とか気持ちよくはまる韻の数々。あと子役に至るまで声優がうまい。良かったんだけど・・・。
この時に抱いた感想が「で?ミラベルは結局何者だったの?」という疑問。面白いし、曲も良いし、泣けるけど、、、それだけだな、、という。まぁ簡単に言えば微妙という感想。

その後、12月中旬に友人とたまたま映画に行く機会があって、そこで吹替をみた。三時のヒロインのゆめっちがでているらしいからこれは見ないとなと思って。
あーまたどうせ、余計に映像が日本語になったりして興ざめするんだろ…と思っていたのだが…今回それがあまりなかったのが普通にうれしかった。そう、コロンビアが舞台なのに日本語がでてくると興ざめしてしまうから。それに加え、歌も、スペイン語で流れる歌に関しては言語ままに流れていて「うおーーありがてえええ」となった。今回余計な日本語変換がなかったのが本当に良かった。もちろん声優さんも英語版に似てて(子役に関しては英語の方がうまかったかな)ゆめっちなー、キャラの声で歌えるってこれは声優さんでも難しい芸当よ。すごいわ。なんなら最初から吹替見ればよかった。

そして2回目の鑑賞で、ようやくこの話の内容を理解した。


↓この先ネタバレ注意





まず、1回目で理解できなかった「結局ミラベルって何者だったのか」
これ普通に映画見ていると明言はされていないので、憶測でしかないのですが、私の見解だと、「2代目アルマ」なのかなって思いました。
アルマってミラベルの祖母のことです。吹替版の中尾ミエさん、5時に夢中でしか見たことがなかったのですが、ぴったりでしたね。
おばあちゃんがこの家の長であり、奇跡(魔法)を授かった張本人ですが、じゃあ、おばあちゃんってなんの魔法持ってるの?っていう話です。
他の人は明確に「傷を癒す(ミラベル母)」「未来が見える(ミラベル叔父)」「天気を変えられる(ミラベル叔母)」「植物を咲かせる(ミラベル姉)」「力持ち(ミラベル姉)」「地獄耳(ミラベル従姉妹)」「変身(ミラベル従兄弟)」「動物と会話が可能(ミラベル従兄弟)」があるのだが、おばあちゃんってこういうの持ってないよね?っていう。(嫁いだ男性陣は別にして)
1回目に見た時「他の人よりもミラベルがカシータ(家)と仲良いな」という感想を持ちました。最初にテーブルに食器を置くシーン。ミラベルはカシータと協力して1人で全員分の皿を置きこなせてます。が、中盤、他の家族らが食器を置くシーン(マリアーノが来るときの準備)はみんなで協力して皿を置いてます。
決定的なのは、カシータが崩壊していく時、ミラベルと姉たち、従兄弟も蝋燭を取りに行こうとします。カシータはミラベル以外を助けはしますが、取りに行かせる助けはしません。しかし、ミラベルのことだけは、ミラベルが転んでも最後まで蝋燭を取りに行かせ、最終的にミラベルを最後の力を振り絞って家の倒壊から守ります。
そして極め付けは、家を再建後、ミラベルがドアノブをはめると、家に魔法が蘇ります。おばあちゃんがきっかけで奇跡が生まれましたが、今回はミラベルがきっかけで奇跡が生まれた瞬間でした。役割が同じなので、きっと二代目なんだろうなと思った次第です。魔法を与える側の人だったといいますか。
あとカシータヒビが入った原因がミラベルとありましたが、ヒビが入り始めたのは、奇跡が送られなかったミラベルとおばあちゃんがギスギスし始めた時からだった(と思う)ので、家のヒビ=家族のヒビだったと。
おばあちゃんが自分たちの故郷を失わないように、家を守らなければならないと思うあまり、家族にきつく当たりすぎちゃった。と反省してますが、多分、次期後継者であるミラベルへの当たりが強すぎたことが原因だったんじゃないかなと思いました。
これは意外と家族の後継者問題の話なのかなと、家族の繋がりという意味では、ちょっとリメンバーミーに似てるのかなと今更思います。
そして、この話何が言いたかったんかなー問題は、やはり、ミラベルが再三言っている「特別になりたかった」という。これのディズニー的答えが「特別じゃない人間なんていないんだよ」でしたね。でもミラベル他の家族よりも結局かなり特別な存在だったので、正直そこは若干冷めちゃってるところあります自分。でも、家族写真に入れなかったミラベルが歌うあの曲は毎回聴いても泣きます。ちょっと自分に当てはまるところがあるので。
↓これ

確かに、ミラベルは側から見たら何も魔法が使えない特別じゃない人間ですが、ミラベルはマドリガル家的にはかなり重要な「特別な人」だったので、私もそれを信じて生きていきたいですな。。。


上記感想以外の感想
歌は、一番最初のマドリガル家紹介曲が一番好きです。ノリが良い。
日本語・英語と、同じメロディに「マドリガル」という単語がのせられているのが嬉しいところでした。

次点でブルーノウノウノウのやつ。

次点で姉達の曲。いや結局全部好きなんだけどね。
芋虫の曲もいつ流れても泣ける。
好きなキャラは、圧倒的地獄耳ドロレス。良いキャラしてる。あと出番が少なかったカミロ、ミラベルとカミロの絡みが少なかったのでこの二人がなんかする短編をください。
あとへなちょこに見えるミラベルの父がめちゃくちゃ良いお父さんなのが本当に好感持てました。婿養子が家長に向かって「(家がどうなることより)娘のことが一番大事だ」(超意訳)と言い切ってるのかっこいいですよ。
恒例の泣きポイントは、
歌全部(ディズニーは基本「良い曲だー」で全泣き余裕です)
芋虫の曲とともに流れるおばあちゃんの回想シーン(これは泣かないやつおらん)
最後にドアノブを渡された時からはめて魔法が復活するまで(個人的にここが一番泣ける。)

まぁ、見てみる価値はありますよこの作品。
ちなみに私はDisney+での配信が早かったせいで、既に4回くらいは見ました。