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システマ随想 第四回 「ミカエル来日」 文/北川貴英

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ロシアン武術「システマ」の公認インストラクターである、北川貴英氏が書き下ろしで語る、私的なシステマについての備忘録。第四回目の今回は、いよいよこのGWに迫ってきた、システマ創始者・ミカエル来日に合わせて北川氏が考えるインストラクターのあり方やセミナーへの備え方を語って頂きました。

システマ随想

第四回 「ミカエル来日」

文●北川貴英



いよいよミカエル来日

 いよいよシステマ創始者ミカエル・リャブコのセミナーが迫ってきました。昨年11月に行われた来日セミナーはシステマ東京が主催しましたが、今回はシステマジャパンによる主催となります。セミナー運営は非常に手間がかかるので、スタッフの皆さんには心から感謝したいと思います。

 昨年11月のセミナーで私が一番神経を使ったのは、

「どれだけ深くミカエルから知恵を引き出せるか」

ということでした。なぜならミカエルは対機説法が基本です。つまり受け手のニーズやレベルを絶妙に踏まえた指導をします。

 そのため深い内容を引き出すためには日本のシステマのレベルをできるだけ高いものとして受け取ってもらう必要がありました。セミナー前、来日したミカエルに主に接するのはアテンドする私です。ですからミカエルは当然、私の理解度を通して日本のレベルを推測し、セミナーのメニューを考えることでしょう。また主催者である私の要望にもできるだけ沿おうとしてくれるはずです。ですからうかつな質問はできません。どんな質問もミカエルは快く答えてくれますが、それによってセミナーのレベルも方向性も決まってしまうからです。

 とはいえ、ミカエルを前に実力を詐称することなどできるわけがありません。いくら背伸びをしたとしても、どれだけ背伸びしているかはもちろん、背伸びしようとする心の弱さ、ミカエルを欺こうとする小賢しさなどなど、すべてが見通されてしまうからです。そこで私は諦めて自分より明らかに長く、真摯に武術に取り組んでいる人にご登場いただくことにしました。それで実現したのが、かねてよりお世話になっている甲野善紀先生との対談です。

 甲野先生がメールマガジンを連載している夜間飛行に企画を持ち込んだところ、話がとんとん拍子に進み、ふたを開けてみれば満員御礼という大盛況のイベントとなりました。この時、ミカエルはチケットの都合で経由便での来日でした。しかも航空会社に不手際があったらしく、長旅で疲れている最中のイベントとなったのですが、ミカエルは疲れた顔一つせずにこなしてくれました。

 その翌日以降のセミナー本編にも三枝誠氏や藤田一照氏、中井祐樹氏、藤本靖氏、山上亮氏ら、各界の一人者にご来場いただいたこと、そして何よりも参加者たちが非常な熱意を持っていたことも、ミカエルの刺激になったのでしょう。11月のセミナーが3日間通じてシャシュカという世界的にも稀な高度な内容になったのは、月刊秘伝の記事やDVDで紹介されている通りです。(ミカエルと甲野師との対談については夜間飛行から発行されている甲野師のメールマガジン「風の先、風の跡」のVol.091、092に掲載されているので、興味のある方は読まれてみると良いでしょう。 http://yakan-hiko.com/kono.html


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