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調子が出なくて苦しい時にどう振る舞うべきか

何事に取り組む際にも、調子の波は存在する。調子が良い時は、何をやってもうまくいくものである。が、調子が悪い時は、何をやっても不十分な結果を生んでしまい、それを自分が悪いからだと論理付け、苦しくなってしまう。

高い目標や理想形を実現するために日々を生きている多くの人はこれに共感すると思う。私はそういう苦しみを感じてきたし、周りにも苦しんでいる人たちがいた。また、苦しい局面を耐え抜くことで大きく成長する人がいる一方で苦しい局面で頑張りすぎて病んでしまう人もいる。

この記事におけるテーマは、目標に向かって頑張る素晴らしい人達が、調子が出なくて苦しい時に何を考えてどう振舞うべきか、というものである。

幸いにも今の私は精神的に余裕がある状態なので、苦しいかった時に思いを馳せるだけの冷静な思考を持っている。だから、今後苦しい場面に陥る自分や、この瞬間に苦しい思いをしている誰かのために、このテーマについて真剣に考えてみようとと思う。

ちゃんと前に進むためには、常に目標を設定し、それを達成できるだけの力を尽くすことが大事である。しかし、目標を高く見積もりすぎても、低く見積もりすぎてもうまくいかない。高すぎる目標は欲求不満と自己嫌悪を生む。低すぎる目標は、自分の能力を過小評価し、甘えを生む。長期的により遠くにいくためには、目標を絶妙な値に設定するかというのが重要になってくるわけだ。

もう少し詳しく上述した構図を分析してみよう。評価というのは、目標から結果を引いたものである。そして、その評価は次の目標を見積もる際の判断材料となる。挑戦するごとに、目標を設定し、結果が出て、評価する。

評価 = 目標 - 結果

重要なことは、自分の成長は「評価」や「目標」とは直接的な関係をもたないということである。実際に世界に反映されて、自分自身がちゃんと成長できるかどうかは常に結果にかかっている。

目標や結果というのは過去の挑戦に影響を受ける。過去の挑戦を通して、どれくらい頑張ったらどれくらいの結果が得られるのかがなんとなくわかっている。今の状況に応じて目標を設定し、どれくらいの力を注げばそれを達成できるのかというのを過去の経験を通して見積もるのである。

過去にテキトウにやっても良い結果が得られていて、今回も同じくらいの結果が欲しいのでテキトウにこなそうとか。意識していなくても、人はそういう風に考えるものである。そういう無意識に引っ張られて全力を出したり、出さなかったりする。人間は全てのことに全力を注げる訳ではないので、全てを引っ括めて望み通りの未来になるように、それぞれに注ぐ力をコントロールしている。

調子が悪くて思うように結果が出ないという時には、まず、落ち着くことが大事である。そして、上述した構図を再認識することが大事である。一時的な感情に左右されずに、今何が起こっているかというのを上述の構図に当てはめて考えるのが良い。目標を高く起きすぎたのか、結果は目標に対してどれくらい足りなかったのか、それを自分はどう評価するのか、力不足なのか、たまたま運が悪かったのか、自分がサボったからなのか、という風に考えるのである。現状の認識ができれば、これから何をすべきなのかを明らかにすることができる。

第一段階は、一旦落ち着いて、現状をきちんと認識し、次に向けた改善策を練ることである。

しかし、それだけでは十分ではない。そういった認知や分析は常に不完全である。このくらいの結果を得るためには最低限このくらいの力を出せばいいといった判断は間違うことがある。特に、変化のスピードが次第に速くなっているこの時代では、間違うことの方が圧倒的に多い。

自分自身の不完全性を受け入れることが第二段階である。自分の認識は大抵間違っているし、一瞬正しい認識を得られたとしてもすぐに世界は変わる、ということを知るのである。その境地に達することで初めて、可能性を探索することに励んだり、結果に一喜一憂せずに常に認識を改めたりするのである。不完全性ゆえの失敗を憂うより、次に何をすべきかを考える方が目標に近づく。不完全性を受け入れることは、前向きの姿勢を醸成することに繋がる。考えたり動いたりすることで、余計なことを考えるのを物理的に防ぐという効果もある。

しかし、調子が悪くて何もかもうまくいっていないという時は思考が雑になっていることが多い。何を信じれば良いのかわからなくなり、脳も疲れていて、正しい思考ができなくなっている。何も考えられない状態で、無理やり何かを考えようとすると、嫌な感情が記憶に残るだけである。嫌な感情が記憶に積み上がっていくと、最終的には目標を諦めることになる。

第三段階は、何も考えられない時には一旦休むという判断ができるようになることである。自分の不完全性が露わになり何か手を打たないといけない場面では焦りが生まれる。自分は未熟だからこそ、一瞬も休んではいけないと考えてしまう。そんな時はむしろ寝る方が良い。そして、翌朝に考えるのが良い。そのほうが、一時の感情に影響されずに冷静に考えることができる。立ち止まって内省することが節目となり、また新たな目標とリセットされた気持ちで物事に取り組むことができる。

第四段階は、苦しさを分析し、目標を変える勇気を持つということである。うまくいっていない時に、自分がサボっているのが原因であることは多い。そして、自分がサボっているのは、物事が前に進んでいないからとか、自分の興味が薄れているからとか、何かしらの理由がある。そういった理由を分析しないままで、気合いでサボらないよう決意することは、自分の感情を歪めることである。自分の感情を歪めると、自分が本当は何をしたいのかが次第にわからなくなってくる。また、他人にもそれを強制するようになる。自分は嫌だけど頑張っているんだから、お前も頑張れよ、と言うようになる。それでは、不幸な人がどんどん増えていってしまう。だから、きちんと苦しさの原因を分析することが大事だ。

もし、その苦しさを考慮しても諦められない目標であったり、その苦しさが一時的なものであることが分かれば、力が湧いてくる。一方、目標を達成することが今の自分にはさほど重要でなくなっているということもある。自分がサボっているせいで結果が出ていない時はこのケースが多い。目標を設定したのは過去の自分であるため、今の自分はそれに興味がないかもしれない。自分は常に変わり続けるため、今設定している目標を別のものに変えるということもまた大事である。目標をガラッと変えるのは、精神的にも物理的にも負担が大きいので、少しずつ自分に正直な方に寄せていくという方法もある。また、興味のあることを抽象的に捉え、全てのやるべきことを目標から演繹した具象として捉えるというテクニックもある。”人を助ける”のようなすごく抽象的な目標を設定しておけば、どんなタスクも目標に繋がるように感じ、モチベーションを保てたりする。

一つの目標に向かってブレずに頑張り続けるのは素晴らしいことであるが、最初から自分の本当の気持ちがわかるわけがない。目標は常に変わっていい。だからといって、自分の本当の思いを分析しないまま目標をコロコロと変えると、いつまでたっても自分がなりたい姿に近づけない。だから、目標を変えるということと、自分を分析するということは常にセットで行わなければならない。調子が悪い時は安易な選択肢を取りやすいため、これは強く意識しておく必要がある。

以上の四段階が、今の私が考える、調子が出なくて苦しい時に意識するべきことである。調子の悪さが酷いほど、下の段階を適応させる必要がある。下の段階にいくほど精神的な負担は重いが、その壁を乗り越えた後の成長も大きいものになる。

再認識のために、四段階をまとめて下述し、終わりにしたいと思う。

1. 一旦落ち着いて、現状をきちんと認識し、次に向けた改善策を練る

2. 自分自身の不完全性を受け入れる

3. 何も考えられない時には一旦休む

4. 苦しさを分析し、目標を変える勇気を持つ 

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