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旧態依然としたITシステムを売り続けても、儲かるんだから付加価値が高くて素晴らしい、で良いのか?

ユーザーに知識がなく、要望が無いからといって、謎のITシステムを提供する事の是非は…

最近、ちょっとどうなんだろと思ってます。

「ユーザーがこれ以上のものを求めないから、これでいいんじゃー。ぅぇっへへっへ」みたいな事にざらつきを覚えるというか。

極端な例ですが「クラウドサービスを入れましょう」なんて言って、あれよあれよと、バックアップ用のサーバーが構内に搬入され、VPNが組まれ、ゲートウェイが設置され、モバイル端末からなぜかVPNとゲートウェイを経由して、結局、オープンなインターネットに出て、クラウドサービスに繋ぐというような事は、今の日本、日常茶飯事のようです。

昭和時代を思い出させるアーキテクチャを内部に温存しているITシステムの是非は…

よしんば、無事に直で接続できるクラウドサービスになったところで、油断してはなりません。

例えば、2GBの壁とか。
「バックアップしましょう、でも2GB以上はダメです」とかいうアレです。
1987年のFAT16が、どこかに残ってるんですかね?

例えば、文字コードの罠とか。
出力データがどうしても読めないと思ったら、なんと78JISという太古の文字コードが出てくるとか。

なんか、動かなくなったら何も対処できなさそうで恐ろしいです。

何を問題に思うかと言うと、コスパの悪いプロセスが温存されることによる長期のミクロ・マクロ的影響

考え方として「別にユーザーがそれ以上を求めていないし、価値を感じているのだから、それでいいじゃん。もうけりゃ」という考え方は、短期的かつミクロレベルではアリだと思います。

ただ、日本全般的に、古いITシステムの制約の上で、コスパの悪い業務をやり続けるって、マクロレベルで考えた時、グローバル化している経済の中で、果たして、いい事なんでしょうかね?

海外のITシステムが、メーカーがズバッとレガシーを切ってしまい、ユーザーはしぶしぶ(か、挑戦的に)新しいアーキテクチャの製品に乗り換えて、プロセスを刷新しているのを見ると、以下のようなリスクが買い手と売り手にあるように思います。

  1. 買い手

    • ITシステムに捕らわれてプロセスを変革できないので、海外勢と競争になった時に、オペレーションの速さ、コストで劣る。

    • レガシーなセキュリティリスクを内包したまま。

  2. 売り手

    • 黒船がやってきて、ユーザーがそれに気づいたときには後の祭り。データを人質にとるとか、そういう謎の事をするしかなくなるが、せいぜい数年しのげるかどうか。

    • 自社の顧客の競争力が相対的に低下して、競合に敗れてしまったら、自社の顧客はいなくなる。その時に、新たな顧客を得ようと思っても、旧態依然としたアーキテクチャで果たしてそれが出来るだろうか?

どっかの偉い人が、三方良しみたいな事を言ったみたいですが(近江商人は言ってない)、マジでそうだと思います。

じゃあ、どんなのが理想的なの?

ITシステムって、偉く変化が早いので、定期的なバージョンアップの強行と、提案活動は必須な気がします。顧客が「面倒くさい、今のままでいいよー」と思うのは当たり前です。だって、変化が早すぎるから。

それでも、ちゃんとメリットを提案をし続けて、顧客のプロセスが停滞して競争力を失わないように支援するというのが、おそらく良い事なのでしょう。

これ、恐らく、当面はIT業を選んだものの宿命なのでしょう。

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