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䗪虫2・鳳凰堂流一部意訳

現代的な認識は以下

TradoMPD 伝統医薬データベースより引用
生薬別名   土鼈、地鼈
生薬ラテン名 Eolyphaga
生薬英名   Ground Beetle
科名     ゴキブリ科 Blattidae
基原     シナゴキブリ Eupolyphaga Sinensis(F.Walker)
(GBIF:2001009)
薬用部位   雌の全乾燥品
主要成分   動物ステロイドホルモン animal steroid hormones
       -ステロイドホルモン(ゲンゴロウ類)
薬理作用   血液凝固阻止作用(アルコールエキス)
臨床応用   駆瘀血薬として用いる、口内炎や乳汁不通にも用いられる。
頻用疾患   瘀血、口内炎、乳汁鬱滞、経閉
帰経     肝
性      寒
味      鹹
中医分類   活血袪瘀薬
薬能     破血逐瘀、続筋接骨、跌打損傷、筋傷骨折、血瘀経閉、
       産後瘀阻腹痛、癥瘕痞塊に用いる。
備考     基源動物には(1)シナゴキブリ土鼈虫 Eupolyphagas sinensis Walker、江蘇省、浙江省産のものが、体がやや小さく、腹中に土を含まず、体が厚いわりに軽く品質良好で、「蘇土元」と称される。その他の地区のものは蘇土元より大型で、腹中に土を含み、重く品質次品である。「大土元」あるいは「漢土元」と称する。(2)サツマゴキブリ東方后片蠊 Opisthoplatia orientalis Burmeister 本腫は、前胸背の前、側縁が淡黄色を呈しているので、「金辺土鼈」とも呼ばれる。(3)冀地鼈 Polyphaga plancyi Bol.北京に分布する。いずれも雌の全乾燥品が市販される。その他香港、台湾市場の䗪虫の一部はゲンゴロウ科(Dytiscidae)のコガタノゲンゴロウ Cybister tripunctatus orientalis Gschew の乾燥虫体である。
外部リンク:民族薬物DB
参考文献   主要成分
       C1)和漢薬百科図鑑 Vol.Ⅱ pp. 324-326



神農本草経・鳳凰堂流解釈
蟅蟲 性味咸寒。主治は心腹で寒熱の流れが感じる、血積癥瘕、破堅、下血閉。出産時に用いるのは良い。別名地鱉、生川澤。

本草綱目・鳳凰堂流解釈
別名
地鱉(《本經》)、土鱉(《別錄》)、蚵蟲(《綱目》)
陶弘景は扁平で鱉のような形をしている為、土鱉と名づけられていると言っている。
宋代の薬物学者である寇宗奭は今の人は簸箕蟲と言っているが、それは形からのイメージであると言っている。
李時珍は陸農師によると申日に逢えば過街となる為、過街と呼んでいると言っている。
《袖珍方》には蚵、地蜱蟲と言うと書かれている。

集解
《別錄》には生河東川沢や砂の中、人家の壁下土中で湿気があるところに生息する。十月に採取し、曝して乾燥させると書かれている。
陶弘景は扁平で鱉のような形をしており、甲があるが飛べない。少し臭気があると言っている。
恭はこの物は鼠壤土中や家屋の壁下に生息するのを好む。形狀は鼠婦に似ており、大きさは約3cm、形は小さな鱉に似ており、甲がなく鱗がある。子供がよくつかまえて、物を載せて遊んでいると書かれている。
李時珍はあちこちにいる(以下割愛)と言っている。

氣味
鹹,寒,有毒。
甄權は鹹、苦と言っている。
之才(五代十国の徐之才か?)皂莢、菖蒲を恐れ、屋内にいると言っている。


主治
心腹に寒熱がサーッと流れる感覚、血積症瘕,破堅不通,破留血積聚(《藥性後》)

發明
張仲景治雜病方と久瘕積結には大黃 䗪蟲丸、大鱉甲丸があり、婦人科薬として用いると、破堅下血の効果があると書かれている。

附方
新七。
下瘀血湯は產婦腹痛で乾血がある場合に処方する。
用 蟲二十枚(熬,去足),桃仁二十枚,大黃二兩,為末,煉蜜杵和,分為四丸。每以一丸,酒一升,煮取八合,溫服,當下血也。(張仲景方)
舌の腫れ強わばり(いわゆる牙関口噤か)
蟲(炙)五枚,食鹽半兩,為末。水二盞,煎十沸,時時熱を含む涎を吐く。治癒すれば止める。(重舌塞痛には地鱉蟲と生薄荷を研いて汁にし、絹で包んで舌下の腫れたところに置く。別名、地蜱蟲。(鮑氏方)

腹痛夜啼には、蟲(炙)、芍藥、芎 各二錢。為末。每用一字,乳汁調下。(《聖惠方》)

折傷接骨︰楊拱《摘要方》︰用土鱉焙存性,為末。每服二、三錢,接骨神效。一方︰生者擂汁酒服。《袖珍方》︰用蚵 (即土鱉)六錢(隔,醋淬七次),為末。每服二錢,溫酒調下。病在上食後,病在下食前,神效。董炳《集驗方》︰用土鱉(陰乾)一個麝香少許為末。每傳秘方,慎之。又可代杖。

○大黄䗪虫丸≪金匱要略≫≪血痺虚勞病脈證并治≫より
五勞の虛が極まり、痩せて腹滿し、飲食ができない、食傷、憂傷、飲傷、房室による傷、饑傷、勞傷、經絡榮衛の氣傷等により內に乾血があれば肌膚甲錯、兩目黯黑となる。この場合、緩中補虛する為に大黃䗪虫丸を用いる。

大黃十分,蒸;黃芩二兩;甘草三兩;桃仁一升;杏仁一升;芍藥四兩;乾地黃十兩;乾漆一兩;蝱虫一升;水蛭百枚;蠐螬一升;䗪虫半升。
右十二味,末之,煉蜜為丸小豆大,酒飲服五丸,日三服。


○下瘀血湯≪金匱要略≫≪婦人産後脈証治≫より
大黃二兩;桃仁二十枚;䗪虫二十枚,熬,去足。
右三味,末之,煉蜜和為四丸,以酒一升,煎一丸,取八合,頓服之。新血下如豚肝。
產後七八日,無太陽證,少腹堅痛,此惡露不盡,大便,煩躁發熱,切脈微實,再倍發熱,日晡時煩躁者,不食,食則讝語,至夜即愈,宜大承氣湯主之。熱在裏,結在膀胱也。
產後風,續之數十日不解,頭微痛,惡寒,時時有熱,心下悶,乾嘔汗出。雖又,陽旦證續在耳,可與陽旦湯。

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