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おおはさまが、ずっと夢見続けていた雛まつり。

世間とは違うズレのような事がある。突き進んでみるのはいいけど…。ん?これ、皆とズレてる??と思うことってたまーにある。でも、自分が信じた道を一生懸命やれば、それが多くの人に届いたら、それはもはや、ズレではなくなる。それが当たり前になる。っていつかのオールナイトニッポンで星野源が言ってた。たぶん、「チンドン屋」の世界でも、それが言えるかもしれない。大人になっても、これでいいんだよって、自由に生きていいんだよ~。って。

2022年12月下旬、とある方から「今年はチンドン屋やるの?」って言われたので、ボクは「やりますよ!」って伝えた。そしたらその人は「よっしゃ!」と声に出して喜んでくれた。

喜んでくれる人は毎年増えてる気がする。

そもそも、おおはさま宿場の雛まつりとは、おおはさまの中心街はかつて盛岡と遠野を結ぶ街道の宿場町として栄え、江戸時代の雛人形等が代々受け継がれている。宿場の雛まつりでは、町内の商店や民家に雛人形が飾られ、その雛人形たちを観に、お客さんが訪れるイベントである。
※参考「一般社団法人花巻観光協会」

その雛まつりにチンドン屋として出演するのが恒例となっている。

なぜ、ボクがチンドン屋の世界に足を踏み入れたのかは、こちらを参考に。
そういえば、ずっと更新してない「白塗りのぶどう農家」も引き続き書いていきたい。

さて、コロナ、コロナとこの3年間、何かあるたびに、呪文のように唱えられていたコロナ。

コロナが本格化し始めの頃、ちょーど、おおはさまの宿場の雛まつりが開催中であったが、途中で中止となった。あれから3年が経った。

2023年、雛まつり初日、2月23日(木祝)は早池峰一座単独で演奏を行った。久々だったからグッとくるものがあった。3月5日(日)のフィナーレは岩手県大船渡市の寺町一座さんとの共演。

雛まつり初日のチンドン屋

3月5日を語る前に、今から約1年前の話をしたい。東京から大学時代の後輩がおおはさまに来てくれた。そこで、どんな流れでチンドン屋の話になったかは覚えていないが、とにかくチンドン屋をやる意味、チンドン屋がこの町にとってどんな存在なのか、酒を飲みながら話した。とても暑苦しかったと思う。ごめん。でも、ボクは話し続けた。その後輩は「じゃあ、一緒にチンドン屋やりましょう!」と言ってくれた。それが今回、雛まつり最終日3月5日に叶った夢。

彼の名は泉谷篤史。いつも彼の事を「いずいず」と呼んでいる。大学時代、東北の復興支援活動で意気投合した。ボクは当時大学4年生で、彼は大学1年生。しかもキャンパスが違う。ほんとうであれば、交わることがなかった2人。それが在学中に出会ってしまった。

けど、キャンパスも違うので、話した記憶はあまりない。それからボクが卒業してから、何故かめちゃくちゃ仲良くなった笑

彼は東京から、チンドン屋をやるために、この町にやってきた。ちなみにおおはさまに来るのは今回を入れて4回目。

長旅で疲れてるのに、ありがとう!

いつも通り、夜会は激しく!
撃沈するのはいつもボク笑笑

こういう人、東京の飲み屋でいた笑

深夜2時頃に布団に入って、7時に起床。
朝食を食べて一緒に会場へ。

衣装は福島屋さんからお借りしまして。

ここで印象的だったのは、いずいずがはじめて、衣装を着て、「こういう衣装を着たり、足袋って初めて履きます!」って言ってくれた事。チンドン屋では当たり前になっていたけど、言われてみればそーだよね!と思った。新鮮な事が多くて、刺激的だったと思う。
また、いずいずにとっては、周りはほぼ初めましての人だらけ。けど、彼は持ち前のコミュニケーションで馴染んでいた。

「とにかく、もう本番は何が起こるかわからないから、ライブだから!」(あれ?どっかで聞いたな笑)と、ボクはいずいずに伝えた。当日のスケジュール等は本番当日に伝えた。←ちょ!

沿岸の大船渡市から寺町一座さんも到着。楽屋へ。時間をかけて衣装に着替える。
寺町さんはこれが今年、初めての公演だという。

寺町さんのチンドン太鼓渋い!!

一方、早池峰一座の楽屋には次から次へとメンバーが到着。笑いが絶えない楽屋だ。本番まで残り1時間。他愛のない会話で盛り上がる。ボクはいずいずを連れてようやくコースの下見。

コースの下見はこの格好で笑笑
ひと通り楽しんだ

コースの下見後、2人でまた、楽屋へ戻った。
そろそろ本番。今回はメイン会場からのスタートではなく、川原町公民館から。

楽屋を出て、皆でてくてく歩いていく。
川原町公民館到着
いよいよ本番
早池峰一座、山影座長より一言。

寺町さんと3年ぶりの共演!最初の曲は、どこのチンドン屋でも必ずオープニングで演奏される曲、「竹」に「雀」と書いて「竹雀」(たけす)からスタート。

一斉に奏でられたメロディーは天高く突き上がるようだった。
「あーーー!!これだよなー!!」ってボクはきっと誰よりも嬉しかったと思う。何曲か披露した後、演奏しながら練り歩き、沿道には多くの人が集まっていた。様々な曲を演奏しながらメイン会場へ。寺町さんと早池峰一座が合同で数曲やった後、寺町さんだけで演奏。ここで、寺町さんの口上が入る。

「皆さん、またコロナが来たらね、何倍にもしてお返ししちゃいましょ!!」

この言葉がボクにとってコロナ終了のお知らせだった。長かったなー、この3年間。うんうん、3月5日をもちましてコロナおわりーー!!!!そんな気持ちで写真をパシャリ

今のところ2023年鈴木寛太的ピューリッツァー賞候補
エレキギターが渋い!
素敵でした!

めいっぱい演奏した後、最後は寺町さん、早池峰一座合同で数曲。アンコールもあり、メイン会場は大いに盛り上がった。寺町さんも楽しかった様子で、寺町さんの座長から「ほんとに楽しかった、ありがとう!」と挨拶があり、「こちらこそ!ありがとうございました!」と伝え、それぞれの楽屋へ。

そういえば、雛まつりのオープニングセレモニー(2月23日)の時に琴の演奏があり、その琴の方達は花巻の方で、コロナでも練習は続けていて、大変だったと話があった。その方から、「コロナコロナしか聞かない世の中だったけど、今年の流行語は3年ぶり!になる」と。そうそう!流行語にしよう!合言葉にしよう!「3年ぶり!!」だからやろう!!でいいじゃない。3年も待ったんだもん。だから、こじ開けよう!もう、コロナを言い訳にしない世界を。鐘を鳴らせ!太鼓を叩け!音を奏でよう!ようやくコロナがどっかにぶっ飛んだこの世界で生きていこう!!

これが、おおはさまがずっと待に待った、夢見続けていた雛まつりだったのかと思ったら、一番この光景を見たかったのは、おおはさまの雛人形達だったかもしれない。ようやくだよ!!!って言ってたかもしれない。そうだよね、ようやくだよ。だからまた、来年も会おう!

またね!

P.S.いずいず、もう立派なチンドンメンバーだから、またよろしく!そして、また飲もう!楽しい時間をありがとう。




                   かんた

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