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断片集

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#田んぼ

封筒と麻袋に入った米を受け取ると、幸尾は胸の前でギュッと抱いた。それから幸尾は、

 封筒と麻袋に入った米を受け取ると、幸尾は胸の前でギュッと抱いた。それから幸尾は、その場でクルクル回った。お礼の言葉を知らなかったのだ。しかめ面だった女将はやっと少し笑って 「いいから、早くおかえり」  と、追い払うような手の仕草をつけて言った。  幸尾はゆっくりと歩き出す。米の存在、その重みを感じながら、ゆっくりと動き出す。陽が傾きかけていた。西の山へ隠れつつある太陽は、来た時とは違う日差しを田んぼへ注ぎ、田園風景を更に濃い黄金色に変えていった。チャパチャパと金の粉が舞い立