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養生訓 巻第八 灸 鳳凰堂流解釈②


原文を現代文に改変

𦫿葉とはもえくさの略語也。三月三日、五月五日にとる。然共長きはあしき故に、三月三日尤もよし、うるはしきをえらび、一葉づつつみとりてひろき器(うつわもの)に入、一日日にほして、後ひろくあさき器に入れ、ひろげ、かげぼしにすべし。數日の後よく乾きたる時、又しばし日にほして早く取入れ、あたたかなる内に、臼にてよくつきて、葉の砕けて屑となれるをふるいにてふるいすて、白くなりたるを壺か箱にいれ或いは袋に入れ藏(おさ)め置いて用ゆべし。

又かわきたる葉を袋の入置用ゆる時、臼にてつくもよし。くきともにあみてのきにつり置くべからず。性よわくなる。用ゆべからず。三年以上久しきを用ゆべし。用いて灸する時あぶりかわかすべし。灸にちからありて火もえやすし。しめりたるは功なし。

鳳凰堂流意訳

𦫿葉とはもぐさの略語である。

三月三日、五月五日に採取する。

しかし長いものは良くない為、三月三日が最も良い、綺麗なものを選び、一葉づつつみ取って広い器に入れ、一日の間太陽の下に干して、その後広く浅い器に入れ、広げ、陰干しにする。

数日後よく乾いた時、又はしばらく太陽に干して早く取り入れ、あたたかな内に、臼でよくつき、葉が砕けて屑となったものをふるいにかけ、白くなったものを壺か箱にいれ或いは袋に入れ貯めておいて用いる。

又乾いた葉を袋の入れておき用いる時に臼で突いても良い。

茎と一緒に編んで軒に吊しておいてはいけない。性味がよわくなる。この方法を用いてはいけない。

三年以上経ったものを用いる。

用いて灸する時あぶってかわかすと、灸に力が入り火もえやすくなる。しめり気があると効果がない。

鳳凰堂流解釈

灸の採取時期、貯蔵の要領等が書かれています。

鍼灸師は当然知っていますが、自分で採取し、精製し、貯蔵しておくと良いです。

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