見出し画像

村上春樹の新作短編、カメレオンのジョーイ、首里城の焼失の原因

■2019年11月7日(木) 安定の秋晴れ
村上春樹の新作短編「謝肉祭(carnaval)」(『文學界』12月号)が発表されたので、さっそく取り寄せて読んでみる。
主人公がいままで出会った女性のなかでもっとも〈醜い〉という「F*」と言う人物との交流が描かれる。主人公と彼女とは、シューマンのピアノ音楽「謝肉祭」こそがすべてのピアノ音楽の中でお気に入りという点で一致する。やがて、主人公は彼女の〈醜さ〉こそが彼女が他者を惹きつける〈魅力〉になっていると理解するのだが、その魅力故に彼女との交流は断たれてしまう。

連作短編「一人称単数」として、これまで『文學界』に書かれてきた短編も今回で6作品目。いよいよ単行本になるかしら。

〈カメレオンのジョーイ〉というペットとともに旅をする夢を見る。あちこちでいろんな人に出会い、ジョーイとともに語り合いディナーをともにしてそして別れていくというストーリィらしいストーリィもない夢。ちなみにカメレオンといいつつ、色はまっ黒。

首里城の火災で、全焼した正殿内の電気配線に複数のショート痕があり、出火原因については「電気系統が有力」と市消防局が発表したという。朝日新聞に載った、一面灰だらけの焼け跡を改めて痛ましく思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?