それから幸尾は毎日、河原へ出向いた。形のいい小石や木の枝を探したり、
それから幸尾は毎日、河原へ出向いた。
形のいい小石や木の枝を探したり、石をできるだけ高く積んだり、岩についた苔やつららを眺めたり、そういった一人でできる限りの遊びをこなしながら、ちらちらと川面へ目を配った。川上から赤い花びらがひらひらと流れてくるかもしれないからだ。毎日ではないが、それは水流に乗ってやってくる。幸尾はそれを見逃すまいとした。
陽が傾きかけた頃、まずは一片、赤い花びらが流れてきた。先陣を切って勇ましく流れてくるそれを、幸尾は川べりからじっと見つめた。丸く大