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toco_33_hiyo
ふるあか
それはしづかに舞いおちる
ひらひらとはらはらとやさしく
すこしづつ
土色の大地はやがてそまり
高貴なじゅうたんを織るように
すこしづつしづかに
しづかにすこしづつ
まるくなった少年の
まるくなった体躯のまわりを
まるく囲んですこしづつ
埋めていく
千切られた紙片はぼやけて
消えてしまったよ
からっぽになったはらっぱのまんなかで
泣きくずれた少年の
ひざ小僧はあかい
ひざ小僧はないて
苦痛に顔を歪めている
ええ、小僧はそこにおりますよ
さっきからずっと
うまれたときからずっと
しんしんと舞いおちたそれは、
ほそい月に照らされて
しんしんと
埋めつくす
そしてやがて何もかも染めちまって、
泣いた少年もおほいかくして、
そこはいちめん真っ赤になった。
だれもいなくなって、
赤い花びらだけが堆積して、
積もった花びらだけが、
からっぽのはらっぱに在った。
赤色が、
在るだけだった。
しんしんと赤い花びらが
やさしく
しづかに
ふった。
ふりつづいた。
やむことはなかった。
溢れた
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