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主夫になってよかったこと - 生活水準を下げる

主夫生活も2年経過したので、主夫になってよかったことについてまとめてみたい。

今回とりあげるのは、「生活水準を下げることができた」こと。

主夫になってよかったと思えるもののなかで、一番苦痛を伴ったものだ。

昇進や副業で収入が増えた場合、生活水準を上げるのは簡単。

前から欲しかった服を買ったり、高級家電に手を出したり、旅行を増やしたり。

この世の中にはありとあらゆる商品・サービスが存在しており、選択肢の多さには困らない。

しかし反対に、収入が減ったときに生活水準を下げるには、大きな苦痛が伴う。

大金を手にした後に、転落してしまう有名人が多いのも、「生活費を下げること」の難しさを物語っている。

たとえば、ヘビー級ボクサーとして名をはせたマイク・タイソン氏。

彼は20代前半だった1980年代後半、ボクシングの大成功で既に億万長者となった。

しかしその後、浪費や暴力事件、離婚慰謝料、詐欺被害により、2003年には30億円近くの負債を抱え、自己破産している。

タイソン氏のように大金を手にしていなくても、生活水準を下げるは大変だった。

そもそも自分が会社勤めをしていた時、それほど生活水準を上げているつもりはなかった。

特に最初の1年目、貯金がどんどん減っていっていくなかでも、なかなか以前の習慣を辞めることができなかった。

スタバにはよく通っていたし、外食や、コンビニにも行き、本も欲しいものがあれば自己投資のためとためらわずに新品で買っていた。

本当にスイッチが入ったのは、会社を辞めてから300万円も貯金が減ったと気づいた時。

会社をやめた翌年に100万程度を税金として支払ったので、税金以外の200万円を浪費で失ったことになる。

我ながらアホすぎる。

何を余裕ぶっていたのか、今考えると全く分からない。

「習慣はすぐには変えることができない」という恐ろしさに気づかされた瞬間だった。

一念発起して郊外の家賃が安い場所に引っ越し、スタバにも行かなくなり、コンビニにはいるのも避けるようになった。

そして本も、新著を買うのではなく、図書館を多く利用するようになった。

そんななか、最初のころは「お金がないからいい暮らしができないなぁ」と我慢をし、苦痛に感じていた。

しかし苦痛のあと、いままで払ってきたものは「仕事のストレスのせいで必要だっただけ」と気づいた。

会社の近くに住むための高い家賃は、通勤のストレスを減らすため。

スタバで買うコーヒーやコンビニで買うパンはストレス発散のためだった。

生活水準をさげるまでに1年以上かかったが、なんとか貯金が減っていくということは避けることができるようになった。

いまでは自動販売機でジュースを買うことすら控えている。

そして、「生活水準を下げる」ことは、主夫になるならないにかかわらず、苦痛をともなうものの、一度体験しておいたほうがいいと思った。

というもの、そもそも日本の経済成長が止まっているからだ。

日本の2022年の実質GDP成長率は1.1%、経済力のカギとなる「人口」は10年以上連続で減少中。

経済が勝手に成長し、給料も勝手に上がっていく時代ではなくなってしまった。

今後も人口は減っていくので、むしろ成長率は下落していく。

そこで生活水準を下げることは、生き抜くための防御となる。

時代の寵児であるイーロン・マスク氏も、若いときに「生活費を下げる」経験をしたおかげで、不安が減ったと語っている。

「アメリカでは、生き延びるだけならとても簡単。安いアパートにコンピューターが一台があれば、飢え死にすることなく生活できると思った。」と語り、彼は実際に、1ヶ月30ドルの生活できるかを実験した。

何を食べていたかというと、まとめ買いで安く買ったホットドックとオレンジ、そしてたまにトマトソースパスタを食べ、30ドルに抑えたようだ。

「1ヶ月に食費代の30ドルを稼ぐのは簡単だし、人生どうにかなると考えるようになった」という言葉が印象的だ。


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