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養生訓巻五 二便 鳳凰堂流解釈②

原文を現代文に改変
二便は早く通じて去るべし。こらゆるは害あり。もしは不意に忙わしき事できては、二便を去るべき暇なし。

小便を久しく忍べば、たちまち小便塞がりて、通ぜざる病となる事あり。これを轉脬(てんふ)と云う。又淋となる。

大便をしばしば忍べば氣痔となる。又大便をつとめて努力すべからず。氣上がり、目悪しく、心騒ぐ、害多し。自然に任すべし。

只津液を生じ身體を潤し、腸胃の気を巡らす藥を飲むべし。麻仁、胡麻、杏仁、桃仁等食うべし。

秘結する食物、もち、柿、芥子(からし)など禁じて食らうべからず。

大便秘するは大なる害なし。小便久しく秘するは危うし。

鳳凰堂流意訳

二便はすぐに通じがあり出るのが良い。便を堪えると害がある。不意に忙しくなると二便を出す時間がなくなるが、

小便を長い時間堪えると、小便は塞がり、出なくなる病となる事がある。これを轉脬と呼んでいる。又淋病となる。

大便を長い時間堪えると氣痔となる。

又大便は無理に力を入れて出そうとしてはいけない。無理に出そうとすると、氣が上がり、
目に力みが生じ、心が騒ぐ。これらによって肝、心と言った氣を上げる作用に害が生じる。自然に任せて出すべきである。
自然に任せてと言っても出にくい場合はただ津液を生じさせ身体を潤し、胃腸の気を巡らせるような薬を飲むと良い。

麻仁、胡麻、杏仁、桃仁等がそれに当たる為、このような時は食べると良い。

便秘しやすくなる食物としては、もち、柿、芥子(からし)などがある為、便が出ない時は禁止して食うべきではない。便秘する事自体に大きな害はないが、小便が長く出ないのは秘命が危うい。

鳳凰堂流解釈

小便は普段中々注意が向かないものです。寒ければ頻繁に出たり、水を飲んでいなければ出にくかったりします。

大便は書かれているような生薬も良いですが、さらに果物類も意識する事、全身運動と腹式呼吸を合わせることで出やすくなります。

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