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養生訓 巻第五 五官 鳳凰堂流解釈⑰


原文を現代文に改変
貴人の前に久しく侍り、或いは公廨(くがい)に久しく坐して足しびれ、にわかに立つ事ならずして、倒れ伏す事あり。

立たんとする前より、かねて自ら足の左右の大指を、しばしば動かし、のべかがめすべし。かようにすれば、痺れ萎えずして、立ちがたきうれいなし。

平日時々兩足の大指を、伸べ屈めきびしくして、習いとなれば、轉筋の憂いなし。又轉筋したる時も、上氣する人も、兩足を伸べて、大指をしばしば動かすべし。氣下る。この法又人に益あり。

鳳凰堂流意訳
位の高い人の前に長時間いたり、公共の場所で長時間坐わって足がしびれ、すぐに立つ事ができずに、倒れ伏せる事がある。立とうとする前から、自分の足の左右の母指を、ちょこちょこ動かし、屈伸させると良い。このようにすれば、痺れや萎縮が起きず、立にくくなるような困ったことにはならない。

平時、時々両足の母指を、しっかりと屈伸させ習慣とすれば、こむら返りを起こして困る事がない。又こむらがえりした時も、上氣する人も、両足を伸ばし、母指をしっかりと動かすと良い。氣が下りる。この法は又人に良い。

鳳凰堂流解釈
下腿部のセルフケアとして、足の母指の屈伸が述べられていますが、これは五指全体に言える事です。鳳凰堂では、患者さんに同様にお伝えしていますが、それぞれの指で役割が違い、セルフケアの何が疎かだったのかが分かる為、施術の際にお伝えしたりすることがあります。

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