君の美しい言葉 vol.18
私は新藤晴一から紡がれる美しい言葉たちが好きだ。
もちろん、「はっ」とさせられたり、「確かにな、私も頑張ろう」などのメッセージがある言葉も沢山もらっているのだが、ただ単にこの日本語美しいなという言葉も沢山もらっているわけで、今回は私が好きな晴一さんの日本語を一部紹介する。
今日は私が初めて借りたオリジナルアルバム『∠TRIGGER』
ジャケ写にデカデカと『PORNO』って書いてあるので、親にこのCDウォークマンに入れてくれって依頼するのめっちゃ恥ずかしかった記憶があります。
∠RECEIVER
この今日は歌詞の日本語が好きとかじゃなく、内容が刺さりすぎる曲。
このアルバム自体は2010年なので3.11モチーフとかでもなんでもないんですけど。震災とか抜きにしてもこの曲はこの世界で我々がどういうふうなポジションでいてればいいのかってことが書かれてる。
まぁなので好きな日本語の観点だったら好きな部分少ないです。
命が消えてく きっかけ(factor) 幾千数多限りなくあるけれど
命が生まれる きっかけ(trigger) たった一つだけという不思議さよ
今思ったけどtrigger=発射=射精とかけてたりするのか???笑
下ネタは置いておいて、同じくきっかけって書いてあるけど、factorとtriggerと読ませるのに、意味のようなものがあるのかい?
この目よ 虚構を射よ この耳よ 意思を聞け
なんかかっこいい一文。
ネガポジ
これは全体的にパーティーパーティソングなんで日本語がどうとかじゃなくてダンシンダンシンは自由だよ〜🕺
ですが、好きな日本語あります。ちょっとだけ
我らは嫌になるほど 気質生真面目JAPANESE
ここの語呂の良さと日本人の特徴を数文字で表せてるから凄い。
クリシェ
どっちかというと冒頭のチェロ大好き少年。
失恋ソングですっていうことだけ言っておきます。
失恋したことないですけど、失恋したら世界がこんなふうに見えてしまうんだろうなっていう、失恋の擬似体験ができる曲です。
こんな美しい夜に 胸に満ちる想いは 今も褪せないあなたとのことばかり
出ました平安貴族
街頭ビジョンから 流れるヒットソング あの頃の曲はない
ガードレールに繋がれて 停まったままの時間 太い鎖 解きようもないままに
ここら辺とか、うわー失恋ってこういうことなんやなぁって思う。
悲しみが 降り注ぎ 僕を飲み込む頃
悲しみが液体になってますね。
音のように 熱のように 掴みようもないもの
この一文、協調的に2回登場するのですが、この後に「なくなってしまってしまえば何も残らない」と言ってるので、多分恋愛を指してるのかな・・・?
IN THE DARK
クリシェの男が、闇堕ちしまくったんか。って感じの曲ですが、なんか好きなんだよなぁ。これ。歌うのちょい恥ずかしいけど。
おかえり僕の元へ 君の名前は確か暗闇
忘れてなんかいないよ また会えて嬉しい
ゆっくり居座って 構わないからね暗闇
暗闇ちゃんかわいいね。
この後「見てー僕の周りにめっちゃ虫飛んでて目が回る」っていう僕も可愛いよ。
悪いもんでも食ったような顔してるな顔をしてるな暗闇
つい光を求めてしまう心が不味いのだろう
この曲、胃がどうたらみたいな話してるので「不味い」っていう言い方になってるんだろうなぁ。
光の矢
源平合戦の一ノ谷の戦いの話を書いてるのですが、
もうここまで来ると新藤晴一は琵琶法師ですよ・・・それは平家物語ですが
騎兵隊の行軍に似た黒い鳥たちは予感
時に託した光の矢が闇を裂くだろう
破れた雪雲 眩い金色の針と少女が紡いだ沈黙の糸をもって
嘆きの杖が刺さったまま 海が哭いている
彼方へ轟くその重苦しい声は 残らず詩人が銀の紙に残す
もう本当にこれ古文に直したら琵琶法師。