自然体で良い状態

私は、いくつかのことに同時に取り組むことが苦手だ。

また、普段意識しないことを意識しなきゃいけない場面が苦手だ。

何かの面接とか、相手を敬うとか、挨拶をちゃんとするとか、そういうことが苦手だ。

母からあれ冷蔵庫に入れといて、と言われても5分後には忘れちゃうし、ああいう時はああしといてみたいな要求にも答えられない。

思い返すと、小学校低学年のときにはなんとなくそれを自覚していたと思う。

私が行っていた小学校では、毎日、音読をして両親からサインをもらわなければならなかった。また、夏休みには毎日地域のラジオ体操に出なければならなかった。日々の宿題もあったし、教科書は学校におけなかったので毎朝ランドセルにいれて準備しなければならなかった。

そういうことが得意ではなかった。

小学校も、中学校も、高校も、宿題はあまり提出できなかったし、

忘れ物も多かった。

何度も気を引き締めて改心しようとしたけど、うまくいかなかった。

そういう人は一定の割合でいて、何も特別なことではないことはわかっていた。

しかし、改心して鍛錬すれば克服できると思っていたのは間違いだった。

それに気づいたのが高校2年生の時だったと思う。

その後すぐに思いついたのは、克服でないからといって絶望する必要はないということだ。

なぜなら、何かがすごく得意で、人間性が良くて、何かしたの点で他人から信頼されていたら、大体の問題は解決するからだ。他人に自分の価値を提供できて、自分の人間性が良かったら、困ったときに助けてもらえる。

つまり、解決策は、弱さを克服することではなくて、意識しなくても自然体で良い状態をいかに実現するかということに目がいく。

自分が根っからの良い人間で、自然に価値を創出できて、他人を尊敬していて、勉強熱心で、他人に貢献したいと思っていて、というのを自然な状態として持っているというのが大事だ。

私は、何かを意識してやるということができないからこそ、物忘れをするかこそ、普通の状態で良い人間性でなければならない。

逆にいうと、自然体で良い状態をいかに実現するかを目指すと、以下のようなことは、できなくて良いと諦めるしかない。

・人によって接し方を変えること

・苦手なことを克服すること

・嘘をつくこと

・納得できないことを我慢してやること

・虎の威を借りて得すること


こうしたことは、常に自分の意識にあるが、初めて言語化してみた。

同じようなタイプの人間で、解決策を模索している人のためになったらいいなと思って書いてみた。

また、弱みを克服してはいけない、と言っているわけではないということは注意してもらいたい。弱みを克服して、自分のモードを切り替えて物事に対処できる人もいる。結局のところ、自分なりの解決策を、自分の頭で考えて、トライアンドエラーしていくしかない。私もそうしていく。

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