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魔法骨董屋【鈍色】第一話

※この記事は【魔法骨董ここに眠る】のプレイログです。
ココフォリアのチャット欄を使って書いた『日記』をログ出力したものをそのまま記載しています。


婚約指輪

[店主の日記] ☆ : 魔法骨董屋【鈍色】の、新しい店主。最初の仕事は荷解きだった。

[店主の日記] 店主 : 「……さて、はじめまして新入りくん。きみの話を聞かせておくれ」

[メイン] ☆ : 形状:示すもの(クラブの2)

[店主の日記] ☆ : 緩衝材として巻かれていた、書き損じの羊皮紙と思われる茶色い紙を、そっとほどいてゆく。
中から出てきたのは、小さな、美しい銀色の指輪。おそらく婚約指輪だろうか。

[メイン] ☆ : 効果:知恵

[店主の日記] 店主 : 「ええと、一言で表すと『知恵の指輪』なのかな」

[メイン] ☆ : 1d6 【魔力】

[メイン] ☆ : 1d6 【魔力】 (1D6) > 1

[店主の日記] ☆ : ほんとうに、微かな魔力。例えるならば「風前の灯火」だろうか。

[メイン] ☆ : 1d6 【物語】 (1D6) > 6

[メイン] ☆ : 黒:持ち主やその隣人、あるいはあなたにとって好ましくないこと。
10:直前の持ち主はどのようにして手放すことになったのだろう?
(スペードの10)

[店主の日記] ☆ : 指輪は饒舌だった。自分の魔力が尽きる前に聞いて欲しかったのだろう。

[店主の日記] 魔道具 : 「あの日は雲が薄く張った、すりガラスのような空気で満ちた日のことでした。若旦那様がわたくしのことを見つけてくださったのです。ですがわたくしを贈られた相手が悪かった。若旦那様には既に許嫁がいらっしゃったというのに」

[メイン] ☆ : 黒:持ち主やその隣人、あるいはあなたにとって好ましくないこと。
A:どのようにして造られたのか?魔力を込めながら造られたのか?職人の手によって造られてから魔法をかけられたのか?
(スペードのA)

[店主の日記] 魔道具 : 「わたくしに魔力を授けてくださったのは若旦那様だったのです。至極普通の宝飾品店で売られていたわたくしに、知恵という名の『洗脳魔術』を込めたのは」

[メイン] ☆ : 黒:持ち主やその隣人、あるいはあなたにとって好ましくないこと。
9:長い間放置されたり、しまわれたりしていた。どのくらいの時間だったのだろう?また、何がその状況を変えたのだろう?
(スペードの9)

[店主の日記] 魔道具 : 「わたくしは己に込められた魔術に逆らうことができません。贈られた御相手様の指の上で、わたくしは囁きかけるしかできませんでした。『俺のことを忘れて幸せに暮らせ』という、若旦那様から御相手様への言葉を」

[メイン] ☆ : 赤:持ち主やその隣人、あるいはあなたにとって好ましいこと。
3:人間があだ名をつけたり、新たな使い道を探していた。うまくいったのだろうか?
(ダイヤの3)

[店主の日記] 魔道具 : 「しかし御相手様は聡い方でした。わたくしに洗脳魔術が掛かっていることに気が付くと、すぐにわたくしをその手から外し、新たに贈り物として渡せるように包むと、若旦那様の許嫁様へと、わたくしを渡したのです」

[メイン] ☆ : 黒:持ち主やその隣人、あるいはあなたにとって好ましくないこと。
4:一番長く使っていた人間のこと。大事に使われていたのか?それともたまたま置かれていたのか?
(スペードの4)

[店主の日記] 魔道具 : 「御相手様の思惑通りに、許嫁様はわたくしをその指に嵌めて生活しました。わかりますか?許嫁様は若旦那様ではなく、御相手様を愛したかったのです。ですがその心を御相手様は知らなかったのです、知らずに渡してしまったのです。若旦那様と許嫁様、双方がお互いと結ばれることを望んでいないこと、それどころか双方ともが御相手様のことを愛していたことを」

[メイン] ☆ : 赤:持ち主やその隣人、あるいはあなたにとって好ましいこと。
5:持ち主が代わった時のこと。合意はあったのだろうか?
(ハートの5)

[店主の日記] 魔道具 : 「それが判明した直後、わたくしは若旦那様の手元へと戻りました。わたくしが存在することで、御三方すべてが不幸になってしまった、それに若旦那様は気が付いたのです。わたくしにかけられていた洗脳魔術は解かれ、あとはもう、ここに残るのはその残滓のみなのでございます。……彼らは幸せになれたのでしょうか?わたくしにはもうわかりません。なぜならば、新しい記憶を蓄えられるだけの魔力が残っていなかったからです」

[メイン] ☆ : 最期の質問:スペードの7

[店主の日記] 店主 : 「……そうか。では最期に聞かせておくれ。きみは次に引き取られるなら、どんな人がいい?」

[店主の日記] 魔道具 : 「わたくしが選んでも良いのならば、愛だの恋だの、そういった世界とは別の、そう、たとえば、己を着飾ることにしか興味の無いようなかたに、わたくしそのものを気に入ってもらいたいですねぇ……」

[店主の日記] ☆ : 溜息交じりに、その言葉を口にした。そしてそれ以降、二度と指輪の声は聞こえなくなった。

[店主の日記] 店主 : 「……そう。話を聞かせてくれてありがとう、今はゆっくりとおやすみ。きっと素敵な御客様が、きみ自身の、本来の美しさを見出してくれるさ」

[店主の日記] ☆ : 店主の指が撫でるのは、美しい銀細工。きっと安息の日は来ると、そう言い聞かせながら我が子を寝かしつける親のような、優しさの中で婚約指輪はやっと眠りについた。

[店主の日記] ☆ : ~ 第一話、終了 ~


第一話、画像ログ

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