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トレーディングで勝つ人より負ける人が多い理由

個人のデイトレーダーでも金融機関のディーラーでも、勝ち残る人より負けて去って行く人の方が遥かに多い。猿が適当にやっても勝率5割なのに、なぜ勝者と敗者の数が等しくならないのでしょうか。

ギャンブル必勝法

皆さんはギャンブル必勝法をご存知ですか?
ジャンケンで買ったら掛け金2倍、負けたら没収される勝負。

・まず1万円賭けて勝負。
・負けたら次は2万円賭けて勝負。
・また負けたら次は4万円賭けて勝負。
・また負けたら次は8万円…

勝つまで続けて勝ったらやめる。
こうすればいつかは勝って1万円儲かります。連敗が続いて自分の所持金が尽きてしまえば負けですが、確率は極めて小さく、ほぼ確実に1万円勝てます。
万一負けたときに損失が膨大になるのでおすすめはしませんが、この方法でドラクエのメダルを増やした人もいるのでは?

では、その逆をすればどうなるでしょう?

・まず1万円賭けて勝負。
・勝ったら次は2万円賭けて勝負。
・また勝ったら次は4万円賭けて勝負。
・また勝ったら次は8万円…

負けるまで続けて負けたらやめる。
当然、ほぼ100%の確率で1万円負けますね。必敗法とも言うべき、絶対にやってはいけない賭け方です。

みんな大好き必敗法

さて、現実世界はどうなっているかと言うと…
証券会社のディーラーはまず小さな金額からスタートします。うまくいけば昇進して扱う金額が増え、またうまくいけばさらに大きな金額を扱います。うまくいかなければ別部署に異動かクビ。

個人のデイトレーダーにしても、最初から所持金全部でフルスイングする人はいません。小さな金額から始めて、うまくいけば徐々に金額を増やしていくはずです。損をしたからやめる人はいても、儲かったからやめるという話は聞いたことがありません。

つまり、「負けるまで続けて負けたらやめる」必敗法を実践しているのがこの世界なのです。

勝率5割の勝負でこの必敗法を実践するとほぼ確実に負けます。
勝率7割でも生き残れないでしょう。ディーラーとして、デイトレーダーとして生き残るには極めて高い勝率が必要なのです。

資産運用をするうえでやってはいけないこと

極めて高い勝率が求められるのは「勝ったら金額を増やしていく」ゲームをする場合であり、それさえしなければ、つまり、自分の成績にかかわらず一定金額を積み立てて行くのであれば、勝率は55%で十分です。資産運用においては「勝ったら金額を増やしていく」ゲームをしないことが重要です。

・うまくいっていることを理由に金額を増やさない。
・損失が出ていることを理由に金額を減らさない/資産運用をやめない。

この2点を守ることで負ける可能性を減らすことができます。


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