いくら練習しても上手くならないのは当たり前

rioです。
タイトルは攻めましたが、ネガティブな内容ではありません。

2022/9/16に加筆修正しました。

この記事で扱っているのは「上達のメカニズム」についてです。ただ、効率的に上達していく方法うんぬんというよりは、思うように上達しないのにはワケがあって、その理由を知っておくことで挫折を予防しよう的なニュアンスが強いです。

ざっくりまとめると、 上達度と練習量は比例しないので、そのことは頭に入れておくといいよ という話です。

上達度と練習量は比例しない

「上達曲線」というワードは聞いたことあるでしょうか。成長曲線とも言ったりしますが、練習量と上達度の相関関係を表した図であり、 練習すればするほど上達するわけではない というこの世の不条理を表現する図でもあります。

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多くの人は「練習すればするほど上達する」と考えています。しかし、現実には上図に示されるようなジグザグな上達の仕方をします。

上達曲線は2つの部分から構成されます。上達している段階である「ブレイクスルー」、上達が止まっている段階である「プラトー」です。後者はいわゆるスランプです。名前がついてるくらいなので、みんな同じことで悩んでいるのです。

図が示す通り、基本的には 上達度と練習量はキレイに比例しません。 たくさん練習してるのにあまり上達してる気がしない、という状況は普通にあり得るということです。このことを知らないと、プラトーの時に心が折れてしまうんですね。

初心者ボーナスは存在する

図の最初の方、始めたばかりの時は「ブレイクスルー」になります。始めたころはやればやるほど上達します。しかしその後最初のプラトーを迎えたとき、多くの人が成長を実感しなくなり、挫折してしまうんですね。

なぜこうなるのか。ここからは特に裏付けのない僕の予想の話になるので僭越ですが、 最初伸びるのはやればやるほど基本技術が身につくからであり、その後のプラトーは応用技術の獲得に苦戦するから だと思っています。

基本技術とはやり方が単一の技術要素です。やり方が単一であり、誰がやっても同じような結果になる技術のことです。やればやるほどできることが増えていくので、成長を実感しやすいです。

基本技術はやり方が単一なので教材も充実しており、反復練習をすることで身に着けることができます。DJで言うと拍を合わせてつなぐ技術とかになるでしょうか。

一方、応用技術とは基本技術の複合や使い道であり、ケースごとにやり方が異なる技術のことです。現場によってやり方が変わってくるので、人によって言うことが違ってきます。DJで言うとその場の客層や雰囲気に沿った選曲をする技術などでしょうか。

応用技術は手繰れのプレーヤーでも言語化が難しく、よく「ここは臨機応変に…」で片づけられてしまったりします。教材も少ないし、また人によっても言うことが変わってきます。初心者はここで混乱するわけですね。「できることは増えているはず。なのになにか足りない」という感覚になり、最初のプラトーを迎えるわけです。

プラトーでどう「もがく」か

プラトーからブレイクスルーに転じるには、先述の「応用技術」を習得できるかどうかがカギになってくると思っています。

応用技術が身につくかどうかは得てして 視点に気づくかどうか です。練習量を積めば必ず手に入るものではなく、視点に気付くきっかけに出会えるかどうかという運の要素も介入してきます。

なので、こうすれば応用技術が身につくと言うような確実なやり方はないと思っています。ただ、視点に気付くきっかけを運よくつかむためにやれることは確かに存在します。一つずつ説明していきます。

現場を経験する

場数を踏むことで気づきのチャンスをつかもうという作戦です。現場を数多く経験することで、毎回様相の変わる雰囲気、客層から感じられるふとしたことが、成長を後押ししてくれるきっかけになり得ます。ポイントは、なるべく同じ性質の現場ばかりではなく、多種多様な経験をつかみに行くこともポイントです。ただし、現場数を増やしたからと言って必ず新たな視点が得られるわけではないことも申し添えておきます。

真似する

上位者のプレイを真似することで新しい視点に気付く方法です。YouTubeなどで上手い人のビデオを見て詳細に分析し、まったく同じように自分でもやってみます。

この時のポイントは徹底的に真似をすることです。同じ技術を同じタイミングで再現することはもちろん、所作・呼吸まで徹底的に真似をします。そうすることで今まで考えもしなかったポイントに気付ける場合があります。

ただ、DJの場合は現場で全く同じことをやる際はちょっと注意が必要かもしれません。ある意味二番煎じになってしまいかねないので、アレンジを入れて違いを出していくのもよいかもしれません。

新しいものを取り入れる

例えば、普段行かないイベントに行ってみるのも一つの手です。練習会もよいと思います。他の参加者のふとしたアドバイスがあなたをブレイクスルーに持って行ってくれる可能性があります。

新しいものに積極的に触れましょう。普段やらない低BPM帯の曲でDJしてみたら、高BPM帯でも使える新たな繋ぎを思いついたりもします。

テーマを決めて取り組む


他の分野にも興味を持つ

プラトーを何度も乗り越え「もうその分野の技術は貪りつくした」と言えるまで成長した後にプラトーを迎えた場合、他の分野から文化を輸入することで次のブレイクスルーに出会えることがあります。

例えばDJを超えて作曲を始めてみると、DJプレイにも活かせるような「展開の作り方」に気づくとか、そんなことがある気がします。他の分野では当たり前のことが別の分野ではブルーオーシャンである、ということは少なからずあります。

あきらめるのはまだ早い

脅すようなタイトルでしたが、上達曲線を知っていることで防げる挫折がありそうだなと思ってこの記事で取り上げました。

似た内容のことを、以下の2つの記事でも取り上げていますので、お時間ある方は少し覗いてみてください。どちらもプラトーで心が折れそうになった時に知っておきたい内容です。

どこかの誰かの参考になれば幸いです。それでは。

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