「試合する意味がわからない」
今日は子供レッスンの時にハプニングが起きた。
レッスンに毎日顔を出してる男の子が、座り込んでいたので話を聞いてみると、「試合をやる意味がわからない」と言って悲しそうな表情。
いつもは楽しそうに試合をしていたのに最近はどうもうまく行かないらしく、その子の周りにはギャラリーができていて、みんなで慰めていたらしい。
僕はちょうどその子のレッスンをしようと話しかけるところだったので、レッスンは中断して話を聞いていた。
「試合をやる意味がわからない」
その子の最初の一言がそれだった。
気持ちはめちゃくちゃわかる。
試合に勝ったところで成績が上がるわけでもないし、将来もらえる年金が増えるわけでもなし、癌になってからでも入れる保険が見つかるわけでもない。
じゃあ、なんで試合をするんだよ!!!!
僕は人生の指針というか物差しを見つけるためだと思っている。
その子は9歳の男の子だったので仮に80歳まで生きてるとして、あと71年間はいろんな情報という濁流に飲み込まれながら、いろんな選択を迫られることだろう。
そんな時に指針や物差しがない子はどうやってそれを判断したらいいのだろうか?
やっぱり自分の感情を頼るしかない思う。
卓球やっててこれは楽しかった、これは面白かった、こんな瞬間がずっと続けばなって思った。そんな心が湧き上がる瞬間に巡り会えたかどうかで、その子の人生はいくらでも向上する。
でも、自分に自信が無いと家族や友達、先輩など身の回りの人に頼ることになる。
悪い訳では無いが、誰のせいにしても結局決めるのは自分なのでその選択で苦しむのも自分。
「少年よ、卓球は人生の指針を見つけるためにあるのじゃ!」と思った。
パァーっと顔が明るくなって試合に出かけたその子に、後で「試合はどうだった?」と聞いてみると、「○○くんの弱点がわかったんだよ!それでね…」と大興奮していた。
どうやら相手の特徴を観察して弱点を見つけたりして分析するのが好きらしい。
「次は誰と試合したい?」と聞くと、「ゆうきくん!」と言われ、指名した相手は中学生で自分より経験値の高い子だった。
まさかそんな子を指名するとは思っていなかったので、少し驚いたけどなんやかんやいい勝負してて笑ってしまった。
その少年に30分前の悲しげな表情はもうどこにもなかった。
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